セミナリー
第106課:教義と聖約90章:大管長会


「第106課:教義と聖約90章:大管長会」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』(2025年)

「教義と聖約90章」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』

第106課:教義と聖約89-92章

教義と聖約90章

大管長会

大管長会

1833年3月,主はジョセフ・スミスに,シドニー・リグドンとフレデリック・G・ウィリアムズを大管長会の顧問に任命するよう指示されました。大管長会として,この3人の男性は神権の鍵を持ち,地上における主の王国を管理することが認められたのです。この課は,イエス・キリストが大管長会を通して末日聖徒イエス・キリスト教会にお与えになる指示は重要であると,生徒が実感できるようにします。

学習活動案

鍵は,先にあるものを得ることを可能にする

クラスを始める方法の一つは,鍵は必要なときに特定のものを得ることができるようにするものだと示すことです。生徒に,安全に保管しておくことが重要だと思うものを小さな紙に書いてもらいましょう。手を挙げた生徒に,自分が書いたこととその理由を発表してもらいます。紙を集め,鍵がなければ取り出せない所に入れて鍵をかけてください。施錠できる所に安全に保管できない場合は,紙を箱に入れて,その箱には鍵がかかっていると想像してもらいましょう。生徒に鍵を見せ,その鍵の価値について考えてもらいます。以下のような質問をするとよいでしょう。

  • あなたの生活で,取り出すには鍵が要るような大切なものには何がありますか。

  • だれになら信頼してその鍵の使用と保管を任せられますか。それはなぜですか。

救い主は末日聖徒イエス・キリスト教会で用いられる神権の鍵を持っておられることを説明するとよいでしょう。今日の研究では,救い主は地上でそれらの鍵をだれに託しておられるか,またそれらの鍵によってわたしたちは何を得られるようになるかについて考えるよう生徒を招きます。

イエス・キリストが大管長会を組織された

生徒が以下の聖句を研究する備えとして,1833年の大管長会の画像(この課の冒頭の画像を参照)を表示し,以下の背景を説明するとよいでしょう。

今日では大管長会として知られていますが,当初は「大神権の大管長会」と呼ばれていました。シドニー・リグドンとフレデリック・G・ウィリアムズは,この大管長会を組織するために,1833年3月に預言者ジョセフ・スミスの顧問として召され,任命されました。教義と聖約90章で,主は大管長会の責任についてジョセフ・スミスに指示を明らかにされました。

教義と聖約90:1-3,6を読み,神がジョセフ・スミス,シドニー・リグドン,フレデリック・G・ウィリアムズに託されたことを見つけてください。

  • 主はこれらの人に,どのような責任を与えられましたか。

    神権の鍵について理解していることを生徒に発表してもらいます。また,生徒が神権の鍵と主の教会の組織について質問できる時間を設けましょう。必要に応じて,『聖句ガイド』(scriptures.ChurchofJesusChrist.org)の「神権の鍵」の項を調べてさらに学び,見つけたことを発表してもらうとよいでしょう。

  • 主が御自分の教会を統治される方法について,これらの節からどのようなことが学べますか。

生徒からはわたしたちが学べる真理が複数挙がるでしょう。強調してほしい真理の一つは,イエス・キリストは,大管長会に授けた神権の鍵を通して地上における御自身の教会を導いておられるということです。

2:51

次の言葉を紹介し,話し合ってもかまいません。

十二使徒定員会のD・トッド・クリストファーソン長老は,救い主が御自身の教会で鍵を用いてわたしたちの生活を祝福してくださる方法について次のように説明しています。

D・トッド・クリストファーソン長老

「それらの鍵の権能によって,教会の神権役員は,救い主の教義の純粋さと救いの儀式の完全さを保っています。彼らは救いの儀式を受けたいと望む人々を備え,資格とふさわしさを判断し,そのうえで儀式を施します。

王国の鍵を持つことにより,主の僕たちは,真実と誤りを識別し,権威を持つ者として,この時代に再び宣言します―『主はこう仰せられる』と。」(D・トッド・クリストファーソン「なぜ教会が『リアホナ』2015年11月号,110)

  • イエス・キリストが御自身の教会で神権の鍵を用いられる方法から,主についてどのようなことが学べるでしょうか。

生徒が大管長会の義務をよりよく理解できるように,次のような表を学習帳に書いて,空欄を埋めるよう勧めるとよいでしょう。二人一組または少人数のグループで,聖句を読み,話し合い,意見を交換することで,学べるようにするとよいでしょう。

聖句

大管長会を通して主はどのようにわたしたちを祝福してくださるか

教義と聖約90:9

(この節の「あなたがた」は大管長会を指し,「彼ら」は教会の長老たちを指します。)

教義と聖約90:14-16

教義と聖約107:8-9

教義と聖約107:33

教義と聖約120章の前書きと1節

教義と聖約124:125-126

大管長会と神託

このセクションは,主が大管長会への啓示を通して御自分の教会を導いておられることを生徒が理解するのに役立ちます。これらの聖句で,主は御自分が選ばれた指導者に対する啓示を「神託」(教義と聖約90:4-5)と呼んでおられることを説明しましょう。

教義と聖約90:4-5を読み,主が大管長会を通してわたしたちに与える神託(または啓示)についてどのように感じておられるかを見つけてください。

  • これらの聖句からどのようなことが分かるでしょうか。

  • 神の啓示によって人生の嵐から守られたと感じたのはどのようなときですか。

十二使徒定員会のニール・L・アンダーセン長老は,主の預言者の最大の責任について次のように説明しています。

16:4
ニール・L・アンダーセン長老

「預言者は皆さんと救い主の間に立つのではありません。むしろ,皆さんの傍らに立ち,救い主に通じる道を指し示してくれるのです。預言者の最大の責任であり,わたしたちへの最も貴重な贈り物は,イエスがキリストであられるというその揺るぎない証と確固とした知識です。かつてのペテロのように,わたしたちの預言者も『〔彼こそ〕生ける神の子キリスト』であられると宣言しています〔マタイ16:16〕。」(ニール・L・アンダーセン「神の預言者『リアホナ』2018年5月号,27)

  • 預言者とその顧問たちは,どのような方法でわたしたちをイエス・キリストに向けさせるでしょうか。

    訓練アイコン 預言者の言葉を用いて,教義と原則を強調する。次の活動は,預言者の言葉を研究する機会を生徒に提供するものです。預言者の言葉を用いる方法についてさらに練習するには,『教師養成スキル:教義を教える』にある「聖典と末日の預言者の言葉から教える」というタイトルの訓練を参照してください。「生徒が,聖文にある真理と,生ける預言者の言葉を結びつける助けとなるような招きを準備する」スキルを練習するとよいでしょう。

    生徒が預言者またはその顧問の最近のメッセージを幾つか研究する機会を設けます。自分で大管長会から一人を選び,ChurchofJesusChrist.orgで最新の総大会から説教をどれか一つ調べてもよいでしょう。クラスを3つに分け,各グループで大管長会から一人の言葉を研究し,青少年が理解しておくことが重要だと感じる教えを見つけてもらうとよいでしょう。その後,学んだことを発表してもらってもよいでしょう。一つ発表する度に,その教えがわたしたちをどのように救い主イエス・キリストに向かせるかを深く考え,言葉に表すよう勧めます。

    この課の締めくくりとして,何人かの生徒に,今日学んだことや感じたことの中で自分に最も関係のあることを発表してもらうとよいでしょう。次のような質問をするとよいでしょう。

  • 今日学んだことで,覚えておきたいことは何ですか。

  • 大管長会の指示に耳を傾ける理由をだれかに尋ねられたら,一つ説明したいと思うことは何ですか。