歩くことや話すことはミニスタリングと「見なされる」でしょうか

マーク・ユーバンク

気にかけていることを示すことは，主にとっても互いにとっても大切です。

兄とわたしは子供のころ，祖母を訪問するのが大好きでした。祖母はわたしたちの家から15分ほど離れた所に住んでいたので，わたしたちは頻繁に祖母のもとを訪れました。祖母の家に着くと，よく祖母は電話で話をしていました。ある近所の人がほとんど毎日電話をかけてきて，ただ話をしていたのです。祖母がなぜ近所の人との電話にそんなに時間を使うのか，理解できませんでした。そこでわたしたちは祖母に，自分は忙しいのだと相手に伝えるように言いました。祖母は電話を終えると，ほほえみ，それからわたしたちに注意を向けてくれるのでした。

それから60年以上がたち，わたしには祖母がその人からの頻繁な電話を煩わしく思ってなどいなかったことが分かりました。むしろ，ともに夫を亡くしていたこの二人の女性は，互いに支え合い，ほかの人が訪問する時間や関心を持っていなかったときに一緒に話をしていたのです。

奉仕は自分が弟子であることを示すものである

さらに救い主のようになろうと努める中で，わたしたちは相手がだれであろうと，それがいつであろうと，奉仕する機会を受け入れます。救い主に質問するために夜にやって来たパリサイ人のニコデモを教えるために，主がどのように時間を取られたかに注目してください（ヨハネ3章参照）。同様に，イエスは井戸の傍らでサマリヤ人の女性を教えたとき，愛と思いやりを示されました（ヨハネ4章参照）。

しかし，もしわたしたちが善を行うのに忙しくしているとき，同時にほかのだれかが助けを必要としている場合には，どうすればよいでしょうか。ここでも，救い主はわたしたちの模範であられます。主が別の人に仕えるために通りかかられたとき，長血を患っていた女性が手を伸ばして主に触れると，主は，死に瀕していた若い女性にミニスタリングをしに行く前に，立ち止まってこの女性にミニスタリングを行われました（マタイ9：20－25参照）。イエスの模範は，何かを中断させるものでさえも豊かなミニスタリングの機会であることを示しています。

以前中央扶助協会会長であったジーン・B・ビンガム姉妹は，再臨が近づく中でわたしたちがどのように互いにミニスタリングを行うことができるかを見事に要約して，次のように述べています。「愛をもって互いに仕える，すなわちミニスタリングを行うことを通して，主のようになろうと努めること以上に，主にお会いする用意をするうえで良い方法はありません。イエス・キリストはこの神権時代の始め，弟子たちにこう教えられました。『あなたはわたしを愛するならば，わたしに仕え……るべきである。』〔教義と聖約42：29〕人々への奉仕は，自分が弟子であること，また神と御子イエス・キリストへの感謝と愛を示すものです。」¹

リグビー兄弟とブラッケン兄弟の写真／筆者の厚意により掲載

ミニスタリングの機会はどこで見つけることができるか

しばしば，キリストのようなミニスタリングは，あなたが行う日々の小さな，心からの行いによって起こります。²

わたしの隣人，マリナー・リグビーは95歳です。数年前，彼は駐車場にいたときに，不注意な運転手がバックしてきて，左足をひかれてしまいました。6週間のリハビリの後，歩行器の助けを借りて再び歩けるようになりました。彼は毎日，最長で1.6キロ歩きました。ある朝，普段と別の道を歩いていると，84歳のロン・ブラッケンの家の前を通りました。彼はワードの会員で，ステージ4の骨肉腫を患っていました。二人ともミニスタリングを行う割り当てを受けていなかったため，近所を歩きながら互いにミニスタリングをし合うことにしました。

二人はあらゆることについて話しました。信仰，財政，家族，将来の計画。そう，将来の計画です。彼らは自分の病気やけがを現実的に受け止めていましたが，将来の目標を目指して努力するよう互いに励まし合いました。そしてまた，二人が話した内容よりも，ただ一緒にいることに意味があったのです。彼らは互いのために時間を作りました。

ミニスタリングには，分かち合うことや耳を傾けること，歩くことや話すこと，計画することや思い起こさせることも含まれます。時々，何がミニスタリングと「見なされる」のかについて心配になることがあるかもしれません。でも心から気にかけることが，主にとっても互いにとっても大切なのです。それはだれにでもできることであり，それがキリストのような違いを生むのです！

筆者はアメリカ合衆国ユタ州在住です。