マタイ9：36－38；10章

イエス・キリストは十二使徒を召され，指示を与えられた

イエス・キリストは十二使徒を召して指示を与え，福音を宣べ伝え，教え導き，病人を癒すために彼らを遣わされました。この課は，イエス・キリストの代理であり証人である使徒たちの召しと役割を理解するのに役立ちます。

生徒の質問に耳を傾ける。愛と共感の心をもって，注意深く話を聞き，フォローアップの質問をすることで，生徒を理解できるよう努めましょう。生徒の立場に立てるよう祈りましょう。生徒の必要とするものや現在の理解度に合わせて，進んでレッスンや活動を調整しましょう。

生徒の準備：以下の質問をして，主の使徒たちにかかわる経験を，生徒に振り返ってもらいます：救い主の使徒たちは，あなたがイエス・キリストに近づくことができるようにどのような導きを与えてくれたでしょうか。使徒たちのどのようなところに感銘を受けますか。使徒の役割について分からないのは，どのような点ですか。

注：「補足学習活動」の項には，別の「生徒の準備」が掲載されています。

学習活動案

イエス・キリストの使徒に対するあなたの気持ちと理解

自分なら次の神殿推薦状の質問にどう答えるか，考えてください：

「大管長会および十二使徒定員会の会員を預言者，聖見者，啓示者として支持していますか。」

（ラッセル・M・ネルソン「結びの言葉」『リアホナ』2019年11月号，121）

• 大管長会および十二使徒定員会の会員を支持するとは，どういうことでしょうか。

わたしたちは，教会指導者を支持するということを，手を挙げるという物理的な行為と考えがちです。しかし，支持とは，単に外形的に意志を示すことではありません。支持には，神に召された人であるとわたしたちが信じているため，支持する人を支え，励まし，信頼し，従うことが含まれます。

• 神殿に入るための条件に，救い主の使徒への支持や気持ちに関連するものがあるのはなぜだと思いますか。

以下の尺度を使用して，イエス・キリストの使徒たちに対するあなたの個人的な気持ちや姿勢をさらに評価してください。自分の回答をほかの人に話すよう求められることはありません。

以下の尺度を示すとよいでしょう。生徒が深く考えるように以下の各質問を声に出して読み，その後，生徒に自分の答えを学習帳に記録してもらうとよいでしょう：

（A）非常にそう思う，（B）そう思う， （C）どちらとも言えない，（D）そうは思わない

1. わたしは，イエス・キリストの使徒はとても重要だと信じている。

2. 救い主の使徒の言うことを聞きたいし，話を聴く機会には集中して聴いている。

3. わたしは，イエス・キリストの使徒が最近教えたことを一つか二つは紹介できる。

少し時間を取って，イエス・キリストの使徒に関する疑問をじっくりと考え，記録してください。学習しながら，これらの疑問について考え，聖霊からの答えを求めましょう。

古代のイエス・キリストの使徒たち

マタイ9：36－38 を読み，救い主がこれらの節で指摘された問題を探してください。

• 何が問題で，救い主は何が必要だと述べられたのでしょうか。

生徒に，以下の聖句を二人一組または少人数のグループで読んでもらってもよいでしょう。

人々を教え導く助けとして，イエス・キリストは使徒を召しました。「使徒」という言葉は，「遣わされた者」という意味のギリシヤ語の言葉から来ています。初めに使徒たちは，イスラエルの家の人々の間にだけ遣わされました。その後，復活された救い主は，異邦人の間で，またはイスラエルの家系でない人々にも福音を宣べ伝えるよう命じられました。今日，使徒は世界中で教えを説くように命じられています（ 使徒 10章 参照）。

マタイ10：1－8 や 教義と聖約107：23 にある救い主の十二使徒への召しと指示を読んでください。その後，以下の質問に答えてください。

• 救い主は使徒たちに，どのようなことをするようお命じになりましたか。

• イエスがなさった御業と，主が使徒たちに行うようお命じになったことには，どのような類似点がありますか。

• この聖句から，イエス・キリストが何を行うために使徒たちを召されたのかについて，どのような真理が学べるでしょうか。

現代のイエス・キリストの使徒たち

できれば，現在の大管長会と十二使徒定員会の写真を見せます。

マタイ10：1－8 や 教義と聖約107：23 から学べる真理は，主は使徒を全世界でキリストの名の特別な証人とされ，主の御業を行うように召されたというものです。これは，古代の救い主の使徒にも，現代に主が使徒として召された人々にも言えることです。

マタイ10：40 を読み，使徒を迎える人々に対する救い主の勧告を探してください。

• なぜ，救い主の使徒を受け入れることが，救い主を受け入れることになるのでしょうか。

ビデオ「ネルソン大管長：神の預言者」（タイムコード0：00－5：41）を見てください。このビデオでは，ラッセル・M・ネルソン大管長が「遣わされた者」として人々を代表し，救い主のもとに導くという役割を重視していることが説明されています。

現代の使徒がどのようにして，救い主のように教え導いているか，ほかの例も示すとよいでしょう。「注釈と背景情報」の項には幾つかの例が記載されています。

• 現代の使徒がイエス・キリストと同じように人々を教え導いていることは，あなたの目にはどのように映りますか。

大管長会と十二使徒定員会は救い主の代理であり，救い主の特別な証人であるため，彼らの教えを学ぶことは救い主の教えを学ぶことに等しく，救い主について学ぶ手段です（ 教義と聖約1：38 参照）。以下のリソース（ChurchofJesusChrist.orgで視聴可能）のいずれかから，現代の使徒の教えを研究し，天の御父とイエス・キリストについて学べることを見つけてください。

どのようなリソースが生徒にとって最適か判断し，生徒がリソースにアクセスする方法を提供します。

「 生けるキリスト—使徒たちの証 」

「キリストの特別な証人」

最近の総大会の説教

現代の使徒たちの言葉を学習することを通して，イエス・キリストから，そしてイエス・キリストについて学んだことを生徒に発表してもらいます。

• 学ぶ中で，天の御父とイエス・キリストに関する理解や愛が深まったと感じさせたくれたものには，どのようなものがありますか。

• どのようなときに，主の使徒がイエス・キリストを代表していると感じ，分かりましたか。

• 今日学んだことは，あなたが現代の救い主の使徒たちを支持し，耳を傾ける方法にどのような影響を与えるでしょうか。

準備の活動を行った生徒には，そのことを思い出させるよう配慮します。以下の活動では，その経験を生かしてもらいます。

考えるための質問

今日学んだことをどのように生かせるかを考え，聖霊の促しに注意を向けながら，天の御父に祈りをもって指示を仰ぎましょう。以下の質問について深く考え，あなたが受けた印象とそれに対してどのように行動するかを，学習帳に記録してください。

• あなたやあなたの家族は，どのように現代の救い主の使徒たちの勧告を受け，それに従っていますか。

• あなたは，救い主の使徒の勧告と教えによって，どのような点でイエス・キリストに近づきましたか。

• 救い主の使徒たちをさらによく知り，それに従うための具体的な計画を持つことにより，あなたはどのように祝福されるでしょうか。

• 今日，救い主の使徒についてのあなたの疑問の答えは得られましたか。そこからどのようなことを学びましたか。どのような疑問がまだ残っていますか。それに対する答えは，どうすれば見つけられるでしょうか。

• あなたの家族，友人，その他あなたとの交流がある人やあなたが影響を与えられるかもしれない人の中で，今日のあなたの経験について学び，話し合うことがためになる人はいますか。どのように彼らとこの経験を分かち合えるでしょうか。

意欲のある生徒には，学習したことで自分が受けた印象や得られた証，取るべきだと感じる行動を発表してもらいましょう。

注釈と背景情報

マタイ10：14

。「足のちりを払い落〔とす〕」とは何を意味するのか

ジェームズ E・タルメージ長老は，足のちりを払い落とすことを救い主が指示されたことについて，次のような見解を示しました：

「他人に反対する証として足からちりを払う行為は，兄弟同士の関係を断絶し，続いて起こるかもしれない結果に対して一切責任を負わないという象徴である，とユダヤの人々は解釈していた。この行為は，主が使徒たちに指示されたことによって，非難の証をする儀式となった〔 マタイ10：14 〕。この神権時代にも，主は，御自身が承認された僕たちに向かって，権能を授けられた者が真理を説き教えるとき，これに対して悪意をもって故意に反対するものがいれば，その証をせよと同じように命じられた。」

（ジェームズ・E・タルメージ『キリスト・イエス』第33版，338。教義と聖約24：15，75：18－22，92－96も参照）

これは，現在，わたしたちの宣教師が行っていることではありません。また，教会の指導者が新しく指示を出さないかぎり，行われることもありません。

なぜ，現代の地上にイエス・キリストの使徒が必要なのか

現代のイエス・キリストの使徒と，彼らがどのようにして救い主のように教え導いているかについて，どこでもっと学ぶことができるのか

以下のリソース（すべてChurchofJesusChrist.orgで利用可能）は，現代のイエス・キリストの使徒について詳しく知るのに役立ちます。

「 イエス・キリストの完全な福音の回復—200周年の世界への宣言 」

ニール Lアンダーセン「神の預言者」『リアホナ』2018年5月号，24－27

その他の最近の総大会の説教

現代の預言者と使徒に会う

「ベドナー長老－使徒の役割について」

補足学習活動

生徒の準備の代案

大管長会または十二使徒定員会の現在の会員を一人選び，その人のごく簡単な経歴と，特筆される教えを発表する準備をしてもらいます。また，その使徒について学ぶことで，どのようにイエス・キリストに導かれたかを発表する準備もしてもらいます。授業の初めに，準備をした生徒に学んだことをクラスで発表してもらうとよいでしょう。

総大会に向けて生徒の準備を助ける

このレッスンの一部を使用するかアレンジして，次の総大会に向けて生徒が準備できるようにするとよいでしょう。末日の預言者や使徒と彼らが話すイエス・キリストの教えに関する，生徒の知識を強調するとよいでしょう（例えば，彼らの生涯を基にクイズを作成する，生徒にクラスで使うクイズを作成してもらう，過去の説教を幾つか勉強し，イエス・キリストとその務めについて証する行や段落を探す，など）。また，生徒にとって，総大会の話を聞いたり優先したりするための準備をする方法を話し合うこともよいかもしれません（気が散らないようにする，予定を空けておく，質問を考えてから見る，など）。