セッション1
福音の原則を応用する
キリストの弟子となることにより,良い夫や妻となる方法だけでなく,生活のあらゆる側面において神聖な導きがもたらされるのです。
セッションの目的
このセッションでは,参加者が以下を達成できるように助けます。
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結婚生活における平安と幸福の可能性について理解する。
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福音の原則を応用するときに結婚生活において幸福が得られるという望みを強める。
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結婚生活を強めるために,次の4つの原則を応用し始める。
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福音の原則に従う。
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決意をもって結婚生活を継続し,相違点の解決に取り組む。
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聖約を守る。
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日々改善しようと努める。
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結婚生活における幸福の土台
エズラ・タフト・ベンソン大管長は次のように教えています。「結婚は……イエス・キリストの福音において最も栄えある,最も人を高める原則です。これ以上に重要かつ神聖で,人の永遠の喜びにとって必要な儀式はありません。結婚の聖約への忠誠は,この世では最上の喜びを,来世では栄光に満ちた報いをもたらします。」1
夫婦は,家族に関する宣言で与えられている勧告に従うことによって,互いの関係を強め,家族を守ることができます。2 救い主とその
家族生活の崩壊
ヒンクレー大管長は,家族生活の崩壊について次のように警告しています。「今,世界中で家族が崩壊しています。……心は張り裂け,子供たちは涙に暮れています。」3 結婚生活において問題やチャレンジに直面するとき,落胆して,あきらめたいと思う人々もいます。しかし多くの人々が,夫婦の関係に決意をもって取り組み,問題を解決するために努力し,結婚生活における充足感と平安と幸福を享受しています。
幸福を得る可能性は大いにあるにもかかわらず,多くの人々が
このような災いは,社会の中で容易に目にすることができます。離婚こそが不幸せな結婚生活に対する最善の解決法であると考えた夫婦は,離婚がしばしば予期しなかった問題を引き起こすことに後で気づきます。離婚の長期的な影響に関する研究において,臨床心理学者のジュディス・ウォーラーステインと共著者のジュリア・ルイス,サンドラ・ブレークスリーは,離婚は子供たちの生活を崩壊させ,生涯にわたって彼らの行動や決断に影響を及ぼすという結論に至っています。5
シカゴ大学のリンダ・ウェイトと共著者のマギー・ギャラガーは,離婚はしばしば,非行や犯罪の増加,教育の機会の減少,精神的および身体的な健康問題の増加といった,子供にとって不利益な結果をもたらすことを確認しています。6 また,子供は実の親からよりも,親の交際相手や義理の親から虐待を受ける傾向が強いことを発見しています。7
結婚生活におけるチャレンジは様々な要因によって生じます。スペンサー・W・キンボール大管長は次のように述べています。
「異なる環境で育ってきた二人は,結婚式を挙げると間もなく,避けることのできない現実の姿を知ります。そこにはもはや,空想や見せかけの生活はありません。雲の外に出て,自分の足をしっかりと大地に置かなければなりません。責任を負わなければなりませんし,新しい義務を引き受けなければなりません。個人的な自由はある程度制限され,多くの調整,つまり私心をなくした調整が要求されるのです。
結婚してしばらくすると,以前は明らかではなかった,あるいは気づかなかった配偶者の欠点を知るようになります。結婚前にいつも大きく見えた徳は次第に小さくなっていき,以前にはごくわずかでそれほど気にならなかった欠点が,大きく頭をもたげてきます。……長年の癖がその姿を現してきます。配偶者は倹約家かあるいは浪費家でしょう。怠け者かあるいは働き者,信心深いかあるいは不信心でしょう。夫は親切で協力的かもしれませんし,あるいは怒りっぽくて気難しいかもしれません。厳しく要求する人かあるいは手を貸してくれる人でしょう。自己中心的かあるいは控えめかもしれません。義理の親との問題が明らかになってきますし,彼らと配偶者との関係が再び大きく採り上げられるようになります。」8
結婚生活についての良い知らせ
キンボール大管長は夫婦に対して,たとえこのようなチャレンジがあるとしても,結婚生活を実り多いものにできることを約束しています。「あらゆる努力を払い,よく祈って,最も麗しく一致した生活を営める相手を見いだすように努めるとき,確かにすべての若い男女は,幸福を得,実り多い結婚生活を営むことができるのです。しかしそのためには,二人が進んで代価を払わなければなりません。」9
相違点や意見の違いはあるでしょうが,夫婦はそれらをうまく解決することができます。問題が最もよく解決されるのは,夫婦の両方がそれを克服するように努めるときです。しかし残念なことに,結婚生活を救いたいという思いを夫婦の両方が等しく持つとはかぎりません。夫婦の思いに差があるとき,より強い思いを持っているパートナーは,夫婦関係の原則を粘り強く実践すれば,やがて結婚生活がうまく行くことを理解し,勇気を出さなければなりません。
結婚生活を強める
人は次の事柄を行うときに自分の結婚生活を強めることができます。
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福音の教えに従う。
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結婚生活に決意をもって取り組む。
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自分が交わした聖約を守る。
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日々改善しようと努める。
福音の原則に従う
夫婦が互いや互いの関係を,ゆがんだ,偽った,または不正確な見方で見るとき,夫婦間の自然な相違点が,対立や不和に発展してしまいます。夫婦はイエス・キリストに従うことによって,これらのひずみを克服することができます。
十二使徒定員会のニール・A・マックスウェル長老は,福音は人がはっきりと,正しい見地に立って見るように促すと述べています。「人生や人々を福音のレンズを通して見るならば,しかも十分な時間をかけて頻繁に見るならば,わたしたちは永遠の見地に立つことができるので,はるかにはっきりと見ることができます。……あつものや銀貨30枚,官能的な喜びなどは視界から完全に消え去ります。忍耐を身に付けることがはっきりと見えてくる代わりに,ゴルフのスイングやテニスのサーブを上達させることは視界から消えます。子供たちに耳を傾け,彼らを教えることがはっきりと見えてくる代わりに,居間を飾ることは視界から消えていくのです。」10 福音に従って生活する人は,よりはっきりと見ることができ,より適切な選択をすることができます。
永遠の結婚と実りある家族生活を真剣に望む人は,主イエス・キリストの真の弟子になるように努めなければなりません。キリストの弟子となることにより,良い伴侶や親となる方法についての指示だけでなく,生活のあらゆる側面において神聖な導きがもたらされるのです。救い主はその教えの中で,人が弱さを克服するのを助けようと言っておられます。
「もし人がわたしのもとに来るならば,わたしは彼らに各々の弱さを示そう。わたしは人を
見よ,わたしは異邦人に彼らの弱さを示し,また信仰と希望と慈愛が彼らをわたしのもとに,すなわち,あらゆる義の源に導くことを彼らに示そう。」(エテル12:27-28)
同様に,預言者ジョセフ・スミスは次のように教えています。「人間が完成の域に近づけば近づくほど,その見識は
主の弟子となるとき,人はより優れた見地に立ち,物事を「ありのままに」見ることができるようになります(モルモン書ヤコブ4:13)。人々に対して,害のある態度ではなく,愛,忍耐,寛容をもって応じるようになります。家族の宣言にある9つの原則に従うことによって,一人一人が義にかなった者となり,神に近づくことができます。家族に対する感謝が増し,神聖な導きを受けられるようになります。
人生は様々なチャレンジをもたらしますが,その多くは人との交わりから生じます。しかし,キンボール大管長が以下に述べているように,試練を永遠の見地に立って見るなら,それは祝福となり得るのです。
「わたしたちの存在が現世ですべて終ってしまうと考えるなら,苦痛,悲しみ,失敗,そして短命は不幸な出来事と言えるでしょう。しかし,人生が永遠に続くものであるととらえ,遠い昔の前世から,死を迎えた後永遠に続く来世まで視野に入れるならば,すべての出来事を本来の観点から理解することができるのです。
主は,わたしたちが克服できるように試練を与えられます。わたしたちが達成できるように責任を課されます。また,わたしたちの力を強めるために仕事を与え,精神を試すために悲しみをお与えになります。それらはすべて,主の知恵によるものなのです。わたしたちは強さを試すために誘惑を受け,忍耐を学べるよう病気になります。そして,不死不滅になって栄光を受けられるように,死を経験するのです。」12
夫婦は,試練,教え,信仰,個人の義,そして霊的な導きを通じて成長します。霊的な導きによって,夫婦は家族に関係するものだけでなく,人生の様々な問題やチャレンジを克服するためのより大きな力を得るのです。
決意をもって結婚生活を継続し,相違点の解決に取り組む
すべての夫婦は結婚生活においてチャレンジを経験します。互いに固い決意で結ばれていなければ,人生の
結婚・家族療法士のキャサリン・ランデルは,結婚生活において深刻な問題に苦しんでいたある夫婦について語っています。彼らは,もし問題を解決できなければ春までに離婚することにしていました。数か月にわたってカウンセリングが行われましたが,ほとんど進歩がなく,離婚の準備が整いました。しかし,ランデルは彼らの決断を専門家として是認しようとはしませんでした。代わりに,彼らに自分たちの聖約を思い起こさせたのです。「聖約を破ると決めるのはあなたがたです。」ランデルは言いました。「その決断とともに生きていくのは,あなたがたです。」次にその夫婦がやって来たとき,彼らは「互いに対していつになく優しく,好意的に接して」いました。二人の説明によれば,彼らは自分たちの状況について考えた後,結婚生活に決意をもって取り組むことを選んだのでした。解決すべき問題はまだありましたが,新たな決意が結婚生活を大きく変えたのです。13
結婚生活にあるべき決意について,救い主は次のように教えておられます。「『それゆえに,人は父母を離れ,その妻と結ばれ……るべきである。』彼らはもはや,ふたりではなく一体である。だから,神が合わせられたものを,人は離してはならない。」(マタイ19:5-6)
七十人のブルース・C・ヘーフェン長老は,結婚は契約ではなく,聖約であると教えています。契約によって合意している当事者たちは,問題が生じて利益が滞ると合意を撤回することが頻繁にあります。ヘーフェン長老は次のように述べています。「しかし聖約による結婚に問題が起きた場合,夫と妻は協力して問題を解決します。彼らが結婚したのは与え,成長するためであって,二人は聖約によって互いに,社会に,さらに神に,結ばれています。」14
別れずにいる夫婦の大部分は,やがて問題の解決が可能であることに気づきます。ウェイトとギャラガーは,幸せでない結婚生活を送りながらも別れずにいる夫婦が高い確率で,問題を解決し,結婚生活を楽しめるようになると述べています。「幸せでない結婚生活を送りながらも辛抱する人々の86パーセントが,5年後には,結婚生活がより幸せなものになったと感じています。……実にほとんどの人が非常に幸せになったと言っています。事実,結婚生活が幸せでないと答え,……それでも結婚生活を継続した人の5分の3近くが,同じ結婚生活を『非常に幸せだ』または『かなり幸せだ』と答えるようになったのです。」15
このような改善は,非常に不幸せな結婚生活においても見られました。ウェイトとギャラガーは次のように述べています。「最も悲惨な結婚生活において最も劇的な転換が見られました。結婚生活は非常に不幸せだと答えながらも結婚生活を継続した人々の77パーセントが,……5年後には同じ結婚生活を『非常に幸せだ』または『かなり幸せだ』のいずれかだと回答したのです。」16
別れずにいる夫婦は,そのほかにも益を得ます。ウェイトとギャラガーは,そのような夫婦は独身の人々より長生きをし,17 より多くの財産を得,18 より健康で幸福で,19 より大きな性的充足感を得ることを発見しています。20
聖約を守る
聖約,すなわち神とその子供たちとの間で交わされる神聖な合意は,家族を救う大きな祝福をもたらします。問題に直面するとき,夫婦は聖約を思い起こすことで困難を解決する強さを見いだすことができます。聖約は様々な方法で助けを与えてくれます。
聖約は心を鼓舞してくれる。結婚の新しくかつ永遠の聖約によって,ふさわしい夫婦は主の持っておられるすべてを受け継ぐ,と主は誓っておられます(教義と聖約132:19-20参照)。使徒パウロは,「目がまだ見ず,耳がまだ聞かず,人の心に思い浮びもしなかったことを,神は,ご自分を愛する者たちのために備えられた」と教えています(1コリント2:9)。聖約を覚えるとき,夫婦は結婚生活を改善し,問題を解決する意欲と霊感を得ることができます。
聖約は行動を導いてくれる。人が福音によって成長していく中で交わす聖約は,人との関係を強めてくれます。バプテスマのとき,会員は神の戒めに従い,イエス・キリストに似た者になると聖約します。バプテスマの聖約に従うことで,結婚生活における問題のほとんどが解決します。神権者は自分の召しを尊んで大いなるものとし,主とその
聖約は夫婦を祝福してくれる。アブラハムと聖約を立てたとき,主は「あなたを計り知れないほど祝福……しよう」(アブラハム2:9)と約束されました。主が御自分の聖約の民を祝福し,支えてくださることは,聖文が十分に証明しています。主に従う人は,アブラハムに約束された祝福を受け継ぐ者となります。困難のときに,主はふさわしい夫や妻に導きと支えを与えてくださいます。そして最後に,彼らは日の栄えの王国において永遠の幸福と昇栄を受けるのです。ブルース・C・ヘーフェン長老は,聖約に従順であることによって,人は「隠れた力」と「深い愛情の泉」を見いだすだろうと述べています。21 これらの祝福は困難のときに夫婦を強めてくれます。
聖約は子供たちを救ってくれる。結婚の聖約の祝福は,両親ばかりでなく子供たちにも影響を及ぼします。この聖約を守る両親は,子供たちを教え,育てる際に強くされます。ブリガム・ヤング大管長は次のように教えています。「エンダウメントと結び固めを受けた男女に子供が生まれれば,その子供たちは王国の正当な世継ぎであり,王国の祝福と約束をことごとく受ける世継ぎでもあります。」22 十二使徒定員会のボイド・K・パッカー会長は,神殿の聖約の重要性を次のように繰り返しています。「神殿結婚の大切さ,結び固めの儀式により結ばれるきずな,これらの儀式に必要とされるふさわしさの標準は,いくら強調してもしすぎることはありません。両親が神殿の聖壇で交わした聖約を守るなら,子供たちは永遠に両親に結ばれるのです。」23 両親は「救いを求めない人に救いを押し付ける」24ことはできませんが,神殿の聖約の祝福は両親とその子供たちを強めてくれます。
教会員が神と交わす聖約の一部が10ページに挙げられています。このリストをコピーして生徒に配布するとよいでしょう。
ふさわしい夫や妻の中には,伴侶がともに交わした聖約を破ったなら聖約の祝福はどうなるのかという疑問を抱く人がいます。夫婦の一方が聖約を捨てたとしても,忠実な伴侶について約束された祝福が取り消されることはありません。ゴードン・B・ヒンクレー大管長は,そうした苦しみを受けている人々に次のように断言しています。「結婚生活が失敗に終わったからという理由で,わたしたちは皆さんを失敗者だと見下したりはしません。……主は皆さんを拒むことも,退けることもなさらないでしょう。」25 同様に,たとえ両親の一方または両方が聖約を捨てたとしても,子供は聖約のうちに生まれた,または結び固められたという祝福を保ちます。また聖約を守る親は,その子供との聖約の関係を保ちます。
日々改善しようと努める
落胆はサタンが用いる最大の道具の一つです。「天の父が完全であられるように……完全な者とな〔る〕」という教えに圧倒されてしまう夫婦が大勢います(マタイ5:48)。自分自身の不完全さを知り,毎日の家族の問題に直面するとき,落胆してしまうのです。永遠の家族生活など自分たちには夢物語であるように思えるかもしれません。そして「わたしには無理だ」と嘆き,こう言います。「なぜわざわざ努力する必要があるだろうか。」
自分自身や伴侶,あるいは子供たちのことをあきらめる人は,不義の影響力に対して扉を開くことになります。しかしイエス・キリストに従おうと努める人は,そのような力に打ち勝つことができます。「悪魔に立ちむかいなさい。そうすれば,彼はあなたがたから逃げ去るであろう。神に近づきなさい。そうすれば,神はあなたがたに近づいて下さるであろう。」(ヤコブの手紙4:7-8)粘り強くあり,間違いから学ぶなら,個人的な失敗を成功に変えることができます。
多くの人は,ほかの人の完全さを目にし,その一方で自分の弱さを痛感しながら,自分をほかの人と悲観的に比べてしまいがちです。ある療法士は,うつ病と自信の欠如に苦しんでいた友達同士の女性二人を担当したときのことを回想しています。どちらの女性も,もう一方の女性が治療を受けていることは知りませんでしたが,基本的に同じことを言っていました。「友人の家に行くと,いつでもすべてが整っているように見えます。家は整頓されていて,子供たちは行儀がよく,生活がコントロールできているように見えるのです。それに引き替え,自分はぼろぼろになっているように感じます。家は散らかっていて,子供たちは手に負えず,ただ正気を失うまいともがいているのです。」数回の診察の後,療法士は女性たちが互いについて話していることに気づきました。どちらも相手はほぼ完全で,自分はまったく不完全だと考えていたのです。
問題を抱える夫婦によく見られるもう一つの問題は,夫や妻が自分自身の欠点を見過ごしにしながら,伴侶の不完全さ(そう思い込んでいるだけのこともある)にばかり目を向けていることです。互いにそのような態度を取り続けることで,不満を抱き,不幸せになり,それが理由で,多くの結婚生活が失敗に終わっています。どんなときでも,伴侶の行動を変えようとするより,自分の問題を認めて解決する方が良いのです。
完全な人はおらず,完全になるには時間がかかります。夫婦はそのことを覚えておく必要があります。十二使徒定員会のラッセル・M・ネルソン長老は,忍耐し続けながら日々改善しようと努めるよう教会員に助言しています。「自分の不完全さが現れたときでも,間違いを正す努力ができます。自分や愛する人々の中にある弱点に対して,もっと寛大になることができます。慰めを受け,堪え忍ぶことができます。」26
永遠の家族の喜び
神は全能であられます。家族について永遠の見地に立とうと努めるとき,少しの間,神の創造物の膨大さとそれらが創造された目的について考えるように勧めてください。主はモーセに次のように語られました。「無数の世界を,わたしは創造した。また,わたし自身に目的があってこれらを創造した。子によって,わたしはこれらを創造した。子とは,わたしの独り子のことである。……それらは人にとって数え切れない。しかし,わたしにはすべてのものが数えられている。それらはわたしのものであり,わたしはそれらを知っているからである。」(モーセ1:33,35)ある著述家は宇宙の大きさに驚嘆し,次のように書いています。「〔ハッブル望遠鏡を〕空の何もない所に向け,腕を伸ばした先にある砂粒ほどの大きさの範囲に焦点を合わせてみます。すると,視界の及ぶかぎり何層もの星雲が見えました。……そしてその一つ一つに何十億もの星が含まれているのです。」28
無数の世界を創造されたその神が,御自分の子供たちの永遠の幸福こそが御自分の業であり栄光であると宣言しておられます(モーセ1:39参照)。神はわたしたちとわたしたちの家族に,この世において幸福を見いだし,ついには「永遠の富」を得てほしいと思っておられます(教義と聖約78:18)。神の創造物の膨大さに比べれば自分は取るに足りないと感じるかもしれませんが,わたしたちは自分が神の子供であることを覚えていなければなりません。わたしたちが神の戒めを守るとき,神はわたしたちを助け,祝福すると約束してくださっています。聖約を守り,福音の原則に従うとき,神がわたしたちのために備えておられる祝福を受けることができるのです。
家族は福音の計画の中心です。ゴードン・B・ヒンクレー大管長は次のように教えています。
「主はわたしたちが結婚し,愛と平安と一致の中でともに暮らし,子供をもうけ,神聖な方法で育てるようにお定めになりました。……
結局のところ,福音はそれらの大切さを教えているのです。家族は神が造られたものであり,非常に重要なものです。国家を強めるには,人々の家庭を強めるのがいちばんの方法です。
わたしたちが罪悪ではなく,互いに徳を求めるならば,家庭がはるかに幸福な場になると確信しています。そして離婚,不貞,怒り,うらみ,反目が影をひそめ,