セミナリー
第103課―教義と聖約88:117-141:研究と信仰によって学問を求める


「第103課―教義と聖約88:117-141:研究と信仰によって学問を求める」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』(2025年)

「教義と聖約88:117-141」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』

第103課:教義と聖約88章

教義と聖約88:76-80,117-141

研究と信仰によって学問を求める

ニューエル・K・ホイットニーの店の階上の部屋

教義と聖約88章のこの部分で,主は学ぶ原則を明らかにされ,ジョセフ・スミスやほかの人々に預言者の塾を組織するよう命じられました。この塾に参加する人々は,「最良の書物から」知恵を求め,「研究によって,また信仰によって」(教義と聖約88:118)ともに学ぶことになっていました。この課は,イエス・キリストに対する信仰によって,生徒が様々な場面で学べるように助けます。

学習活動案

天の御父はわたしが学ぶことを望んでおられる

レッスンの初めに,生徒に学校の好きな科目を分かち合ってもらうか,学ぶのが好きなテーマを簡単に説明してもらうとよいでしょう。必要に応じて,この世の教育とは宗教に結びつかない学問を指すことを説明します。

  • 生涯を通じてこの世的な知識と霊的な知識の両方を獲得することが重要なのはなぜでしょうか。

  • 数学や科学などの学校の科目を学ぶことは,イエス・キリストの福音を研究することとどのように違うでしょうか。どうすれば同じになるのでしょうか。

1833年1月,ジョセフ・スミスとオハイオ州カートランドに住むほかの神権者たちは,預言者の塾と呼ばれる塾を組織するようにという主の指示に従いました。1833年の冬,塾のメンバーはニューエル・K・ホイットニーの店の階上の部屋で集会を開きました。その後,集会は教会の印刷所とカートランド神殿で開かれました。教義と聖約88:77-80を読み,これらの神権者たちに何を学ぶよう主は命じられたかを見つけてください。

ホワイトボードに,地質学や歴史,天文学,政治学,地理などのテーマを書き,生徒にこれらの科目を指す言葉や表現を見つけてもらうとよいでしょう。

  • どのようなことが見つかりましたか。

  • 80節によると,主がこの人たちにこれほど広範囲の事柄を学ぶよう指示されたのはなぜですか。

  • これらのことを学ぶことは,主に仕える備えをするうえでどのように役立つでしょうか。

レッスンの残りの部分では,イエス・キリストへの信仰を深め,主によりよく仕える備えとなる,学びの原則に焦点を当てることを生徒に伝えます。生徒に,自分の信仰と学びの中で成長するために何ができるかについて,個人の啓示を求めるよう勧めるとよいでしょう。

研究と信仰によって学問を求める

マスター教義のアイコン教義と聖約88:118は,マスター教義聖句です。マスター教義聖句には目立つ印を付けて見つけやすくしておくよう,生徒に勧めるとよいでしょう。

教義と聖約88:118を読んで,主はどのように学問を求めるようわたしたちを招いておられるかを見つけてください。

生徒に聖句を調べてもらった後,学ぶことについて主が明らかにされたことを発表してもらいましょう。熱心に求める,互いに教え合う,最良の書物から知恵を求める,研究と信仰によって学ぶ,などが答えに含まれているとよいでしょう。

  • この聖句は,学ぶことについてどんなことを教えているでしょうか。

  • イエス・キリストへの信仰を強める方法について,どのようなことが分かるでしょうか。

必要に応じて,118節の初めで主が,信仰を持っていない人がいると言われたことを話すとよいでしょう。また,信仰を持っていない人々を助けるために主が与えられた明確な指示を,生徒に発表してもらってもよいでしょう。

以下は,これらの節から学ぶことができる原則を言い表す一つの方法です:研究と信仰を通して学ぼうと熱心に努めるならば,イエス・キリストへの信仰は深まるでしょう。

  • 研究を通して熱心に学ぶことに加えて,信仰によって学ぶとはどういう意味だと思いますか。

生徒が信仰によって学ぶことの意味をよりよく理解できるように,ラッセル・M・ネルソン大管長の次の言葉を見せるとよいでしょう。ビデオ「信仰をもって将来を待ち望む」のタイムコード10:28-11:20を見てもよいでしょう。

16:24

ラッセル・M・ネルソン大管長は,次のように説明しています:

ラッセル・M・ネルソン大管長

「『研究​に​よって,また​信仰​に​よって​学問​を​求め〔る〕』ことによって信仰を強くするようにと,主は教えておられます〔教義と聖約88:118;強調付加〕。主の戒めを守り,『いつも​御子​を​覚え〔る〕』〔モロナイ4:3〕努力をすると,イエス・キリストを信じる信仰が強くなります。さらに,主を信じる信仰を働かせる度に,信仰は強くなります。これが,信仰によって学ぶということです。

例えば,世間でもてはやされる意見と対立するときでさえ,信仰を持って神の律法に従う度に,または,聖約を破る行動を称える娯楽や思想を退ける度に,わたしたちは信仰を働かせています。そうする度に信仰が強くなるのです。」(ラッセル・M・ネルソン「信仰をもって将来を待ち望む『リアホナ』2020年11月号,75)

  • ネルソン大管長の言葉から,あなたはどのようなことを学びましたか。

  • 信仰によって学ぶことは,様々な学習の機会(家庭,学校,セミナリー,教会など)にどのように応用できると思いますか。

生徒が信仰によって学問を求める取り組みを評価できるように,あなたが次の項目をホワイトボードに書いて,生徒にはそれを学習帳に書き写してもらうとよいでしょう:家庭学校セミナリー教会。5を最大とする1から5までの段階で,各項目において信仰によって熱心に学ぶ努力を評価するよう生徒に促します。

必要に応じて,研究と信仰によって学ぶという意味の一つは,学習機会に積極的に参加し,学んだことや感じたことに基づいて行動することだということを,生徒に思い出してもらいましょう。生徒に,改善したいと思う分野を一つ選んでもらい,そのことを頭に置いてこの課の残りの部分を研究してもらいます。

「あなたがた自らを組織しなさい」

通学かばんを開ける10代の若者

教義と聖約88:119-126を読み,研究と信仰によって学ぶ能力を高めるための主の勧告を見つけてください。

通学かばんと,生徒が少人数のグループで使うための数枚の紙を用意しましょう。教義と聖約88:119-126を研究しながら,生徒には信仰によって学ぶのに役立つ主からの教えを紙に書いてもらいましょう。生徒に,主が勧めておられる態度や行動,避けるべき態度や行動を挙げてもらうとよいでしょう。書き終わったら,生徒にはその紙を通学かばんに入れてもらいます。

  • これらの態度や行動のうち,学ぶ能力に影響を与えたのはどれですか。

  • これらの態度や行動のうち,やってみるよう御霊の促しを感じたのはどれですか。

生徒に,10代の若者が様々な場面(家庭,学校,セミナリー,教会)で遭遇する可能性のある,信仰によって学ぶことを阻む様々な障害について考えてもらいます。それぞれの項目の下にアイデアを書き出します。生徒に,何枚か紙を選んで通学かばんから取り出してもらいます。その後,生徒にはそこに書かれている事柄を読んでもらい,学ぶうえで問題となることを克服できるよう助けてくれる,主の勧告について話し合いを導いてもらいます。また,救い主がこの勧告をどのように模範として実践されたかを,生徒に考えてもらってもよいでしょう。

例えば,学校の試験のために勉強することや,ある祈りに対する答えを受け取ることが困難だと生徒は考えるかもしれません。もし,かばんから取り出した紙に,断食の家を作ると書かれていた場合,断食と祈りが,学ぶ能力や主からの答えにもっと敏感に気づける能力をどのように高められるかについて,アイデアや経験を話し合うとよいでしょう。生徒に,救い主が断食を通して学ぶ模範を示された例を考えてもらった場合,御自分の業と務めに備えるために主はどのように断食をされたかを,生徒は思い出すかもしれません(マタイ4:1-10参照)。イエス・キリストの教えが自分の生活に関連していることを生徒が理解できるように,この活動を何度か繰り返します。

実生活への応用

最後に,時間を取って,信仰によってさらによく学ぶ方法を生徒に深く考えてもらいます。次の質問を使って,自分の考えを学習帳に記録するよう勧めるとよいでしょう。

  • あなたの生活の中から,信仰によって学ぶための努力をもっとしたいと思う分野(例えば家庭,学校,セミナリー,教会など)を一つ選んでください。

  • 信仰によって学ぶことは,この分野でどのように役立つと思いますか。

  • イエス・キリストへの信仰によって学ぶために,あなたは何をもっとしようと思いますか。

希望する何人かの生徒に,自分のアイデアを幾つか発表してもらいます。また,過去に成功を経験した生徒から,その証を聞く良い機会にもなるかもしれません。