第9課
長老と大祭司の義務
目的
長老と大祭司の義務を理解する。
導入
自分に与えられた神権の義務を学んで遂行するならば,救い主の代理人である神権者はほかの人々の生活に祝福をもたらす。主から与えられた神権を用いてその義務を果たし,人々が永遠の命に向かって成長できるように助けるのである。これは特に,「教会のすべての霊的な祝福の
メルキゼデク神権の責任
アロン神権者は忠実にその義務を果たすことにより,メルキゼデク神権を受ける備えをする。聖任される時が近づいたら,権能を持つ人から面接を受ける。あるアロン神権者は,メルキゼデク神権昇進の面接を受けた感想を次のように記している。
「ステーク会長はわたしの目をじっと見詰めたまま最後の質問をして,わたしの答えを聞いた。そしてこう言った。『ジョージ,わたしは君がメルキゼデク神権を受けて長老の職に聖任されるにふさわしい備えができていると感じます。』数分後にわたしは夜の空気の中を歩いていた。……このときほど心に高まりを感じたことはなかった。そして,それは平安な思いに満ちたものであった。……やがて,わたしはベッドの横にひざまずいた。立派に神権を行使するために全力を尽くす覚悟であった。不敬な言葉や不道徳な話を口にせず,決して人を傷つけまいと思った。神の人となるために心からの努力をしようと決心をした。わたしはいつもその夜のことを忘れないようにしている。それはすべての始まりであった。神権者として召されることは,何とすばらしいことであろうか。神権を行使する資格ある者として選ばれ,家族や……
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この少年は面接の後にどのような決心をしたか。わたしたちがメルキゼデク神権を受けるときに負わなければならない責任にどのようなものがあるか。
神権者は皆その義務を学び,神権を行使するのにふさわしくなるよう努力すべきである(教義と聖約107:99-100参照)。メルキゼデク神権者はすべて,その職が何であるかにかかわらず一定の責任を持っている。
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写真ページ9-a「神権の権能は神の権能を与えられた人が施す
按手 を通して授けられる」を見る。
メルキゼデク神権の責任には,以下の事柄が含まれている。
個人の改心
イエス・キリストの福音に自ら帰依し,その原則に完全に従って生活する。
家庭と家族関係
家族に福音の原則を教え,どのような責任を果たすに際しても愛と理解を示すことができるように導く。
家族の歴史と神殿活動
神殿推薦状にふさわしく生活し,自分自身と家族のために神殿の祝福を受け,先祖の名前を探求し,彼らのために神殿の儀式を執行する。家族の記録(日記,『家族の記録』家族の歴史など)を作り,家族のつながりを
福祉活動
自分自身と家族を養い,貧しい人や苦しんでいる人を主の方法で援助する。
伝道活動
自分の実情に合わせて以下のような伝道活動を行う。家族のだれかが伝道に出る備えをしている場合その人を助ける。教会員でない人にフレンドシッピングを行う。宣教師に友人を紹介する。専任宣教師として働く。伝道活動を財政面から援助する。
ホームティーチング
ホームティーチャーとしての責任を十分に理解し,担当家族を「見守り,彼らとともにいて彼らを強める」ために熱心に働く(教義と聖約20:53参照)。
定員会や教会の活動への参加と奉仕
神の王国を築くために教会の召しを熱心に果たし,定員会や教会のほかの責任を遂行し,出席すべき集会や活動に参加する。
地域社会への協力と奉仕
法律を守り,敬い,支え,忠実な市民となり,善良な隣人となって地域社会を改善する。(Annual Guidelines, 1978–79: The Melchizedek Priesthood,1978年,1ページより)
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写真ページ9-b「メルキゼデク神権は人々の霊的な生活を祝福する」を見る。
メルキゼデク神権を受けると,人々の霊的な生活に恵みをもたらす力が与えられる。メルキゼデク神権は「福音をつかさどり,……鍵,すなわち神の知識の鍵を持つ。それゆえ,この神権の儀式によって神性の力が現れる。」(教義と聖約84:19-20)メルキゼデク神権の力を通して,油を聖別し,病人を祝福し,メルキゼデク神権や聖霊の
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神の力はこれらの儀式を通してどのように現れるだろうか。メルキゼデク神権を通してあなたが受けた祝福にどのようなものがあるか。
長老と大祭司の特別な義務
長老
教会において「長老」という名称には二つの意味がある。まず,メルキゼデク神権者の総称として用いられる場合である。例えば,宣教師,教会管理役員,中央幹部の人々はすべて長老と呼ばれる。また,「長老」はメルキゼデク神権の特定の職も指している。
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教義と聖約124:137を生徒に読んでもらう。この聖句には長老の職に関する義務の一つとしてどのようなことが挙げられているか。
教会の「常任教導者」として働くほか,長老は要求されるあらゆる職務を行う。ジョセフ・F・スミス大管長は,長老たちは神殿で働き,家庭にあってその務めを果たし,世界に福音を
大祭司
大祭司は教会の霊的な力と祝福をつかさどる責任を持つ(教義と聖約107:10参照)。また,管理の責任にも召される。管理役員の召しとしては,特に中央幹部,伝道部長,ステーク会長,監督などの職が挙げられる。様々な召しを受けて管理する大祭司は,その召しに特有の霊的祝福を施す権能と,長老,あるいはアロン神権者の職務をすべて執行する権能を有する。
まとめ
メルキゼデク神権は,教会のあらゆる霊的な祝福の鍵を握っている。長老と大祭司にはそれぞれに特異な義務はあるが,これらはいずれもメルキゼデク神権にかかわる義務である。したがって,長老や大祭司として神権の職務を行うならば,仕える人々の生活を物心両面にわたり祝福できるのである。
チャレンジ
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自分の神権の職に関する義務を明確にし,それをさらに達成するために計画を立てる。
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自分の家族が特に必要とする事柄を見極め,より良い父親あるいは家族の一員になるために家庭で正しく神権を行使する方法を決める。
参照聖句
モーサヤ18:7-30(教会員の義務)
教師の義務
レッスンの前に以下のことを行う。
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教義と聖約107章を読む。
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レッスンの中で引用文や聖句を読む割り当てを生徒に与える。