セミナリー
1コリント10章


1コリント10章

誘惑からのがれる

John’s life may have been very different had he not had the courage to leave a party one evening in Japan.

直面している誘惑からのがれたいと思ったことはありますか。使徒パウロは,わたしたちが誘惑に直面したときに役立つ貴重な原則を教えました。この課では,イエス・キリストに頼ることで,誘惑を克服できるようになります。

聖句を読む。クラスで聖句を読むには,クラス全員で読む,少人数のグループで読む,各自で読むなど,様々な方法があります。学習教材に加え,生徒のニーズや能力も考慮して,読み方を選んでください。

生徒の準備:生徒に,『わたしに従ってきなさい—個人と家族用:2023年 新約聖書』の「1コリント10:1-13:神は誘惑からのがれる道を備えてくださる」を研究してもらいます。研究をしながら,次の質問について深く考えてもらいます:「天の御父は誘惑からのがれるために,どのような道をあなたに与えてくださいましたか。」

学習活動案

誘惑

磁石と鉄性のものをクラスに持参し,それらを用いて,誘惑に抵抗するという概念を生徒に説明してもらいます。例えば,誘惑から離れることの重要性と,近づきすぎることの危険性を強調することができるでしょう。

Silver Spheres Gravitated Towards a Red Magnet on Blue Background

十二使徒定員会のウリセス・ソアレス長老の次の話を読みましょう。または,ChurchofJesusChrist.orgにあるビデオ「あらゆる思いの中でキリストを求める」(タイムコード2:44-3:23)を見ましょう。

Silver Spheres Gravitated Towards a Red Magnet on Blue Background
Elder Ulisses Soares, Quorum of the Twelve Apostles official portrait.

「例えて言うならば,誘惑に屈するとは金属を磁石に近づけるようなものです。磁石の目に見えない力が金属を引き付け,しっかりと固着させるのです。磁石の力が及ばなくなるのは,その金属の物体を磁石から遠く離れた場所に置いたときだけです。ですから,磁石が遠くにある金属を引き付けることができないのと同様に,わたしたちが誘惑に抵抗するならば,誘惑の影響は弱まり,わたしたちの思いと心,ひいては行動に対する誘惑の影響力はなくなります。」

(ウリセス・ソアレス「あらゆる思いの中でキリストを求める『リアホナ』2020年11月号,83)

1コリント10章 を学ぶとき,あなたが直面している誘惑に抵抗するために何ができるかを知るのに役立つ聖霊の促しに耳を傾けましょう。

この聖句の目的の一つは,わたしたちよりも前に生きた人々の生活と苦闘から学ぶ際の助けとなることです( 1コリント10:6,11モルモン9:31 参照)。 1コリント10章 に記録されているように,パウロはイスラエル人が紅海を横断して荒れ野を旅した例を用いて,旅の中で主がどのようにイスラエル人とともにおられたかをコリント人に思い出させました( 1コリント10:1-4 参照)。

主がイスラエル人のために何をなされたか,また 4節 で主を表現するために用いられた称号に注目してください。

  • パウロが 4節 で用いた称号から,救い主についてどのようなことを学ぶことができますか。

イスラエル人が誘惑に屈したときに,主が彼らを支えられた奇跡的な方法を説明してください。 1コリント10:5-11 を読み,イスラエル人が自分たちの「霊の岩」であるイエス・キリストから目を背ける原因となった誘惑を調べましょう。

  • わたしたちの状況は,どのような点でイスラエル人の状況と似ていると思いますか。

  • 若者が救い主から目を背けてしまう原因となりそうな一般的な誘惑には,どのようなものがあるでしょうか。

あなたが現在直面している誘惑と,その誘惑はどのようにあなたを「岩」であるイエス・キリストから離してしまうのかについて,考えてください。これらの誘惑に打ち勝つことができたとしたら,あなたの生活にどのような影響があるかについて,深く考えてみましょう。

救い主はわたしたちが誘惑に打ち勝つのを助けてくださる

誘惑されることは罪ではありませんが,誘惑に屈することは罪であることを忘れないでください。 1コリント10:12-14 を読み,誘惑を克服する助けとなる原則を調べてください。

  • 神は,あなたが誘惑を克服するのを助けるために,何をすると約束されていますか。

  • これらの節の中で,誘惑に直面したときにわたしたちが何をすることを神が望まれているのかについて述べている言葉はどれでしょうか。

  • どのような原則を見つけましたか。

生徒は,様々な原則を見つけることでしょう。時間を取ってこれらの原則について話し合い,生徒にとって何が重要かに焦点を当てましょう。次のようなフォローアップの質問をするとよいでしょう:「その原則を見つけるのに役立った言葉はどれですか。」「その原則はどのようにあなたの役に立つでしょうか。」

あなたは,次のような原則を見つけたかもしれません:神は誘惑からのがれる道を備えてくださるが,わたしたちは誘惑から離れることを選ばなければならない

この課の「注釈と背景情報」の項にあるそのほかの預言者の話を生徒に提示してもよいでしょう。聖文に記載されている誘惑からのがれる例を生徒が確認できるように, 創世39:1-12マタイ4 :1-10 を読み,話し合うとよいでしょう。

聖句を通して,そして現代の預言者を通して,救い主はわたしたちに誘惑を克服する方法を教えてくださっています。次の聖句と預言者の話を読み,救い主に目を向け,誘惑からのがれるためにできることを調べてください。それらを 1コリント10:12–14 と関連づけるとよいでしょう。

Official Portrait of President Henry B. Eyring taken March 2018.

「イエス・キリストに対する信仰により,わたしたちは悔い改め,主の戒めを守るようになります。聖霊の促しに従うことにより,従順になり,誘惑を退けます。やがて,わたしたちの性質は変化します。幼子のようになり,神に従い,愛が深まります。そのような変化は,それを保つために全力を尽くすなら,聖霊を通して与えられる賜物を受けるふさわしさをもたらします。こうしてわたしたちは,唯一の堅固な岩の上にあって安全でいられるのです。」

(ヘンリー・B・アイリング「幼子のように『リアホナ』2006年5月号,16)

  • これらの聖句とこの話から,誘惑からのがれるためにあなたが救い主に目を向ける動機となる,どのようなことを学びましたか。

  • 神は誘惑からのがれる道をどのように備えてくださるのでしょうか。

  • 神が備えてくださる,のがれる道を認識して利用するにはどのようにすればよいのでしょうか。

誘惑にはデリケートなものもあるため,以下の活動は個別に取り組んでもらいましょう。生徒が活動を終えたら,詳細には触れず,大まかに発表してもらいます。生徒は,克服しようとしている誘惑をクラスで発表 すべきではありません

以下の活動のうち,二つ以上を行ってください:

聖句の中の名前と状況をわたしたち自身の名前と状況に置き換えることは,聖句をわたしたちの生活に応用するのに役立つことを指摘してください。個人の聖文研究でも,このスキルを活用するよう生徒に勧めてください。

  • 1コリント10:14 を書き換えましょう。「愛する者たちよ」の「者たち」の代わりにあなたの名前を入れ,「偶像礼拝」の代わりにあなたが直面している誘惑を入れます。

  • あなたが誘惑からのがれるのを救い主が助けてくださった経験を記録しましょう。この経験は,あなたが現在直面している誘惑からのがれるために,どのような助けとなりますか。

  • イエス・キリストに頼り,あなたが直面している誘惑に抵抗するために取るべき具体的な手順を記録しましょう。

  • 1コリント10章 を研究しながら,救い主についてどのようなことを学び,どのように感じましたか。

  • これは,あなたが直面している誘惑からのがれるために,どのような助けとなるでしょうか。

注釈と背景情報

イエス・キリストと聖霊は,わたしが誘惑を克服するのにどのような助けとなるのでしょうか。

十二使徒定員会のウリセス・ソアレス長老は,次のように教えています:

Elder Ulisses Soares, Quorum of the Twelve Apostles official portrait.

「誘惑に抵抗する戦いには生涯にわたる勤勉さと忠実さが必要です。しかし,主はわたしたちが努力するうえでいつでも助けることがおできになり,わたしたちが最後まで堪え忍ぶならばすばらしい祝福を約束してくださっていることをどうか知ってください。……

愛する兄弟姉妹の皆さん,救いの岩である,わたしたちの魂の救い主に頼〔れば〕,……思いを制するわたしたちの能力は著しく向上することを証します。わたしたちの霊的な成熟のスピードが速くなり,心が変わって,いっそうイエス・キリストに似た者になることを断言できます。さらに,聖霊の影響はわたしたちの生活においてさらに強まり,継続します。そして,わたしたちへのサタンの誘惑の力は少しずつ弱くなり,その結果,より幸せな,さらに純粋で聖い生活ができるようになります。

どんな理由であれ,誘惑に陥り,不義な行いを続けている人々にお伝えします。戻る道があります。キリストに希望を持つことができます。」

(ウリセス・ソアレス「あらゆる思いの中でキリストを求める『リアホナ』2020年11月号,83-84)

十二使徒定員会のクエンティン・L・クック長老は,次のように教えています:

Official portrait of Elder Quentin L. Cook. Called to the Quorum of the Twelve Apostles on 6 October 2007.

「永遠の進歩に関する一つの原則は,自制心を働かせ,義にかなった生活を送ることで,誘惑に立ち向かう能力は高まるということです。この原則は霊的な事柄にも,肉体的な事柄にも当てはまります。……

神の神聖な計画の一環として,わたしたちは霊的な賜物を授かります。……この御方は,罪悪に対する警告の声,危険に対する防御の声を発してくださいます。人生の海原を航海するとき,聖霊が与えてくださる印象に従うことは,実に大切なことです。御霊は誘惑や危険を避けられるようわたしたちを助け,試練を乗り越えられるよう慰め,導いてくださいます。」

(クエンティン・L・クック「ブリストルの船のように-順風でも逆風でも,神殿にふさわしく『リアホナ』2015年11月号,41-42 )

誘惑からのがれるために,事前に準備するにはどうすればよいのでしょうか。

スペンサー・W・キンボール大管長(1895-1985年)は次のように教えています:

Portrait painting of President Spencer W. Kimball.

「最終的な目標を念頭に置いて,事が起こるずっと前にどうするか決めておけば,いとも簡単に正しい決断をすることができます。疲れたり,大きな誘惑に出遭ったりしても,こうしておけば,分かれ道に行き当たったときに,多くの悩みや苦しみを避けることができます。……

同じ誘惑に遭う度に自分が行うことを決め,何度も繰り返し決め直さなくてもよいように,自己を訓練してください。ある事柄については,一度だけ決意すればよいのです。……

悪の道から離れるべき時は,その道を歩み始める前です。正しい生活を送る秘訣は,防御と予防にあります。悪に負ける人は,たいてい攻撃にさらされやすい場所に身を置いている人なのです。」

『歴代大管長の教え—スペンサー・W・キンボール』〔2006年〕108-109

補足学習活動

誘惑からのがれるための作戦ノート

スポーツチームの作戦ノートの役割について,生徒に話し合ってもらいましょう。ChurchofJesusChrist.orgにあるビデオ「神権の作戦ノート」(タイムコード3:50-5:59)を見ながら,生徒が直面している誘惑について考えてもらいます。このビデオでは,十二使徒定員会のゲーリー・E・スティーブンソン長老が,わたしたちが誘惑に抵抗する方法について話しています。

ビデオを見た後時間を取って,生徒に,自分の作戦ノートを作成し,誘惑に抵抗するための計画を立ててもらうとよいでしょう。

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『リアホナ』教えに教え」

『リアホナ』2017年2月号,59ページにある「 教えに教え—1コリント10:13」を生徒に見せてもよいでしょう。生徒はこのページを学び, 1コリント10章 で学んだことをもとに,自分たちの「教えに教え」のページを作り直すこともできます。