セミナリー
2ニーファイ25章:イエス・キリストにより救われる


「2ニーファイ25章:イエス・キリストにより救われる」『モルモン書 教師用手引き』(2024年)

「2ニーファイ25章」『モルモン書 教師用手引き』

2ニーファイ25章

イエス・キリストにより救われる

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イエス・キリスト

あなたは,だれかに困難な状況から解放してもらったり,救ってもらったりしたことがありますか。助けてもらった後,その人についてどう感じましたか。ニーファイは預言者の教えの重要性を強調した後で,イエス・キリストだけがすべての人を救う力を持っておられると証しました。この課は,イエス・キリストの恵みによってあなたがどのように救われるかを理解するのに役立ちます。

聖句と預言者の言葉を教える。イエス・キリストの福音の真の教義と原則は,聖句と預言者の言葉の中にあります。あなたが生徒の研究を助けるとき,聖霊が生徒の心にその真理を証してくださいます。生徒は真の教義と原則を常に応用することで,さらに天の御父やイエス・キリストに似た者となることができます。

生徒の準備:自分に影響を与えたイエス・キリストに関するメッセージについて,クラスで話す準備をしてもらうとよいでしょう。

学習活動案

わたしたちが救われる唯一の方法

レッスンの始めに,救助された人や救われた人の話を分かち合ってください。また生徒に,自分や知人が救助されたか救われたときのことを尋ねてもよいでしょう。

その方法の一つとして,「憐れみと愛の神の恵み」(5:36)というビデオを見るのもよいでしょう。以下のリンクから御覧ください:ChurchofJesusChrist.org

2ニーファイ25章でニーファイは,イエス・キリストがメシヤ,つまり油注がれた者であり,すべての人々の解放者であると預言者たちが証したことを,ニーファイの民に思い出させました(『聖句ガイド』「メシヤ」の項参照。scriptures.ChurchofJesusChrist.org)。ニーファイは,ユダヤ人たちが不信のために散らされても,イエス・キリストを信じるならば,主は彼らを集め「迷い堕落した状態から元の状態に戻〔される〕」(2ニーファイ25:15-17)と記しています。

2ニーファイ25:18-20を読んで,ユダヤ人(および神の子供たち)がどのように救われるかについて,ニーファイが教えたことを探してください。名前(御名)という単語は,聖典では人の力や権威を表すために使うことがあると知っておくと役立つでしょう。救い主に言及する場合は特にそうです。

  • イエス・キリストはわたしたちを何から救ってくださるのでしょうか。

  • 救い主がおられなかったら,どうなるのでしょうか。

恵みによって救われる

2ニーファイ25:23を読み,イエス・キリストがわたしたちをどのように救ってくださるのかを探してください。

以下の項は,生徒に恵みについてより深く理解してもらうためのものです。

注釈と背景情報」の項には恵みに関する追加情報があります。

  • 23節のニーファイの教えをより深く理解するために,どのような質問をしたらよいでしょうか。

生徒の質問をホワイトボードに書くとよいでしょう。生徒は,「恵みとは何ですか」,「わたしたちが自分の行えることをすべて行った後に救われるとはどういう意味ですか」などと質問するでしょう。

以下の資料を使って,生徒が自分の疑問に答えられるようにします:

「恵みとは,わたしたちが主イエス・キリストの贖いを通じて受ける神聖な助けと力のことです。……

恵みは,御子イエス・キリストを通して天の御父から与えられる賜物です。聖文で用いられている恵みという言葉はおもに,わたしたちが主イエス・キリストの憐れみと愛を通して受ける,救いを可能にする力と霊的な癒しを指します。」(「福音トピックス」,「恵み」の項topics.ChurchofJesusChrist.org)

当時大管長会の一員だったディーター・F・ウークトドルフ管長は,次のように説明しています:

「わたしたちは時々,『自分の行えることをすべて行った後』という言葉を間違って解釈していることがないでしょうか。『行った後』は,『行ったので』と同じではないことを理解しておかなければなりません。

わたしたちは自分の行えることをすべて『行ったので』救われるのではありません。わたしたちの中に,自分の行えることをすべて行った人がいるでしょうか。神はわたしたちがあらゆる努力を尽くすまで,わたしたちの人生に手を伸べて救いをもたらす恵みを与えるのをお待ちになるのでしょうか。

求められていることを自分はいつも行えていないと落胆している人が大勢います。『心は熱しているが,肉体が弱い』〔マタイ26:41〕ことを,彼らは身をもって知っています。彼らはニーファイとともに声を上げて言います。『わたしの霊はわたしの罪悪のために嘆く。』〔2ニーファイ4:17

ニーファイは,救い主の恵みによって人は罪を克服することが可能となり,そのための能力を授けられるということを知っていたに違いありません〔アルマ34:31参照〕。だからこそ,ニーファイは子孫と同胞に『キリストを信じ,神と和解するように』〔2ニーファイ25:23〕説き勧めようと非常に熱心に努めたのです。

結局のところ,それがわたしたちの行えることであり,現世での務めなのです。……

心が打ち砕かれ霊が悔いている人はだれでも,今日にでも,そして永遠に,神の恵みを受けることができます〔3ニーファイ9:19-20参照〕。」(ディーター・F・ウークトドルフ「恵みの賜物『リアホナ』2015年5月号,110)

以下の質問を一つかそれ以上使い,生徒が自分の考えを分かち合えるよう助けます。フォローアップの質問をしたり,あなた自身が救い主の恵みを体験したときのことを分かち合ったりするよう促されるかもしれません。救い主の恵みが,あなたやあなたの知人にとってどのような助けとなったか,実例を分かち合うのもよいでしょう。

  • 救い主の恵みがあなた個人に与えられると知って,あなたは救い主に対してどのような気持ちを抱きましたか。

  • 救い主の恵みを得るには,どのような方法がありますか。

  • 救い主の恵みをもっと感じられたら,あなたの生活のどの面が変わるでしょうか。どのように変わるでしょうか。

自分が救われるのはイエス・キリストによってのみであると学んだことについて,しばらくの間,深く考えてみましょう。あなたが,イエス・キリストを賛美する,または賛美したいと思わせる最も重要なメッセージや真理は何ですか。今日学び感じたことで,あなたは何を行うように促されたと思いますか。思ったことを学習帳に記しておくとよいでしょう。

キリストのことを喜ぶ

ニーファイは救い主の恵みと救いの力を知っていたので,人々がキリストを信じることができるようにと書きました。2ニーファイ25:26を読み,ほかの人がイエス・キリストを信じるようになるためにわたしたちができることを探してください。この聖句で使用されている,行動を表す様々な言葉に印をつけるとよいでしょう。

  • この聖句のどの言葉が印象に残りましたか。

  • イエス・キリストについて分かち合ってもらうことで,あなたの生活が影響を受けたことはありますか。

  • あなた個人のイエス・キリストに対する気持ちを人に分かち合うことで,自分と主との関係をどのように強めることができますか。

生徒が26節を実践する助けとして,クラスを二人一組か少人数のグループに分け,イエス・キリストに対する考えや気持ちを互いに分かち合いながら「キリストの話」をしてもらうとよいでしょう。また,生徒に以下の活動を個別に行ってもらい,クラスを締めくくってもよいでしょう:

あなたの生活の中で,救い主の愛と恵みに気づいてもらうことがためになりそうな人を考えましょう。その人に分かち合えるメッセージ(メール,ソーシャルメディアの投稿,個人的な手紙など)を作ってください。

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