ヤングアダルトのプロフィール
南アフリカで世界を味わってみる
筆者はアメリカ合衆国ユタ州に住んでいます。
生い立ちや文化の違いがあっても,南アフリカの聖徒たちは互いに助け合っています。
よく晴れた土曜日の朝のネイバーグッズ・マーケット〔訳注—地元の農産物や雑貨が売られている南アフリカの土曜の朝市〕の様子です。店先につるしてある色とりどりの傘の下を生演奏を聞きながら歩いて,今日の献立にぴったりな食材を探します。鉄鍋に入った南アフリカの伝統料理には,ペスト〔訳注—バジリコ,ニンニク,チーズ,オリーブ油で作るソース〕,牡蠣,野菜,様々なスパイス,テリーヌなどの種類があり,それを見ると全部食べてみたくなります。
ヨハネスブルグへようこそ。
「ここはとても温かくて居心地がいいわよ」と28歳のロス・ムパイは言います。高層ビルを想像していなかった旅行者たちは,ヨハネスブルグの湧き上がるような熱気に驚くことがあります。「通りを歩き回るライオンを見かけることなんてないわ」とロスは言います。
ロスは離婚した母親で,5歳になる息子のネイトがおり,大学でコミュニケーションを学びながら生産支援アナリストとして働いています。食べ物へのこだわりから人々に奉仕する努力に至るまで,彼女は日々の生活において冒険心にあふれ,物事を前向きに受け入れ,自分の信仰に忠実です。
ヨハネスブルグの聖徒たちは,互いに,また周りの人々に手を差し伸べています。例えば,ロスの友人トゥミの家が浸水したとき,教会のたくさんの友人が水をくみ出して家をきれいにする手伝いをし,家族を励ましました。「それがきっかけで,教会員ではないトゥミのお母さんは変わりました」とロスは説明します。「彼女は宣教師と会うようになり,今では教会員となって,扶助協会の教師をしています。」互いのことを兄弟姉妹であると思っている南アフリカの会員にとって,このような愛の働きはよくあることです。「ほかの人々の問題を,まるで自分自身の問題であるかのように考えて奉仕に参加します」とロスは述べています。
ロス自身も知っているように,このような共感する姿勢は,天の御父とイエス・キリストの模範によって示されています。「天の御父はこのような愛でわたしたちを祝福してくださいます。天父は,まだ若いわたしが困難な問題に直面するときに経験する喜びや悲しみを御存じで理解しておられ,それを克服できるように助けてくださいます」と彼女は言います。
ロスが持つ救い主との関係は,職場の同僚たちへの接し方から個人勉強のしかたに至るまで,彼女の生活に大きな影響を与えています。「職場の環境が好ましくないときもあります。」彼女は続けます。「不敬な言葉を使ったり,不誠実な判断をしたりしても何とも思わない人もいます。わたしの人生に福音の原則や預言者の教えがあることで祝福されています。1日を聖文研究と祈りで始めるときは,いつも御霊とともにいることができます。誘惑に遭ったときも,静かな細い声が自分が何者であるか,何を信じているのかを思い起こさせてくれます。それによって自分の標準に忠実でいることができるのです。」
ネイバーグッズマーケットはヨハネスブルグの国際的で都会的な雰囲気を象徴していますが,ロスにとって福音の真理はもっと深遠なものを象徴しています。それは永遠の命という約束です。