「はじめに」『奉仕宣教師の生活に適応する—リソースブック』(2020年)
「はじめに」『奉仕宣教師の生活に適応する』
はじめに
主の助けによって成功することができる
あなたは奉仕宣教師として,イエス・キリストの代理人となるために召されています。天の御父の子供たちにミニスタリングを行うのです。救い主はあなたを愛しておられ,あなたが前に進めるように助けてくださいます。主はこう約束されました。「わたしはあなたがたに先立って行こう。わたしはあなたがたの右におり,また左にいる。わたしの御霊はあなたがたの心の中にある。また,わたしの天使たちはあなたがたの周囲にいて,あなたがたを支えるであろう。」(教義と聖約84:88)
信仰を行使し,主の業を行うために下した決断に従って行動してください。あなたは,たゆまぬ信仰と最大限の努力により,自分に必要な技術や賜物,長所をより早く伸ばすことができます。また,主の助けを感じ,主に仕える自分の能力に自信が持てるようになります。
主は宣教師を助けると約束しておられます。しかし,歴史上きわめて偉大な宣教師の多くが,伝道活動において苦しみや試練を経験しました。アンモンとその兄弟たちは,「多くの苦難に遭い,飢えや渇き,疲労,多くの霊的な労苦など,身体的にも精神的にもひどく苦しんだ」のです(アルマ17:5)。時には,打ちのめされそうにもなりました。「そして,わたしたちが意気消沈して,まさに引き返そうとしたときに,見よ,主はわたしたちを慰め,『あなたがたの同胞であるレーマン人の中に行き,忍耐して苦難に耐えなさい。そうすれば,あなたがたに成功を得させよう』と言われた。」(アルマ26:27)
この約束は,神の家族に奉仕する割り当てを受けたあなたにも当てはまります。あなたは,主の役に立つ僕となることができるのです。
脊髄性筋萎縮症を患っていた伊藤タツ兄弟は,この約束が成就したことの一例です。伊藤家族が日本からユタ州に引っ越したとき,タツ兄弟は奉仕宣教師になることを決意しました。タツ兄弟の弟の弾兄弟は,伝道中に「タツが変わっていくのが目に見えた」といい,タツ兄弟が「天に戻る準備をしている」ことを知ったのです。
タツ兄弟が亡くなったとき,同じく脊髄性筋萎縮症を患っている弾兄弟は神殿に入りました。弾兄弟は,タツ兄弟が亡くなる前に奉仕していたのと同じ伝道の割り当てを果たすために召されるかどうか,尋ねるようにという促しを感じました。弾兄弟は恵まれて,それを実現することができました。LDS.orgの対応チームで奉仕し,「わたしはモルモンです」の日本語のプロフィールのレビューを行いました。
弾兄弟は,自分は「日常生活における神の代理人」でもあったと述べています。問題を抱えている人がいたら,弾兄弟は「いつも喜んで話に耳を傾け,ビショップのもとに行って祝福を受けるように励ましました。」
伊藤長老は,伝道の日課に布教活動は含まれていなくても,自分がまさしく宣教師であると感じていました。伝道を通して「毎日もっと奉仕したいという気持ちが高まった」と語っています。
本冊子の活用法
奉仕伝道は,喜びとなることもあれば,ストレスとなることもあります。熱心に働いて奉仕することは,心配事や絶望,疲労に対処する手段であることが実証されています。それは,主の業に携わるすべての人にとって,伝道中も伝道後も必要不可欠なものです。しかし,あなたの手にしている手段は,熱心に働いて奉仕することだけではありません。そのほかのリソースには,専門家の助け,神権の祝福,経験豊富な成人からの助言,そして本冊子があります。主は,あなたが成功するのに役立つ技術や態度を身につけられるように助けてくださいます。あなたは,自分の奉仕伝道と人生において,満足と成功を見いだすことができます。
本冊子は,一度にすべて読むものではありません。以下の指示に従ってください。そうすれば,自分が直面しているチャレンジへの提案を見つけることができます。これらのアイデアは,人々に仕え,ミニスタリングを行う際にも役立つことでしょう。