セミナリー
2ニーファイ2:17-26:「堕落から贖われている」


「2ニーファイ2:17-26:『堕落から贖われている』」『モルモン書 教師用手引き』(2024年)

「2ニーファイ2:17-26:『堕落から贖われている』」『モルモン書 教師用手引き』

2ニーファイ2:17-26

「堕落から贖われている」

エデンの園を去る

アダムとエバが何千年も前に取った選択が,なぜ今でもあなたに影響を与えているのか疑問に思ったことはありませんか。リーハイは自分の子供たちにアダムとエバの堕落の影響について教え,わたしたちは救い主によって現世のあらゆる困難に打ち勝つことができると教えました。この課の目的は,アダムとエバの堕落を理解するとともに,救い主と主の贖罪にさらに感謝するようになることです。

生徒がほかの人たちと福音の信条について話し合う能力を伸ばせるように助ける。生徒は,福音について説明するときに理解を深めていきます。生徒が福音の真理に対する理解を人と分かち合いやすい環境を作ってください。

生徒の準備:生徒に信仰箇条1:2を読んでもらい,それをほかの人にどのように説明するかを考えてもらいます。また,一人か二人の信頼する人に,信仰箇条1:2についてのその人の理解を話してもらうのもよいでしょう。

この準備は,レッスンの始めに,または生徒がアダムとエバの堕落について知っていることを分かち合うときに使うとよいでしょう。

学習活動案

理解が感謝につながる

以下の質問について深く考えます:

  • 1から10の段階で(1を「まったくしていない」,10を「完全にしている」とします),救い主イエス・キリストとあなたのための主の犠牲を,自分がどの程度理解し,感謝していると感じるかを評価してください。その点数をつけた理由は何ですか。なぜですか。

先へ進む前に,生徒が先ほどの質問を深く考える時間を十分に取ります。それから,次の質問への答えを分かち合ってもらいます:

  • だれかに,イエス・キリストの贖罪を理解し感謝するために何をすべきかと尋ねられたら,どのように答えますか。

十二使徒定員会のジェフリー・R・ホランド長老は,救い主の贖罪をよりよく理解するために必要な一歩を次のように指摘しています。ビデオ「憐れみと愛の神の恵み」のタイムコード6:51-7:26を見るか,以下の言葉を読むとよいでしょう:

17:14
ジェフリー・R・ホランド長老

「真理は簡潔です。実際にアダムとエバが存在したこと,そして二人が実際のエデンから堕落したことによってあらゆる結果が持ち込まれたことを理解しなければ,わたしたちはキリストの贖罪と復活を完全に理解することはできませんし,他に類を見ないキリストの誕生と死の目的を十分に理解することは不可能です。」(ジェフリー・R・ホランド「憐れみと愛の神の恵み『リアホナ』2015年5月号,105)

アダムとエバの堕落について,自分がどの程度知っているかを評価する助けとなるよう,次の質問について考えてください:

  • アダムとエバの堕落とは何ですか。

  • 堕落は,この世界とあなたにどのような影響を与えましたか。

  • 堕落は,天の御父の救いの計画の中でどのような位置を占めているでしょうか。

  • 堕落は,イエス・キリストとあなたのための主の犠牲を,あなたが理解し感謝するうえでどのように役立つでしょうか。

研究しながら,これらの質問への答えを見つけ,それらを理解することでどのような助けとなるのか深く考えてください。

アダムとエバの堕落の影響

以下の段落は,堕落の影響をより深く理解できるように,生徒がエデンの園がどのようなものであったかを知る助けとなります。生徒にこれらの出来事について知っていることを分かち合ってもらい,重要なことがあれば補足するとよいでしょう。

リーハイは現世での務めを終えるにあたり,息子のヤコブにアダムとエバの堕落について広範囲にわたって話しました。アダムとエバ,そして地上のあらゆる生命は不死不滅の状態で存在し,まだ死すべきものではなく,神の御前にありました。その状態では,彼らは病気にもならず死ぬこともなく,エデンの園は食物を産したため,食物を作るために働く必要はありませんでした。また,家族を持つことはできませんでした。主は,善悪を知る木の実を食べたなら死ぬことになると二人に警告されました(モーセ3:16-17アブラハム5:12-13参照)。その実を食べたアダムとエバの選択と,彼ら自身と人類へ及んだその選択の結果が「堕落」と言われています。

2ニーファイ2:19-23アルマ42:6-9を読み,堕落の結果を見つけてください。見つけたことに印をつけるとよいでしょう。

生徒に少人数のグループで協力してもらうか,クラス全体でホワイトボードにリストを作るとよいでしょう。

以下の二つの質問は,生徒に二人一組か少人数のグループで答えてもらうとよいでしょう。これらの質問は意見を聞くためのものであり,生徒は「正解」にこだわることなく,自由に考えを分かち合えることを説明します。

  • あなたがもしアダムやエバで,このような結果を経験したらどのように感じるでしょうか。

  • それらの結果による影響は良かった,悪かった,その両方,のどれだと思いますか。それはなぜですか。

2ニーファイ2:24-25を読み,これらの聖句を自分自身の言葉で要約したらどうなるかを考えてください。

アイコン,マスター教義2ニーファイ2:25はマスター教義聖句です。見つけやすいように,マスター教義聖句には目立つ方法で印をつけるとよいでしょう。次の課で,この聖句で学んだ教義を疑問や状況に応用する練習の機会があります。

生徒に,自分だったらどのようにこれらの聖句を要約するかを分かち合ってもらいます。生徒が言った真理をホワイトボードに書きます。以下は,生徒が見いだすであろう真理の一例です:

リーハイが教えた真理の一つは,堕落は天の御父の幸福の計画において根幹を成すものであった,ということです。

少し時間を取って,十二使徒定員会のジェフリー・R・ホランド長老の次の言葉を読みながら,堕落が天の御父の計画において根幹を成すものである理由を考えてみましょう:

ジェフリー・R・ホランド長老

「堕落は天の御父の聖なる計画において根幹を成すことを忘れてはなりません。堕落がなければ,死すべき体を持つ子供たちがアダムとエバに生まれることはありませんでしたし,反対のものや成長,道徳的な選択の自由,そして復活と贖罪と永遠の命の喜びを経験する人類家族も存在することはありませんでした〔2ニーファイ2:22-27モーセ5:11参照〕。」(ジェフリー・R・ホランド「イエス・キリストの贖罪『リアホナ』2008年3月号,35)

  • なぜ堕落が天の御父の計画において根幹を成すものだったのでしょうか。

この質問の一環として,生徒に2ニーファイ2:25の「人が存在するのは喜びを得るためである」という語句に印をつけてもらい,話し合ってもらうとよいでしょう。次のような質問をするとよいでしょう:

わたしたちが堕落の結果に直面しているにもかかわらず,天の御父はわたしたちが喜びを感じることを望まれていることを理解することが,なぜ重要なのでしょうか。このことから,天の御父についてどのようなことが分かりますか。

わたしたちには引き続き助けが必要である

堕落の結果は天の御父の計画の一部であり,わたしたちの成長を助けることが目的ですが,それでもわたしたちは神の助けなしに真の喜びを感じることはできません。

下記の聖句をホワイトボードに書き,生徒に静かに研究し,注意深く考えてもらうとよいでしょう。

2ニーファイ2:26を注意深く読み,どうすれば堕落の影響を克服し,喜びを感じることができるかを見つけます。次に,モーセ5:10-11を読み,どのような真理によりアダムとエバが喜びを感じたのかに注目してください。

  • 何を学びましたか。

  • なぜアダムとエバは,堕落とイエス・キリストの贖罪を知った後に喜びを感じたのだと思いますか。

生徒が分かち合ったら,この課の冒頭の4つの自己評価の質問に戻り,今度はどの程度うまく答えられるようになったかを確認してもらいます。必要に応じて,この課の内容を繰り返し,生徒がはっきりと理解できるようにします。生徒がこの課で学んだことについて考えるのを助けるためのもう一つの方法として,以下のシナリオを伝え,どう答えるかを生徒に発表してもらうのもよいでしょう。

友達と話し合っているときに,その友達が救い主や主の贖罪に感謝していないことに気づいたと想像してください。

  • アダムとエバの堕落について,どのようなことを知っていれば,その友達は救い主と主の贖罪に感謝するようになるでしょうか。

この課で教えた真理について,あなたの証を述べるとよいでしょう。