セミナリー・インスティテュート
第15課-永遠の結婚


第15課

永遠の結婚

はじめに

永遠の結婚は,日の栄えの王国の最高の階級である昇栄に欠かすことのできないものであり,それは,神殿で正当な権能によって結び固められ,そのときに交わした聖約に従って生活することによってのみ得られるものです。この課を学ぶことにより,正しい相手と正しい場所で正しい権能によって結婚することが,最も重要な決断であることを生徒たちは再確認するでしょう。

背景となる読み物

  • ラッセル・M・ネルソン「日の栄えの結婚」『リアホナ』2008年11月号,92-95

  • 「誉れある,幸福な,実り多い結婚生活」『歴代大管長の教え—スペンサー・W・キンボール』第18章,189-201

  • クリー・L・コッフォード,“Marriage in the Lord’s Way, Part One,” Ensign, 1998年6月号,7-12

教えるための提案

教義と聖約132:1-24

永遠の結婚の教義

教会の最も初期の時代から永遠の結婚の重要性が教えられてきたことを説明します。しかし,永遠の結婚の教義は,ノーブー時代まで預言者ジョセフ・スミスによって広く教えられてはいませんでした。十二使徒定員会のパーリー・P・プラット長老(1807-1857年)が,結婚は永遠に続くものだと初めて知ったときにどのように感じたかを語った次の言葉を見せます。一人の生徒に声に出して読んでもらいます。

〔パーリー・P・プラット長老の画像〕

「最愛の妻とこの世においても永遠の世においても固く結ばれると教えてくれた人,それはジョセフでした。……この愛情はさらに強めることができ,その愛情の中で永遠に進歩成長できると教えてくれたのも,二人が永遠に結ばれるので,子孫が天の星のように,海辺の砂のように数限りなく増えると教えてくれたのも,ジョセフでした。……昔から愛情していましたが,その理由は知りませんでした。今や-清い心-すなわち高められた強い気持ちで愛することができるようになりました。」(Autobiography of Parley P. Pratt, パーリー・P・プラット・ジュニア編〔1938年〕,297-298)

  • 結婚に対するプラット長老の新しい理解は,妻への感情にどのように影響したでしょうか。

永遠の結婚についての主の多くの教えが教義と聖約132章に見いだせることを説明します。一人の生徒に,教義と聖約132:19を声に出して読んでもらいます。他の生徒には,聞きながら,結婚が永遠のものになるために満たさなければならない条件を見つけてもらいます。

  • 結婚が永遠のものとなるために満たさなければならないのは,どのような条件でしょうか。(生徒たちは次のことを理解するでしょう。神の御言葉により結婚し,約束の聖なる御霊により結び固められ,聖約にとどまる人々にとって,結婚は永遠である。

  • 「聖約の中にとどまる」とはどういうことでしょうか。(結婚の聖約の諸条件を守ること。一人の男性と一人の女性が永遠の結婚に入るとき,互いに,そして神と厳粛な約束を交わします。伴侶に対して,完全なる貞節をもってお互いに常に変わらず愛し,仕えることを約束します。神に対して,神殿で交わした聖約の諸条件を守ることを厳粛に約束します。)

  • 結婚は「約束の聖なる御霊により結び固められ〔る〕」とはどういう意味でしょうか。(約束の聖なる御霊とは,聖霊の呼び名の一つであると指摘してもよいでしょう。聖霊は,「慰め主」や「啓示者」など,多くの呼び名を持っています。それぞれの呼び名は,聖霊の具体的な責任や働きを示しています。)

約束の聖なる御霊という呼び名を生徒たちが理解できるように,次の言葉を提示し,一人の生徒に声に出して読んでもらいます。

「聖霊は約束の聖なる御霊である(使徒2:33)。聖霊は人の義にかなった行いや儀式,聖約を,神に受け入れられるものとして確認される。約束の聖なる御霊は,救いの儀式が適切に執行されたこと,またそれに伴う聖約が守られていることを御父に証される。」(『聖句ガイド』「約束の聖なる御霊」scriptures.lds.org

  • 神殿で結び固められる以上のことがなぜ昇栄に必要なのか,その理由を説明するのにこの言葉はどのような助けになるでしょうか。それ以外に何がなければならないでしょうか。(わたしたちが義にかなった生活をし,バプテスマ,聖餐,神権への聖任,神殿の儀式を含め,全ての救いの儀式に忠実であり続けることも必要です。わたしたちが忠実であり続けるときにのみ,聖霊は聖約が守られていることを御父に証します。)

次の図表を使って,市民結婚と比較対照することで,永遠の結婚への生徒たちの理解を深めてもらいます。ホワイトボードに図表を書き写します。

〔結婚の図表の画像〕

クラスの生徒に,二人一組になってもらいます。それぞれの組の一人の生徒に,教義と聖約132:15-18を研究してもらい,もう一人には,教義と聖約132:19-24を研究してもらいます。市民結婚を待っている人の状態と永遠の結婚を待っている人の祝福を述べている言葉や表現を,生徒たちに書き出してもらいます。

時間を十分に取ってから,見つけたことを生徒たちに互いに分かち合ってもらいます。その後,次の質問をする。

  • 死後,市民結婚をする人の状態は永遠の結婚をする人の状態とどのように違うでしょうか。(生徒の答えを聞きながら,ホワイトボード上の図表にそれらの答えを書いていくとよいでしょう。20-24節に述べられている状態は,アブラハムの聖約の中で約束された祝福に似ていることを指摘するとよいでしょう〔創世17:1-7;22:17参照〕。)

この質問に答えられるように,七十人のクリー・L・コッフォード長老による次の言葉を分かち合うとよいでしょう。

〔クリー・L・コッフォード長老の画像〕

「日の栄えの結婚の約束に関わる権威は神から来るものであり,その約束を尊ばなかったために起こる結果も神から来るのです。神殿外での結婚において,花婿と花嫁の約束に関して権威を持つのは,その二人の誠実さです。それ以上のものではありません。それ以上にはなれないのです。その権威は人から来るのであり,神から来るものではありません。」(“Marriage in the Lord’s Way, Part One,” Ensign, 1998年6月号,9)

  • ホワイトボードに書かれている状態を比較して,あなたはどのように考えますか。

  • 神殿で結婚し,聖約に忠実に生活しようと努める人たちの家庭で,どのような祝福を目にしたことがありますか。聖約を尊ぶためにそれらの夫婦がしていることは何でしょうか。(この話し合いの一部として,七十人のL・ホイットニー・クレートン長老による次の結婚についての話を分かち合うとよいでしょう。「結婚ほど喜びをもたらし,善を生み,人を高める人間関係は他にない。」〔「結婚-よく見て覚えましょう」『リアホナ』2013年5月号,83〕)

教義と聖約132章には,多妻結婚の実施についての主の教えの幾つかも含んでいることを生徒たちに説明します。主は,全てのことの回復の一部として多妻結婚の律法を実施するよう聖徒たちにお命じになりました(使徒3:21;教義と聖約132:45参照)。1890年にウィルフォード・ウッドラフ大管長が,主は教会員が多妻結婚をすることをもはや求めてはおられないということを明らかにするまで,教会員はこの律法を実行していました。多妻結婚について現在の教会の立場を明確にするために,一人の生徒に,ゴードン・B・ヒンクレー大管長(1910-2008年)の次の言葉を読んでもらいます。

〔ゴードン・B・ヒンクレー大管長の画像〕

「もしわたしたちの教会員の中に多妻結婚を実行している者が見つかった場合,その人は教会で科することのできる罰則の中でも最も重い罰である破門の処分を受けることになります。……1世紀以上も前に,神は,多妻結婚の実施を中止するようにとその預言者ウィルフォード・ウッドラフに明確に示されました。これはつまり,現在,多妻結婚は神の律法に反するということです。法的にも宗教的にも多妻結婚が認められている国々においてさえ,教会は,結婚は一夫一妻でなければならないと教えており,多妻結婚を実行している人々を教会員として受け入れることもしていません。」(「人々がわたしたちについて尋ねること」『リアホナ』1999年1月号,77-78)

多妻結婚について生徒たちから質問がある場合は,福音のテーマ,「末日聖徒イエス・キリスト教会における多妻結婚」lds.org/topicsを参照してもらいます。

教義と聖約131:1-4

永遠の結婚を選ぶことの大切さ

一人の生徒に,教義と聖約131:1-4を声に出して読んでもらいます。主が定められた方法で結婚することが大切な理由をクラス全員に見つけてもらいます。

  • 結婚の新しくかつ永遠の聖約に入ることを選ぶ人々を待っているのは,どんな祝福でしょうか。(生徒たちが次の原則を理解していることを確認します。わたしたちは結婚の新しくかつ永遠の聖約に入るときに,日の栄えの王国の最高の階級に高められることができる。ここでの新しくという言葉は,この聖約がわたしたちの神権時代に新しく回復されたという意味であることを説明します。永遠のという言葉は,この聖約が永遠に続くこと,またそれは救いの計画の一部として前世の霊界において定められたことを意味しています。アダムの時代からずっとイエス・キリストの福音の一部なのです。増し加えるという言葉については,預言者ジョセフ・スミスが日の栄えの王国の最高の階級を得る人々は「日の栄えの栄光において増し加えられ,子孫が増え続ける」と教えました〔History of the Church, 第5巻,391で引用〕。)

ラッセル・M・ネルソン長老の次の話を表示して,生徒の一人に読み上げてもらいます。

〔ラッセル・M・ネルソン長老の画像〕

「〔救い〕とは,肉体と霊の死から救われることを意味します。……〔昇栄〕とは,日の栄えの王国における最も幸福で栄光に満ちた状態に到達することを意味します。」(「救いと昇栄」『リアホナ』2008年5月号,7-8)

「救いは個人的な事柄ですが,昇栄は家族の事柄です。神殿で結婚し,その結婚が約束の聖なる御霊により結び固められる人々のみが,死後も配偶者であり続け,日の栄えの栄光の最高の階級すなわち昇栄を得るのです。」(「日の栄えの結婚」『リアホナ』2008年11月号,92)

  • なぜ永遠の結婚はそれほど重要なのでしょうか。(生徒の答えを聞きながら,御霊に導かれるままに,今日の世の人々が結婚を,自分たちのための神の計画を実現するというよりもキャリアのようなものを尊重することで,結婚しないことを選択し荒廃していく傾向にあることを強調してもよいでしょう。結婚を拒否することで,神が現在から永遠にわたって与えたいと望んでおられる祝福を失っています。)

  • 神殿結婚が,市民結婚や結婚せずに一緒に暮らすことよりも大きな幸福の可能性を与えるのはなぜだと思いますか。

自分たちの標準をいかなる形であれ妥協させない限り,全ての聖徒たちが最終的に永遠の結婚の祝福にあずかることを生徒たちが理解できるように,ハワード・W・ハンター大管長(1907-1995年)の次の言葉を一人の生徒に声に出して読んでもらいます。

〔ハワード・W・ハンター大管長の画像〕

「永遠の結婚や永遠の家族をはじめとする全ての祝福は,ふさわしければ誰にでも与えられるということです。ある人にとってはこの祝福を受けるのに長い時間がかかり,場合によっては来世まで待たなくてはならないこともありますが,祝福が拒まれることは決してないのです。」(「あらゆる人々のための教会」『聖徒の道』1990年8月号,43)

  • 皆さんの中で神殿結婚をしたいのにその機会に恵まれない人たちを知っている人はどれぐらいいますか。ハンター大管長の話にある約束は,その人たちにとってどのような助けとなるでしょうか。

生徒たちに,次の質問のうちの一つまたは両方への答えを書き留めてもらってレッスンをまとめます。

  • わたしは,神殿で結び固め受けるためにどんな決意をしているだろうか。

  • 神殿での結び固めに備えるために,わたしの生活のどんな部分を変えるまたは成長させることが必要だろうか。

神殿結婚に備えるために行っていることを数人の生徒たちに分かち合ってもらいます。神殿で結び固められたときに交わした聖約を夫と妻が守るときに,二人は永遠に結ばれるという証を分かち合います。この知識があなたの人生にどのように祝福となってきたかを分かち合います。

生徒の読書課題