第2課
預言者と使徒による厳粛な宣言
はじめに
「家族—世界への宣言」は次の文章で始まります。「わたしたち,末日聖徒イエス・キリスト教会の大管長会と十二使徒評議会は,……厳粛に宣言します。」(『リアホナ』2010年11月号,129)全ての神権時代の預言者は,主の御心を宣言し,罪の結果について警告するという責任を持っています。この課では生徒が,予見された災いをわたしたちに警告する見張り人としての預言者の役割について理解できるように助けます。
背景となる読み物
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M・ラッセル・バラード「船にとどまり,つかまっていなさい」『リアホナ』2014年11月号,89-92
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ヘンリー・B・アイリング「勧告の中に安全を見いだす」『リアホナ』2008年6月号,3-7
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キャロル・F・マッコンキー「預言者の言葉に従って生活する」『リアホナ』2014年11月号,77-79
教えるための提案
エゼキエル33:1-7;教義と聖約1:4-5,11,14
塔の見張り人
生徒に見張り塔の写真を見せ,その画像の中にある建物を識別できるかどうか尋ねます。その建物は,古代の見張り塔の模型であると説明します。(別の取り上げ方として,母語で利用可能な場合は,ビデオ“Watchman on the Tower”(塔の見張り人),lds.org/media-library(英語)の最初の部分を見せます。)生徒に,見張り人はどのような事柄を探しているのか,その職務を行うことがなぜ重要であるのか尋ねます。
生徒に,エゼキエル33:1-3を読み,見張り人の責任を見つけてもらいます。
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見張り人の責任は何ですか。(迫り来る危険を民に警告する。)
一人の生徒にエゼキエル33:4-7を読んでもらいます。
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主はエゼキエルにどのような務めを与えられましたか。
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預言者はどのような点で塔の見張り人に似ているでしょうか。(現代の預言者は見張り人のように務めていることを生徒が理解する助けとなるよう,教義と聖約1:4-5,11,14を読んでもらうと役立つでしょう。生徒に,これらの聖文をエゼキエル33:4-7と相互参照するように提案してもよいでしょう。十二使徒定員会のM・ラッセル・バラード長老が次のように述べていることを指摘するとよいでしょう。「主イエス・キリストの使徒には,……『塔』の見張り人となる責任があります。」〔「偽預言者と偽教師を警戒しなさい」『リアホナ』2000年1月号,73〕参照)
次の教義について証します。天父は迫り来る危険を民に警告するために末日の預言者を召された。
この教義を強調するために,大管長会ヘンリー・B・アイリング管長の次の言葉を見せて,一人の生徒に声に出して読んでもらいます。
「わたしたちを安全に導こうとする救い主の願いには終わりがないようです。また,安全な道を示してくださるその方法には一貫性があります。救い主は複数の手段を用いて,進んで受け入れようとする人々にその道が分かるようにしてくださっているのです。その手段にいつも含まれるのが,神の預言者の口を通してメッセージを送るという方法です。これは,民が神の預言者を頂くにふさわしいときにはいつも行われてきました。権能を受けた僕たちには例外なく,民に警告し,安全への道を示す責任が与えられています。」(「勧告の中に安全を見いだす」『リアホナ』2008年6月号,3)
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預言者の勧告に従うことで守られたと感じたのはどのようなときでしたか。
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現代の十二使徒や預言者たちから,家族に霊的な守りをもたらす,どのような勧告を聞いたことがありますか。
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家族の宣言はどのような点で天父からの警告の声なのでしょうか。
アモス3:6-7
預言者と使徒は,わたしたちが家族に関する主の観点を理解するのを助ける
十二使徒定員会のM・ラッセル・バラード長老の次の言葉を紹介します。預言者が今日の世の中における危険に気づく方法を生徒たちに見つけてもらいます。
「教会指導者が世間から隔離された世界で生きていると思っている人がいるそうです。そのような人は,わたしたちがさまざまな場所に住み文化の異なる大勢の人と交わりながら経験を積んできたことを知らないようです。現在の割り当てによりわたしたちは文字どおり世界中を飛び回り,世界各地の政治,宗教,ビジネス,人道支援の指導者たちと会っています。ワシントンD.C.のホワイトハウス〔の指導者〕や世界各国の指導者〔および宗教指導者〕を訪れることもありますが,地上で最もつましい〔家庭や人々〕を訪れることもあります。 ……
わたしたちの生活や務めについて思慮深く考えるなら,わたしたちほど世界中を見て回り,経験を積んでいる人はそう多くないことが分かるはずです。たいていの人よりも現実を知っていることに気づくでしょう。 ……
しかし,〔教会の指導者たち〕の知恵には慰めを与える特別な力があります。わたしたちは,さまざまな法律や政策の結果を味わってきましたし,落胆,悲劇,家族の死など,あらゆることを経験してきました。皆さんの生活についてまったく知らないというわけではないのです。」(「船にとどまり,つかまっていなさい」『リアホナ』2014年11月号,90-91参照)
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教会指導者の幅広い経験は,見張り人としての役割にどのように役立つでしょうか。
預言者は神から与えられた義務を果たせるよう,人生経験よりもはるかに重要な事柄を知り得ることができることを説明します。一人の生徒にアモス3:6-7を読んでもらいます。生徒に,ジョセフ・スミス訳では6節の「なされる」という言葉が「お知りになる」に,7節の「示さないでは」が「示すまでは」に変更されていることを指摘します。
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アモス3:6-7では預言者についてどのようなことが教えられているでしょうか。
生徒と次の定義を分かち合います。預言者とは「神によって召され,神に代わって語る人。神の使いとして神から戒めや預言,啓示を受ける。……預言者は罪を非難し,罪のもたらす結果を予告する。」(『聖句ガイド』「預言者」,https://www.lds.org/scriptures/gs/prophet.t1?lang=jpn&letter=p)
以下の図をホワイトボードに写します。
生徒に,この図について深く考え,話し合う時間を与えます。この図は前世,現世,来世を包含する家族に関する神の観点を表していることを説明してもよいでしょう。啓示を通して,預言者はさらに広い観点を授けられます。そして次にわたしたちの観点や理解が拡大するよう助けてくれるのです。
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この図は,家族の宣言を研究するのが賢明であることをどのように示していますか。(ホワイトボードに次のように書きます。家族の宣言を研究することにより,わたしたちは家族に関する天父の観点を学ぶことができる。)
生徒たちに,「家族—世界への宣言」から引用されています。初めの語句を強調します。「わたしたち,末日聖徒イエス・キリスト教会の大管長会と十二使徒評議会は,……厳粛に宣言します。」 生徒に家族の宣言を調べる時間を数分与え,結婚と家族に関する神の観点が世のものとは異なる証拠を見つけてもらいます。生徒に見つけたものを分かち合ってもらい,生徒の答えをホワイトボードに書きます。
教義と聖約90:1-5
家族の宣言にある預言者の勧告に従うことで,わたしたちは安全でいられる
生徒たちに,教義と聖約90:1-3を調べて,主が預言者ジョセフ・スミスに与えられたものを見つけてもらいます。
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主はジョセフ・スミスに何を与えられたでしょうか。(王国の鍵,これは大管長会の権利,もしくは地上における神の王国を導くための権能を表します。)
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今日,それらと同じ鍵を持っているのは誰でしょうか。(大管長会および十二使徒定員会の各会員。)
一人の生徒に,教義と聖約90:4-5を声に出して読んでもらいます。他の生徒には,主が預言者を通じて教会に与えられると約束されたものは何かを見つけてもらいます。(主は,教会に「神託」が与えられると言われました。「神託」とは「啓示」のことであると生徒に説明します。)
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5節では,主は聖徒たちにどのような警告を与えておられますか。
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この警告からどのような原則を学べるでしょうか。(答えは次の原則を理解していることを示すはずです。もしわたしたちが預言者を通して与えられる啓示を軽々しく扱うなら,わたしたちはつまずいて倒れる。この原則をホワイトボードに書くとよいでしょう。)
中央若い女性会長会のキャロル・F・マッコンキー姉妹と十二使徒定員会のM・ラッセル・バラード長老の次の言葉を見せます。
「聖任された主の僕によって語られるキリストの御言葉を無視したり,軽んじたり,踏みにじったり,敵対することを選ぶこともできます。しかし,救い主はそのようなことをする人は主の聖約の民から絶たれると教えておられます〔3ニーファイ20:23参照〕。」(キャロル・F・マッコンキー「預言者の言葉に従って生活する」『リアホナ』2014年11月号,79参照)
「わたしは務めを果たす経験を通して分かったことがあります。道に迷い,混乱する人のほとんどは,大管長会と十二使徒定員会が一つの声で話すとき,それがその時代に対する主の声であることを忘れているということです。主は言われます。『わたし自身の声によろうと,わたしの僕たちの声によろうと,それは同じである。』〔教義と聖約1:38〕」(M・ラッセル・バラード「船にとどまり,つかまっていなさい」 90)
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人々が家族の宣言にある勧告を軽く扱っていることを示すものには何があるでしょうか。
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あなたや他の人々は家族の宣言にある勧告に耳を傾けることによって,これまでどのような祝福を受けてきましたか。
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末日の預言者に関して,どのような思いや気持ちを抱いていますか。それをクラスで分かち合うことができますか。
家族の宣言は,15人の預言者,聖見者,啓示者の声が一つにまとまった,霊感を受けた宣言であることを証してください。本コースを通して,家族の宣言に含まれている真理についてより深い証を祈り求める機会を持つよう,生徒に勧めます。
生徒の読書課題
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エゼキエル33:1-7;アモス3:6-7;教義と聖約1:4-5,11,14,37-38;90:1-5;124:125-126
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ヘンリー・B・アイリング「勧告の中に安全を見いだす」『リアホナ』2008年6月号,3-7