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第35課:永遠の家族


第35課

永遠の家族

目的

永遠の家族を築くという責任を理解する。

導入

永遠の家族はイエス・キリストの教会の基本的な教義であり,主の計画において最も重要な部分を占めている。これなくしては,現世においてまことの幸福を得ることはできず,来世においても日の栄えの王国に昇栄することはできない。ジョセフ・フィールディング・スミス大管長は次のように記している。「末日聖徒の理解する結婚は……〔永遠の〕聖約である。結婚は永遠の昇栄を得るための基盤である。結婚なしでは神の王国において永遠に進歩することはできない。」(『救いの教義』第2巻,53)

スペンサー・W・キンボール大管長は次のように述べている。「わたしたちの天の御父は,人がその幼年期から神のような者となるまでの成長の計画を立てられた。……神は,すべての人々がふさわしい生活をして,この世においても永遠にわたっても続く結婚の儀式にあずかるよう教えられた。」(「人類への主の計画」『聖徒の道』1976年4月号,185,187)神殿結婚は永遠の家族の始まりである。神殿で結婚した夫婦は子供をもうけ,戒めを守り,永遠に喜びと幸せをもたらす永遠の家族を築くのである。

永遠の家族を築くための備え

  • 写真ページ35-a「永遠の家族は神殿から始まる」を見る。

末日聖徒にとって,神殿は地上における最も重要な場所の一つである。神殿内で執行される儀式によって,家族は永遠に神の前でともに住むことができるようになる。家長や神権者には,家族を昇栄に導く責任がある。すなわち,神殿に参入するために家族を備える責任である。この備えをするには,自ら神権を尊重し,清い生活を送るように努力することから始めなければならない。

男女が神殿で結婚するとき,その結婚はこの世だけのものではなく,結び固めによって永遠のものとなる。そして二人の間に生まれてくる子供たちは,自動的に両親に結び固められ,聖約の子となる。合法的な結婚をしてから神殿で永遠の結び固めを受ける夫婦の場合は,最初に夫と妻を結び固め,次に子供たちを両親に結び固める。結び固めを受けてから生まれた子供たちはそのまま両親と結び固められ,永遠の家族に属する。

神殿で結婚する場合も,神殿で家族の結び固めを受ける場合も,準備の方法は同じである。まず,神殿に行くという目標を立てることである。準備を整えるために必要な事柄について妻子と話し合い,目標となる日付けを決める。この日付けを紙に書いて,それまでに達成できるように主に助けを求めて祈る。そして力の限りを尽くして備えるのである。神殿は非常に神聖な場所であるから,霊的な備えが必要である。神殿で交わす聖約は霊的に重要な意味を持つものである。主のすべての戒めを守り,あらゆる点で主に従うことを約束するのである。したがって,これらの聖約を交わす備えをするには,義にかなった生活をして御霊みたまの導きを受けることができるように努力しなければならない。

  • 自分自身をより霊的に備えるためにどのようなことができるか。(答えを黒板に書く。)

霊的な備えをするための方法

  • 度々心からの祈りをささげる。

  • 聖文を定期的に読む。

  • 道徳的に清い生活をする。

  • 謙遜けんそんになり悔い改めをする。

  • 忠実に家庭の夕べと家族の祈りを行う。

霊的に備えるために心から最善を尽くすならば,聖霊の助けを受けることができる。

  • 割り当てておいた生徒に次の引用文を読んでもらう。

神殿で結び固めの儀式を受けるために家族で備えるときに,家庭内に築かれた幸福について,ある姉妹が語っている。

「まだ子供ながら,わたしは両親が口論する度に怒りと心痛とつらさを感じていました。理想とかけ離れた現実に,一人で泣いたこともよくありました。

家族が福音によって結ばれている友人の家庭がどんなに違っているかを,感じることもできました。……〔監督とホームティーチャーのおかげで,わたしたちの生活が変わり始めました。〕福音が生活の中に徐々に浸透していきました。……口論は少なくなり,ずっと遠のいていきました。……わたしたち家族は教えられたとおりの生活をする責任を感じました。特にそのときは〔神殿という〕目標がありました。急いでいて荒々しい言葉を使ってしまっても,わたしたちは穏やかに心から愛をもって言葉を返しました。……お互いに助け合う喜びも感じました。父母にいつも口をすっぱくして言われていた仕事も静かにてきぱきとスムーズに運びました。以前はお互いへの憎しみとプライドでいつもけんかをしていたのに,それが愛や手伝いたいという気持ちに変わりました。

何がそう変えたのでしょうか。いろいろなことがあります。きっとそれは,長く待っていた夢が現実になったせいでしょう。家族の祈りと家庭の夕べが生活に取り入れられてから,わたしたちはお互いを知り,お互いを愛することを学びました。そのような生活によって,わたしたちのあかしは大きくなりました。家族の祈りや聖文の勉強や家庭の夕べや教会に出席することの証が。中でもいちばんの証は,悔い改めの原則についてです。わたしたちは神様が生きておられることを知りました。しばらくして,その証と自分たちはふさわしいという確信が持てたとき,主の神殿に行ってこの世においても永遠にわたっても家族として結び固められる用意ができました。……

神殿の門に足を踏み入れたとき,わたしはのどにこみ上げてくるものを感じました。一瞬ためらいがあって,それからわたしたちは中に入りました。……わたしたちは付き添いの人に連れられて結び固めの部屋へ行きました。そこには,神殿衣を着けた父母が顔を輝かせて待っていました。わたしたちは手を握り,聖壇の周りにひざまずきました。付き添いの人が赤ちゃんを抱いて,赤ちゃんも家族の輪に入れるようにしてくださいました。

それから,家族をこの世と永遠に結び固める言葉が話されました。

わたしは父母に愛されていることが分かります。なぜなら,わたしを永遠にも自分に結び固めてくれたからです。」(ブレンダ・ブロクサム「両親はわたしたちを神殿に連れて行ってくれました」『聖徒の道』1975年1月号,16-18)

経済的な面での準備も,神殿に行くために大切な備えである。時には,何年にもわたって計画し,貯蓄し,働くこともある。多くの家族が神殿に参入するためにあらゆる犠牲を払っている。家族が自分にとってどれほど価値あるものか,少しの間考えてみなさい。家族と金銭をはかりにかけることができるだろうか。

神殿に行くための費用として,往復の旅費と,宿泊費や食費などそのほかの経費を見積もる必要がある。費用の総計が出たら,毎月の貯蓄額を決める。こうすれば,最終的には神殿に行くことができる(本書第21課のバハイ・トンガ兄弟の証を参照)。神殿に行くために自分自身と家族を備えるのに必要なことは,それが何であれ,今すぐに始めるべきである。その報いは,費やした時間やお金にはるかに勝るものである。

家族とともに神殿に参入したことのある定員会の会員に,そのときの準備と経験について話させる。

預言者は,未婚の若人に神殿結婚に備えるように幾度も勧告してきた。キンボール大管長は次のように述べている。「現在,まだ多くの若人は神殿の建てられていない国に住んでいるが,それでもおおむね無理をしないで行ける距離内に神殿がある。……わたしたちは皆さんが正しい交際を経た後……いちばん近くの神殿に行くよう計画し,永遠の結び固めを受けるように心から望んでいる。そうすれば,生まれてくる子供たちはとこしえに皆さんのものとなり,皆さんも永遠に彼らの両親となるのである。そしてそれは,永遠の結婚となる。」(「結婚と人生」『聖徒の道』1976年7月号,281-282)

永遠の家族を築く

  • 写真ページ35-b「神殿で結び固められた家族は,忠実であれば永遠にともに住めるという約束を受ける」を見る。

永遠の家族は神殿結婚から始まる。しかし,これは始まりにすぎない。永遠に続く家族関係を築くには,神殿で交わした約束に忠実でなければならない。また,永遠の家族としてともに住むことを願うならば,互いにそのように接する必要がある。家庭が地上における小さな天国となるように努力するのである。

永遠の家族を築くために父親としてできることはたくさんある。富や教養は必要ないが,神権を尊重しなければならない。そうすれば,神権によりわたしたちは強められ,変えられて,永遠の家族を築く助けとなる聖霊の励ましを心の中に受けるであろう。以下は,永遠の家族を築くためにできる事柄の一例である。

  • 全員を集めて家族の祈りをする。

  • 食事の祝福をだれかに頼む。

  • 家族を教会に連れて行く。

  • 什分の一などの献金を納める。

  • 何事についても正直に行動する。

  • 度々ひざまずいてひそかに祈り,妻子を教え愛するときに主の助けがあるように願い求める。

  • あらゆる機会をとらえて,特に家庭の夕べで家族に福音を教える。

以上の方法で家族を祝福するならば永遠の家族の一員としての喜びを享受できる。

未婚の神権者も家族が幸福になり,永遠の家族として生活できるように助けることができる。わたしたちの家族のために主が計画されたことを理解すれば,わたしたちの生活の中で最も大切なものは一人一人の家族であるということに気づくはずである。愛と親切な心で家族に接し,彼らを励まし強めるためにできる限りのことを行うのである。

  • クラスに未婚の若い神権者がいれば,神殿結婚に備える方法について話し合う。永遠の結婚が大切だと言われるのは,どのような理由によると思うかを尋ねる。家族を幸せにするために今できることを話し合う。

まとめ

  • 割り当てておいた生徒に次の話を読んでもらう。

メキシコから来た少年が,彼のおじとおばについて話をした。それは神殿結婚を基とする家族生活からもたらされる喜びを教えている。

「わたしのおじのデビッドとおばのグアダルーペは……いつもけんかをしていた。二人の家庭はすさみ,子供たちは毎日けんかを目にして心を痛めていた。ついにグアダルーペは子供たちを連れて別居し,両親の下で生活するようになった。

別居している間に,デビッドは宣教師に会い,数日後にバプテスマを受けた。新たに福音を理解した彼は,家族が永遠の単位であることを知った。そこで,妻子のところに宣教師を送ったが拒絶された。〔最後には〕彼らも福音を受け入れて教会員になり,再び一緒に生活するようになった。しかし,依然としてけんかは絶えなかった。

二人は神殿結婚の重要性について話し合ったが,経済的な問題と絶え間ない口論がその目標を遠ざけていた。〔しかし,多くの犠牲を払った後に,ついに神殿に参入できたのである。〕おじとおばが子供たちと結び固めを受けてメキシコに帰ったときには,わずか15ペソしか持っていなかった。……しかも,おじには仕事がなかった。

神殿での結婚は,これらの問題を消し去りはしなかったが,おじとおばに生活する力を与え,富はなくとも二人は幸福だった。

次第に十分な生活の糧が得られるようになり,おじも仕事を見つけることができた。

二人の顔には大きな変化が見られ,その生活は変わった。彼らはかつてないほど幸せであった。わたしが何よりも驚いたことは,けんかの声がもはや聞こえなくなったことであった。愛の言葉が口論に取って代わった。……

最近,おじはわたしに次のように言った。『ジョージ,結婚してから24年間,苦しいことが多かった。しかし,やっと幸福を見つけた。まるでわたしたちは結婚したばかりの清らかな若者で,永遠のハネムーンを今楽しんでいるような気分がするよ。』」(ジョージ・カーロス・テシャダ・ペラザ,“Eternal Honeymoon,” Ensign,1974年8月,62-63)

永遠に続く家族関係からわたしたちは大きな喜びを受けることができる。試練や苦難も家族で分かち合えば軽くなる。愛を分かち合うことで生活はさらに豊かで楽しいものになる。永遠に一緒にいられるという確信は,心に平安と慰めを感じさせてくれる。

チャレンジ

  1. 神殿結婚をしていなければ,家族とともに神殿で結び固めを受けるための準備を始める。できれば,神殿の写真を手に入れて,よく見える場所にはる。写真の下に家族の目標とする日付けを記入する。

  2. 神殿結婚をしていれば,家族と永遠に生活するためになすべき事柄について考える。家族の成長に役立つ方法を一つ選び,今週から実行し始める。

参照聖句

教義と聖約131:1-4(日の栄えの最高の階級に入るには結婚の結び固めを受けなければならない)

教義と聖約132:19,55(永遠の家族として結び固められた人々に約束された祝福)

教師の準備

レッスンの前に以下の事柄を行う。

  1. 『福音の原則』第36章「家族は永遠に」を読む。

  2. レッスンの中で引用文や聖句を発表する割り当てを生徒に与える。

  3. 家族で神殿に参入したことのある定員会の会員に,そのときにした準備と経験について話す割り当てを与える。

神殿

35-a 永遠の家族は神殿から始まる

神殿で結び固められた家族

35-b 神殿で結び固められた家族は,忠実であれば永遠にともに住めるという約束を受ける