ヨハネ14:1-6;15:1-11
「わたしは道であり,真理であり,命である」
弟子たちとの最後の晩,イエス・キリストは彼らに御自分の本質と使命について教えられました。イエスは御自分は天の御父のもとへ帰るための道であると教え,御自分と弟子たちとの関係をぶどうの木とその枝にたとえられました。この課は,自分とイエス・キリストとの関係について考え,イエス・キリストに従い,イエス・キリストの力と助けを受ける方法について考えるのに役立ちます。
生徒が教える。ほかの人に福音を教える機会が与えられると,生徒の知識と証は強化されます。改まった場でも日常の場面でも,機会をとらえて生徒同士で教え合うよう勧めてください。
生徒の準備:小道やぶどうの木,枝のついた木を探し,その写真を撮るよう生徒に言います。その写真のどんなところがイエス・キリストを思い起こさせるのか考え,その写真をクラスに持ってきてもらいます。
学習活動案
レッスンを開始する前に,次のアイデアを検討してください:
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準備の活動で撮った写真を生徒に見せてもらう。
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教室に小道を作って,生徒にそこを歩いてもらえるようにする。
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実物を用いたレッスンとして生徒に枝を見せる。木と枝のつながりについて話し合い,枝が木と切り離されるとどうなるか尋ねる。
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このレッスンに関連する個人的な経験を話す。
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このレッスンで使う小道やぶどうの木の写真を見せる。
小道がどのように役立つか,ぶどうの枝がぶどうの木から力を得るにはどうすればいいのかを生徒と話し合います。イエス・キリストがなぜ小道やぶどうの木なのか,生徒に尋ねてもよいでしょう。
救い主の弟子たちへの最後の教えの幾つかは,彼らと救い主との関係と,救い主に頼らなければならないことを理解してもらうためのものでした。救い主は御自分を道にたとえただけでなく,ぶどうの木,つまり枝のある木にもたとえられました。自分には生活のどんな部分で助けが必要か,時間を取って考えてください。天の御父のもとに戻ろうと努力するとき,恐らくあなたは助けが必要だと感じるでしょう。あなたは人生の課題に立ち向かうためにもっと大きな力が必要だと感じるかもしれません。救い主の教えを研究するときには,救い主について何が学べるか,救い主からどんな助けが頂けるかを考えてください。
このレッスンの内容をどのようにアレンジするかを決めるときには,生徒に何が必要でどれくらいの能力があるかを考えてください。生徒は,次の選択学習の片方または両方について,個人的に時間を取って勉強し,よく考えることで,恩恵を受けることができます。
自分の考えや証を述べ合う機会を設けることも,生徒たちのためになるかもしれません。これは,様々な方法で行うことができます。このレッスンの一部を教える準備をするように,授業の前に生徒たちに依頼するとよいでしょう。もう一つのやり方としては,次の選択学習の一つを生徒に割り当てるか選んでもらって,別のクラスメートに教えたり,クラス全体に教えたりする準備を生徒にお願いします。
生徒は,次の配付物を使って勉強し,教える準備をするとよいでしょう。
イエス・キリストは「道であり,真理であり,命である」( ヨハネ14:6 )
ヨハネ14:1-6 を読み,救い主は,御自分に従う人々をどのように助けると約束されたのかを調べてください。
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救い主は,この聖句でどのような真理を教えられましたか。
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これらの称号はそれぞれ,イエス・キリストについて,またイエスとあなたとの関係について,何を教えていますか。
前の課でイエス・キリストの様々な称号と役割のリストを作成している場合は, ヨハネ 14章 で発見したものをそのリストに追加するとよいでしよう。
モルモン書を読むと,新約聖書で勉強している内容がさらによく理解できるようになります。 モーサヤ3:17 を読み,この聖句が ヨハネ14:6 を理解するのにどう役立つか考えてください。
ディーター・F・ウークトドルフ管長は大管長会で奉仕しているときに,次のように教えました:
「神は皆さんに御自身のもとへ帰る道を見つけてほしいと望んでおらます。救い主はその道であられます〔 ヨハネ14:6 参照〕。神は皆さんに,神の御子イエス・キリストを知り,主の弟子としての道に従うことで得られる大きな平安と喜びを味わってほしいと望んでおられるのです。」
(ディーター F・ウークトドルフ「光と真理の証を受ける」『リアホナ』2014年11月号, 21)
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あなたまたはあなたの知っている人が,イエス・キリストに従うことから来る深い平安と喜びを経験したのはどんなときですか。
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救い主に従って天の御父のもとに戻るには,どうしたらよいのでしょうか。
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自分が正しい道を進んでいるかどうかは,どうすれば分かりますか。
イエス・キリストは「ぶどうの木」であられる( ヨハネ15:5 )
イエス・キリストは,たとえを用いて,御自身と弟子との関係について弟子たちに教えられました。 ヨハネ15:1-11 を読んで,このたとえを調べてください。
前の課でイエス・キリストの様々な称号と役割のリストを作成している場合は, ヨハネ 15章 で発見したものをリストに追加するとよいでしょう。
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このたとえで,イエス・キリストは何を教えていると思いますか。
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自分とイエス・キリストとの関係についてのこのたとえから,どのような真理を学ぶことができますか。
十二使徒定員会のジェフリー R・ホランド長老は,救い主につながっているようにという救い主の呼びかけは,わたしたちが「とどまる,…… 永久にとどまる」ようにという呼びかけであると説明しました(「わたしにつながっていなさい」『リアホナ』2004年5月号, 32 )。ホランド長老は,救い主につながっているようにという救い主の呼びかけにこたえることがなぜそれほど大切なのかを説明しています。ビデオ「わたしにつながっていなさい」(タイムコード13:26-14:23)を見るか,次の言葉を読むとよいでしょう:
「イエスは言われました。『わたしから離れては,あなたがたは何一つできない……。』〔 ヨハネ15:5 〕この言葉が神の真理であることを証します。わたしたちにとってキリストはすべてであり,わたしたちはいつまでも,揺らぐことなく,確固として,永遠にイエスに『つながって』いなければならないのです。福音が実を結び,生活に恵みを与えるようになるためには,人類の救い主である主と,その聖なる御名を冠した主の教会とにしっかりとつながっていなければなりません。主はぶどうの木であり,強さの源,そして永遠の命の唯一の源です。主にあってわたしたちは堪え忍ぶだけでなく,決して敗れることのないこの聖なる業において勝利を収めることでしょう。」
(ジェフリー R・ホランド「「わたしにつながっていなさい」 32)
モルモン書を読むと,新約聖書で勉強していることがさらによく理解できるようになります。 アルマ26:12 を読み, ヨハネ15:1-11 とどのような関係があるか考えてください。
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あなたがイエス・キリストにつながっていようと努力したときに得られた成果(結果または祝福)には,どのようなものがありますか。
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イエス・キリストにつながっていられるようにするためにできる行いには,どのようなものがありますか。
生徒が互いに教え合った場合は,見つけた真理,クラスメートから学んだこと,イエス・キリストについての証をクラスで発表するよう勧めます。生徒の教え方を褒め,教えたことや学んだことを家族にも伝えるよう勧めます。
時間を取り,生徒が自分に必要なものや現在の状況について救い主はどのような助けを与えることがおできになると思うか,よく考えてもらいます。救い主のことを証するか,個人的な経験を分かち合うといいかもしれません。
注釈と背景情報
天の御父の家にはすまいがたくさんあるとは,どういう意味か
預言者ジョセフ・スミス(1805-:1844年)は次のように教えました:
「『わたしの父の家には,すまいがたくさんある』……〔という言葉〕は〔 ヨハネ14:2 ]〕,こうであるべきです。『わたしの父の王国には,王国がたくさんある』,あなたがたは神の相続人となり,わたしと共同の相続人になるためである。……日の栄えの律法に従う人々のために住まいがあります。その律法に従わない人々のために別の住まいがあります。すべての人が自分の位に入るのです。」
(『歴代大管長の教え—ジョセフ・スミス』 219)
補足学習活動
絵を描く
芸術を通して自分を表現する生徒もいます。 ヨハネ14:1-6 または ヨハネ15:1-11 からイエス・キリストについて学んだことを表す絵を描くよう生徒に勧めるといいかもしれません。生徒が互いに教え合う場合,この絵をレッスンの一部にすることもできます。
ビデオ
過去の誤った考えをどのように見ればよいか,イエス・キリストをなぜ道と見るのかを生徒に理解してもらうために,七十人のローレンス E・コーブリッジ長老の「道」(タイムコード6:46-11:56)を見てください。
The Way
ヨハネ14:6 。「わたしは道であり,真理であり,命である」
イエス・キリストがなぜ「道」であり,「真理」であり,「命」であられるのかを生徒に説明してもらいます。この3つの役割を説明する参照聖句を生徒に探してもらうとよいでしょう。また,イエス・キリストが自分の生活の中でこの3つの役割を果たしてくださったときのことを生徒に発表してもらってもいいかもしれません。
つながるという言葉を数える
ある言葉やフレーズを一つの聖句ブロックの中で何度も使うと,重要なメッセージがいかに強調されるかを生徒に理解してもらいます。つながるという言葉は, ヨハネ15:4-10 で何度も使われています。この言葉が現れる回数を数え,自分の聖書でこの言葉に印をつけるかメモを取り,頻繁に繰り返すことによって何を伝えているかを考えるよう生徒に言います。
ヨハネ15:10 。「もしわたしのいましめを守るならば,あなたがたはわたしの愛のうちにおるのである」
ホワイトボードにぶどうの木を描き,生徒たちに,ぶどうの木につながっている枝を描いてもらいます。この枝は自分たちを象徴しています。ホワイトボードのぶどうの木の周りに戒めを書き出すよう生徒に言います。戒めを守ることは,救い主の愛の中にいてぶどうの木とずっとつながっているためにどう役立つか,話し合います。