セミナリー
第35課:教義と聖約20:1-36:イエス・キリストの教会を組織


「教義と聖約20:1-36:イエス・キリストの教会を組織」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』(2025年)

「教義と聖約20:1-36」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』

第35課:教義と聖約20-22章

教義と聖約20:1-36

イエス・キリストの教会を組織

教会を組織するためにホイットマー家に集まった人たち

末日聖徒イエス・キリスト教会は,1830年4月6日にニューヨーク州フェイエットにあるピーター・ホイットマー,メアリー・ホイットマー夫妻の家で組織されました。教義と聖約20章は,新たに回復された教会に対する主の望みを明らかにしています。この課では,救い主の教会があることの重要性を生徒に理解してもらいます。

学習活動案

教会の重要性

生徒を少人数のグループに分け,次の状況にどのように対応するかを説明する練習をしてもらいます。また,ChurchofJesusChrist.orgにあるダリン・H・オークス管長の話のビデオ「教会の必要性」の,タイムコード0:00-0:48で紹介されている話を聞いてもらっても結構です。

15:54

週末に何をしたか友達と話していて,教会に行ったことを話したと仮定します。すると友達の一人が,「気を悪くしないでほしいんだけど,宗教が組織を作ることの意味が,ぼくには分からない。神を近くに感じるためや,良い人になるために,ほんとうに教会が必要だと君は思っているの」と言うのです。

  • 宗教が組織を作ることの必要性を理解しない人がいるのはなぜだと思いますか。

    救い主が地上に御自分の教会をお持ちになることの大切さについて,現在感じていることを生徒に考えてもらうといいかもしれません。生徒に,次の質問の答えを学習帳に書いてもらいましょう:

  • イエス・キリストの教会がなかったら,あなたの人生はどうなっていたでしょうか。

時間を取って生徒に答えを書いてもらった後,手を挙げてくれた何人かに自分の書いた答えをクラスで発表してもらってもよいでしょう。今日のレッスンでは,救い主の教会があることの重要性をよく理解するのに役立つ真理を生徒に探してもらいます。

キリストの教会を組織

教会という組織ができた歴史的背景を生徒に理解してもらうために,次の話をかいつまんで話すか,生徒の一人に読んでもらうとよいでしょう。また,『聖徒たち:末日におけるイエス・キリスト教会の物語』第1巻「真理の旗」1815-1846年80-83にある,この状況を取り巻く出来事について読んでもいいかもしれません。

モルモン書が出版されてから11日後の1830年4月6日,キリストの教会が組織されました。ニューヨーク州フェイエットのピーター・ホイットマー,メアリー・ホイットマー夫妻の家で,組織されたのです。法律上の要件を満たすために,新しい教会の創設時の会員として6人が選ばれました。この瞬間を目撃するために,ほかにもおよそ40人がその場にいました。その後1838年に,主は,今日わたしたちが知る「末日聖徒イエス・キリスト教会」という教会の名称を明らかにされました。

教義と聖約20:1-4を読み,御自身の教会を組織するに当たって主が果たされた役割を調べてください。

  • どのようなことが見つかりましたか。

    生徒は,イエス・キリストは今の時代に,預言者ジョセフ・スミスを通して御自身の教会を組織された,という真理を見つけるかもしれません。

    生徒に,次の質問の答えを深く考えてもらってから,クラス全体またはグループで話し合うとよいでしょう。

  • 救い主が地上に御自分の教会を建てることを望まれたのはなぜだと思いますか。

画像アイコン救い主がどのような目的で地上に御自身の教会を建てられたのかを生徒によく理解してもらうために,付属の配付資料を配るとよいでしょう。時間を取って,生徒に,個人または二人一組,あるいは少人数のグループで研究してもらいます。

生徒に研究してもらった後,地上に救い主の教会があることの必要性について分かったことをかいつまんで発表してもらう機会があることを説明します。説明する準備として,覚えておきたい事柄を書き留めておくよう生徒に勧めます。

なぜ救い主は教会を建てられるのか

『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』教義と聖約20:1-36

  1. 次の言葉を読み,救い主が教会を建てられる理由に下線を引いてください。

    ダリン・H・オークス管長

    「回復されたイエス・キリストの教会が設立されて,主の完全な教義を教え,主の神権の権能に伴う職務を果たすことにより,神の王国に入るために必要な儀式が行われてい〔ます。〕教会への出席を諦め,個人の霊性だけに頼る会員は,福音の基本から自分自身を引き離しています。その基本とは,神権の力と祝福,回復された完全な教義,そして教義を実践する意欲と機会です。」(ダリン・H・オークス「教会の必要性『リアホナ』2021年11月号,25参照)

    D・トッド・クリストファーソン長老

    「御自身が地上におられたときに組織された教会の背教と分裂に続き,主は預言者ジョセフ・スミスを通して,再び,イエス・キリストの教会を組織されました。イエス・キリストの福音という良い知らせを教え,救いの儀式を執り行うといういにしえの目的,すなわち,人々をキリストのもとへ連れて来るという目的はそのままです。そのため,現在,回復されたこの教会を通して,贖いの約束は,救い主の恵みについてほとんど,あるいはまったく知らずに亡くなった方々の霊にさえ手の届くところにあるのです。」(D・トッド・クリストファーソン「なぜ教会が『リアホナ』 2015年5月号,108)

    救い主が地上に教会をお建てになる理由について,これらの言葉から学んだことを簡単に要約して書いてください。

  2. 教会が組織されたのは1830年4月であり,モルモン書の初版が出たばかりのころでした。教義と聖約20:9-36で,主はモルモン書で教えられている多くの真理を強調されています。

    以下の聖句を研究し,救い主が御自身とその教義について教えられた重要な真理を見つけてください。重要な情報を見つけるには,これらの聖句の脚注を活用するとよいでしょう。

    教義と聖約20:8-15(モルモン書と,回復においてモルモン書が果たした役割)

    教義と聖約20:17-25(救いの計画)

    研究した真理を二つ以上選んでください。教会が設立されたときにこれらの真理を強調することが大切だったのはなぜだと思うか,書いてください。

訓練アイコン 学んでいる真理を発表するよう生徒に言います:レッスンの次の項では,学んでいることについて深く考え,意見を発表する機会を設けます。これについてさらに練習するには,「教師養成スキル」訓練にある「福音の会話を切り出したり始めたりできるように,生徒を助ける」という訓練を参照してください。

生徒が配付資料にある活動を終えるのに十分な時間を取った後,レッスンの最初に紹介した話を思い出してもらいます。その後,次の指示を出します:

今日学んだことを活用して,地上に救い主の教会が必要な理由を理解していない人の助けになる答えを作ってください。必要に応じて,以下の質問を参考にしてください:

  • 末日聖徒イエス・キリスト教会は,他の組織が提供することのできない,どのようなものを提供しなければならないでしょうか。

  • 救い主の教会は,わたしたちが救い主について学び,救い主のもとに行くためにどのような助けになるでしょうか。

  • 救い主の教会の会員であることによって,あなたの生活にはどのような祝福がありましたか。

生徒が答えを準備するのに十分な時間を取った後,生徒が自分の答えをほかの生徒に伝える機会を設けます。手を挙げてくれた何人かの生徒に,クラス全体に自分の答えを発表してもらってもよいでしょう。

レッスンの最後に,今日学習した真理について証します。