セミナリー
マスター教義:2ニーファイ26:33:「すべての人が神にとって等しい存在なのである」


「マスター教義:2ニーファイ26:33:『すべての人が神にとって等しい存在なのである』」『モルモン書 教師用手引き』(2024年)

「マスター教義:2ニーファイ26:33」『モルモン書 教師用手引き』

マスター教義:2ニーファイ26:33

「すべての人が神にとって等しい存在なのである」

たくさんの人々

2ニーファイ26章を研究することで,あなたは「すべての人が神にとって等しい存在なのである」(33節)ことと,神は御自分のすべての子供たちをみもとに招かれていることを学びました。この課では,2ニーファイ26:33のマスター教義聖句の場所と重要語句を暗記し,教義を説明したり,霊的な知識を得るための原則を実生活の状況に応用することができるようになります。

個人の準備で得る力。主はハイラム・スミスに,まず主の言葉を「得る」ならば,その後,御霊から「人々を確信に導く」(教義と聖約11:21)力を授かるであろうと言われました。教える前に,熱心に研究し,祈り,深く考えましょう。そうすることで,聖霊の導きを授かってレッスンの準備を進め,教えるときには生徒の必要性を認識することができます。御霊によって教えるための力は,個人の努力とクラスへの備えから生まれます。

生徒の準備:生徒に,聖句の場所と重要語句を暗記してもらいます:2ニーファイ26:33「すべての人が神にとって等しい存在なのである。」その際,「マスター教義」アプリを活用することもできるでしょう。

学習活動案

このマスター教義聖句の課は,「2ニーファイ26章」を学んだ後で学習するようになっています。つまりここは,マスター教義聖句2ニーファイ26:33の背景を学ぶ課なのです。このマスター教義聖句の課を別の週に移動する必要がある場合は,その週のうちに背景の課も教えるようにしてください。

説明と暗記

2ニーファイ26:33を読み,前の課で学んだすべての人が神にとって等しい存在なのである,という教義を復習してください。

  • どのような状況で,この聖句の教義が役立つでしょうか。どのように役立つかを説明してください。

マスター教義聖句2ニーファイ26:33の場所と重要語句を生徒に暗記してもらう機会を設けます。次に挙げるのは,これを行う方法の一例です:

学習帳に2ニーファイ26:33の場所と重要語句「すべての人が神にとって等しい存在なのである」を書きましょう。記憶に定着するまで,その聖句の場所と重要語句を(声に出すか書いて)数回繰り返してください。

別の選択肢は,半分の生徒に声をそろえて聖句の場所を言ってもらい,続いて残りの半分の生徒に重要語句を繰り返してもらうことです。これを何度も繰り返します。

実践練習

『マスター教義に関する基本文書』(2022年)の「霊的な知識を得る」の項の5-12段落で教えられている,霊的な知識を得るための原則を復習してください。

次の実践練習の準備として生徒が霊的な知識を得るための原則を復習できるよう助けるために,『マスター教義に関する基本文書』(2022年)の「霊的な知識を得る」の項の5-12段落にある,各原則に関する文章を読んでください。生徒に,その文章で強調されている原則を特定してもらいます。文章を変えながら,これを数回繰り返すとよいでしょう。

以下の話は,エリザベス・マキによる「わたしは信仰をもって福音を受け入れます」(history.ChurchofJesusChrist.org)の記事を基に編集したもので,神権の制限により影響を受けた性についての話です。神権の制限について知るには,教義と聖約の最後にある公式の宣言二の見出しを参照してください。

アイコン,配付資料下記の「ジョージ・リックフォードの物語」を表示するか,配付資料のコピーを配るとよいでしょう。

リックフォード兄弟の話を読みながら,彼の体験中にある,霊的な知識を得るための各原則の具体的証拠を見つけてください。

ジョージ・リックフォードの物語

『モルモン書 教師用手引き』—マスター教義:2ニーファイ26:33:「すべての人が神にとって等しい存在なのである。」

1969年,イギリスのレスターに住む若者ジョージ・リックフォードは,末日聖徒イエス・キリスト教会の宣教師たちと出会いました。ジョージは最初,宣教師たちのメッセージを受け入れまいとしましたが,結局,宣教師と会うようになりました。3か月間教会について熱心に勉強した後,ある朝目を覚ましたジョージは,教会が真実であると確信します。

ジョージは得たばかりの証を宣教師に伝えたくてたまりませんでした。しかしその前に,アフリカ系黒人の血を受け継いでいるため,教会員として神権を受けられないという知らせを長老たちから受けたため,伝えることができませんでした。

ある日,ジョージは宣教師から教えを受けていたことを親しい友人に話し,預言者ジョセフ・スミスについて教え始めました。そのときのことをこう言っています。「その話をしているうちに,わたしは生き生きとしてきて,何らかの力に満たされて笑みがこぼれてきたのです。」

この経験をしてからジョージの証は再び強くなりましたが,神権の制限に関する悩みは依然としてありました。もっとよく理解できるようにと祈ると,こんな言葉が聞こえました。「あなたは福音に従う決意を固める前に,わたしの福音についてすべてを理解する必要はありません。これまで聞いたことを受け入れて残りはわたしの手に委ねるということで,信仰を示してはどうですか。」

この言葉に安堵したジョージは,祈る気持ちで答えました。「はい。主よ,そうします。わたしは信仰をもって福音を受け入れます。ありがとうございます。何はともあれ,感謝します。」2か月後にジョージは,バプテスマを受けて忠実な教会員になりました。

1975年,すなわち神権に関する啓示の3年前,ジョージは神権の制限を「信仰をもって無条件に」受け入れ,神は公正であるという信仰を表明したと記し,次のように付け加えています。「わたしは主の神権とそれに付随するすべての祝福,権能,責任が再び地上にあることに心から感謝しています。だれが神権を持っていて,だれが持っていないかは,わたしにとって問題ではありません。どのように神権が行使されるかの方がはるかに大切なのです。」

1978年,ジョージは,すべてのふさわしい男性に神権が授けられるようになるという啓示について知りました(公式の宣言二参照)。

「ジョージが家に帰ると,彼と〔妻である〕ジューンは一晩中,この知らせが家族にとってどのような意味をもつのかについて一晩中語り合いました。その変更は記念すべき出来事でした。翌朝,ジョージ・リックフォードはアロン神権の祭司に聖任されました。この2か月後,七十人に聖任され,ステークの七十人定員会の先任会員となりました。さらにこの2か月後,ジョージ・リックフォードとジューン・リックフォードは4人の子供たちとともにイングランド・ロンドン神殿で結び固めを受けました。」(「わたしは信仰をもって福音を受け入れます」)

  • 神権を受ける資格がないと聞いたとき,ジョージはどのように感じたと思いますか。

生徒が洞察を分かち合いやすいように,まず「リックフォード兄弟が,霊的な知識を得るための各原則を使ったという具体的な証拠としては,どのようなものがありましたか」と質問するとよいでしょう。あるいは,生徒を二人一組か少人数のグループにして,以下の質問に答えてもらうか,一つの原則に焦点を当てるよう割り当てるのもよいでしょう。

信仰をもって行動する

  • リックフォード兄弟はどのように信仰をもって行動しましたか。そのことは彼にとって,どのような助けとなりましたか。

永遠の視点から概念や疑問について調べる

  • リックフォード兄弟の祈りへの天の御父の答えは,彼が自分の状況を永遠の視点から見るのをどのように助けましたか。このことは,リックフォード兄弟が主に従うのをどのように助けましたか。

神が定められた情報源を通してさらに理解を深める

  • 聖霊は,どのような意味で神が定められた情報源として,リックフォード兄弟を助けられたのでしょうか。

  • 神権の制限について疑問を持つ人に役立つ,現代におけるそのほかの神が定められた情報源にはどのようなものがあるでしょうか。公式の宣言二2ニーファイ26:33は,そのような人にとってどのような助けとなるでしょうか。

神権の制限に関する疑問に役立つさらなる情報は,この課の最後にある「注釈と背景情報」の項を参照してください。

以下のような追加の質問をするのも有効かもしれません:なぜ2ニーファイ26:33はマスター教義聖句だと思いますか。今日の研究で何を学び,または何を感じましたか。リックフォード兄弟の模範とこの聖句をあなた自身の生活にどのように応用できるでしょうか。

最後の締めくくりとして,あなたがすべての子供たちに対する神の愛についての証をするか,すべての人が神にとって等しい存在であることについて生徒の気持ちや経験を分かち合ってもらいます。

マスター教義の復習

このレッスンの直後に行われるレッスンで,復習のために以下の活動を行ってください:

生徒を少人数のグループに分けます。各グループの生徒に,「2ニーファイ26:33:『すべての人が神にとって等しい存在なのである』」の場所と重要語句を文節または数字に分け,一セクションずつ,終わるまで代わる代わる順番に言ってもらいます。例えば,一人目の生徒が「2」と言い,二人目の生徒が「ニーファイ」と言う具合に,最後に「なのである」と生徒が言うまで続けます。その後,次の生徒はまた「2」から繰り返すとよいでしょう。

一定の時間内に,各グループにこの聖句の場所と重要語句を正しく,できるだけ多くの回数暗唱してもらいます。