セミナリー
第72課―教義と聖約58:38-60:悔い改めた者は赦される


「第72課―教義と聖約58:38-60:悔い改めた者は赦される」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』(2025年)

「教義と聖約58:38-60」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』

第72課:教義と聖約58-59章

教義と聖約58:38-60

悔い改めた者は赦される

救い主イエス・キリスト

イエス・キリストの最も忠実な弟子でさえも,悔い改めと赦しを必要としています。教義と聖約58章で,イエス・キリストは御自分の教会の何人かの指導者に悔い改めるよう招き,従うならば罪を赦すと約束されました。この課の目的は,罪を悔い改める人を救い主が赦してくださるという希望を生徒が感じられるようにすることです。

学習活動案

傷を負った人

クラスの冒頭で,わたしたちはイエス・キリストに罪を赦していただく必要があるということについて話し合いを行うとよいでしょう。

これを行う方法の一つは,次の絵を見せるか,ホワイトボードに10代の若者の棒人形を描くことです。生徒の興味を引くために,その棒人形に名前を付けて,彼の人生がどのようなものかを自由に考えてみてから,次の状況を伝えるとよいでしょう。

ほほえむ10代の少年

あなたの友達が昨晩,小さく崖になっているところから落ちたと言ったと想像してください。息をするとひどく痛み,さらに腕が折れたと彼は思っています。彼がその危険な場所に行ったことが知られたら,医師やほかの人たちにどう思われるか心配なため,彼は医者に行かないことにしました。そこで,彼は自分の痛みを隠し,そのうちよくなることを願っています。

  • あなたはこの友達の計画についてどう感じますか。それはなぜですか。

今度は同じような状況で,友達から重大な罪を犯したと告げられたと想像してみてください。悔い改めについての救い主の教えに従う代わりに,彼は自分の罪を隠すことに決め,時がたつうちに物事が良くなるよう願っています。

10代の若者が悔い改めようとしないのは,どのような疑問や心配が影響していそうか,生徒に考えを発表してもらいます。

  • あなたなら,友達にどのような助言をすると思いますか。

救い主,悔い改めについて教えられる

1831年,ジョセフ・スミスとほかの長老たちはミズーリへ旅をし,そこで主は一部の人々に残ってシオンの町を築くよう命じられたことを説明します。主は,御自分の指示の一環として,一部の人々に自分の悪事を悔い改めるよう勧告されました(教義と聖約58:14-15,38-41,60参照)。

教義と聖約58:60を読み,ザイバ・ピーターソンという名の男性に対する主の勧告を確認してください。

  • ザイバが自分の罪を隠そうとしたのは,神や悔い改めについてどのように誤解していたからだと思いますか。(自分の罪を隠そうとした結果について息子に与えたアルマの勧告を読むとよいでしょう。アルマ39:7-9を参照してください。)

  • これらの誤解のうち,今日でも人々が苦しんでいるのはどれだと思いますか。

次の質問を見せ,生徒が自分の考えを独りで深く考えたり書き出したりする時間を取るとよいでしょう。

その後,生涯を通して悔い改める努力をするのに役立つ教えを,レッスン中に見つけてもらいましょう。

悔い改めるのをためらったことのある罪がないか深く考えてください。もしそのような罪があれば,自分が罪を隠そうとした理由について考えてください。

質疑応答

生徒が次の聖句を研究するとき,この課の最初に話し合った悔い改めに関する具体的な疑問や不安を思い起こしてもらうとよいでしょう。

教義と聖約58:42-43を読み,悔い改めに関する疑問や不安に答える助けとなる救い主の教えを見つけてください。

マスター教義のアイコン教義と聖約58:42-43はマスター教義聖句です。見つけやすいように,マスター教義聖句に特別な印を付けるとよいでしょう。

生徒を少人数のグループに分け,42-43節の中から,特定の疑問や不安に答える助けとなる言葉や,自分にとって意義深い言葉を発表してもらいます。その後,グループごとに学んだことをクラスで発表してもらいます。生徒に発表してもらう際,わたしたちが罪を悔い改めるならば,主はわたしたちを赦してくださることと,悔い改めるために,主はわたしたちが罪を告白し,その罪を捨て去ることを求めておられることを生徒が理解していることを確認します。

  • これらの真理は,悔い改めについて人々が抱きそうな不安にどのように役立つでしょうか。

生徒が悔い改めについて,これらの節では答えられないような疑問を持っている場合は,このレッスン中か今後のレッスンで答えを見つけられるようにするのがよいか,あるいは自分で答えを見つけられそうな,神が定められた情報源を伝える方がよいか,最善の方法を見極めてください。

注:「その他のリソース」セクションには,告白や罪を捨て去ることなど,このマスター教義聖句の中の特定の概念について生徒が疑問を持っている場合に役立つ言葉があります。)

主は赦してくださる

このセクションは,悔い改める人を救い主は確かに赦してくださるという希望を生徒が感じられるようにすることを意図しています。以下の活動に対して,生徒が答えをうまく準備できるようにするには,どのリソースや提案が最も役立つか,祈って判断してください。

学習帳に,自分は赦されないと心配している人に分かち合える答えを書いてください。救い主の特質と約束についてどのようなことを伝えてあげれば,この人が心配事を克服するのに役立つでしょうか。以下の選択肢から選んで,自分の答えを用意するのに役立ててください:

  1. 聖典:悔い改める人に対する主の約束が含まれている聖句や,主が進んで赦してくださることを示す話を聖文から探してください。『マスター教義に関する基本文書』(2023年)にあるマスター教義聖句のリストが役に立つでしょう。これらの聖句の幾つかを教義と聖約58:42-43と相互参照またはリンクするとよいでしょう。

  2. 個人の証拠:救い主が進んで人を赦し,その人が変わるのを助けてくださるのを目の当たりにした例について考えてください。(その人の名前や詳しい罪の内容は話さないでください。)

  3. 『青少年の強さのために-選択の指針』(〔2022年〕6-9)の「イエス・キリストが助けてくださる」の項:わたしたちに希望を与えてくださる天の御父とイエス・キリストについての真理を見つけてください。

  4. 現代の預言者:イエス・キリストの赦しの本質を理解する助けとなる,現代の教会指導者の言葉を探してください。

以下は,十二使徒定員会のディーター・F・ウークトドルフ長老の例で,これを生徒と分かち合ってもよいでしょう:

14:11
ディーター・F・ウークトドルフ長老

「愛する若い友人の皆さん,もしも救い主が今,この場におられたなら,皆さんに何と言われるでしょうか。……

犯した過ちや,誘惑に屈してしまったときのこと,しなければよかったのに,あるいは,もっとよくやっておけばよかったのにと思うことを,思い出すかもしれません。

救い主はそれを察して,聖文で語られた言葉で皆さんを安心させてくださると,わたしは思います。

『恐れることはない。』〔ルカ5:10

『疑ってはならない。』〔教義と聖約6:36

『元気を出しなさい〔訳注-日本語訳聖書では「しっかりするのだ〕。』〔マタイ14:27

『あなたがたは心を騒がせるな……。』〔ヨハネ14:1,27〕」

救い主が皆さんの過ちを見逃してくださるとは思いません。罪や過ちを過小評価されることもないでしょう。そうではなく,あなたに悔い改めるように言われるでしょう。皆さんを赦すことができるよう,罪を捨てて変わるように言われるでしょう。2,000年前に,あなたが悔い改められるように主御自身がその罪を身に受けたことを思い出させられるでしょう。それは,愛ある天のお父様が下さった幸福の計画の一部です。」(ディーター・F・ウークトドルフ「イエス・キリストは青少年の力です『リアホナ』2022年11月号,9)

生徒が答えを準備するための時間を十分に取った後,自分の意見を発表したいと望むすべての生徒が機会を得られるように,生徒を少人数のグループに分けて,グループで学んだことを分かち合ってもらいます。

また,赦したいという救い主の絶え間ない望みの例として,ChurchofJesusChrist.orgで見られるビデオ「救い主は赦したいと望んでおられる」 (5:50)を見せてもよいでしょう。

クラスの最後に,救い主の赦しの特性について証し,救い主の約束を信じて悔い改めるよう生徒を励まします。

5:35

暗記する

この課でマスター教義聖句の場所と重要語句を暗記できるよう生徒を助け,今後の課で復習するとよいでしょう。聖句の重要語句は,「自分の罪を悔い改めた者は赦され〔る〕」です。暗記活動のアイデアは,付録の「マスター教義の復習活動」の項に記載されています。