スキル：質問を受けたとき，その質問を預言者の教えと結びつける

はじめに

アイリング管長は次のように教えています。「わたしたちを安全に導こうとする救い主の願いには終わりがないようです。また，わたしたちに安全な道を示してくださるその方法には一貫性があります。救い主は複数の手段を用いて，進んで受け入れようとする人々にその道が分かるようにしてくださっているのです。そして，その手段にいつも含まれるのが，神の預言者の口を通してメッセージを送ってくださることです。これは，民が神の預言者を頂くにふさわしいときにはいつも行われてきました。権能を受けた僕たちには例外なく，民に警告し，安全への道を示す責任が与えられています。」（ヘンリー・B・アイリング「助言の中に安全を見いだす」『リアホナ』1997年7月号，28）

これに加えてクリストファーソン長老はこう述べています。「末日聖徒イエス・キリスト教会において，『わたしたちは，神がこれまでに啓示されたすべてのこと，神が今啓示されるすべてのことを信じ』ています。『神がこの後も，神の王国に関する多くの偉大で重要なことを啓示されると信じ』ています（信仰箇条1：9）。これは，まだ知らないことが数多くあるけれども，これまでに受けた真理と教義は神の啓示によってもたらされたのであり，これからも受け続けるという意味です。……わたしたちは，理解を深めるための学問は重要だと考えています。しかし今日の教会において，キリストの教義を確立したり教義的な逸脱を正したりする際には，昔と同様に，主から使徒の権能を授かった人々が受ける神の啓示によって行われます。」（「キリストの教義」『リアホナ』2012年5月号，86）

セミナリーとインスティテュートの目的を達成するために，教師は生ける預言者の言葉に親しむための時間を取り，生ける預言者の言葉が教師から生徒に自然に伝わるようにするべきです。

預言者の言葉はイエス・キリストの言葉であり，イエス・キリストの言葉は預言者，聖見者，啓示者の言葉です(教義と聖約1：38)。

以下は，教師が年度を通して尋ねることができる質問です。

生ける預言者の言葉をわたしはいつもどのように学んでいるだろうか。
預言者の言葉の研究にどのくらいの時間を費やしているだろうか。
わたしは家庭で，職場で，学校で，または余暇の活動で，どのくらいの頻度で彼らの言葉を引用したり使ったりしているだろうか。
わたしは，ネルソン大管長が今週わたしたちに伝えていることをどの程度知っているだろうか。
預言者の言葉とその優先順位を知り，代価を払うために何ができるだろうか。

これは，教師と生徒が預言者の言葉を学び，使うのを助けるために用意された4つの短期訓練コースの一つです。これは成長するのに時間がかかるプロセスです。教師と生徒は，学び始めるにつれて，預言者の言葉にもっと慣れ親しみ，教えに教えを加えて，預言者の教えの内容と背景をすぐに学ぶでしょう。また，これらの教えを『福音ライブラリー』やそのほかの見つけられる場所で見つけることに熟達するでしょう。やがて彼らは，申命記6：6にある約束のように，「きょう，わたしがあなたに命じるこれらの言葉をあなたの心に留め〔る〕」ことができるでしょう。

わたしの現時点での理解度や能力はどれくらいだろうか（評価）

クラスで質問が出るときに，生ける預言者の言葉をどれくらいの頻度で使っているだろうか。
生徒の懸念を解決したり，質問に答えたりするために，どのくらいの頻度で預言者の教えを用いるように努めているだろうか。

このスキルはどのようなもので，なぜ重要なのか（定義）

質問を受けたときにその質問を預言者の教えと結びつけることは，クラスの流れの中で起こりうることです。生徒が質問をするとき，教師は質問に答えるのに役立つ預言者の教えを生徒が考えたり探したりするのに役立つ質問をします。以下は，そのような質問の例です。

ネルソン大管長がこの質問にどう答えたか，思い浮かびますか。
預言者は，このことについて，わたしたちにどのような助けとなると教えているでしょうか。
『福音ライブラリー』にアクセスし，質問のキーワードを入力してください。預言者の一人がこれに関連することを教えたことがあるか見てみましょう。どのようなことが見つかりましたか。
教師は，生徒にある特定の説教を示し，預言者がこの質問にどのように答えたかを生徒に見てもらう必要があるかもしれません。

これを行うことで，生徒は生ける預言者の重要性と役割をよりよく理解できるようになります。預言者の言葉を生活の中で使うときに，その言葉に対する理解が深まります。また，聖文に基づいた質問や人生に関する質問の答えをすぐに見いだすことができるようになるでしょう。

このスキルに関して，良い例，または模範となる人が思い浮かぶだろうか（モデル）

生徒たちがクラスで1コリント14章を研究していたとき，キャシーはこう尋ねました。「主の王国において女性は発言権がないように感じられることがあるのはなぜでしょうか。」すると教師はキャシーとほかの生徒たちに次の質問をしました。「クラスの皆さん，これから数分間，ネルソン大管長の『霊の宝』という説教を見てみましょうか。読みながら，ネルソン大管長はキャシーの質問にどのように答えているかを考えてみましょう。」

このスキルを使ったり，この原則を応用したりする練習をするにはどうすればよいだろうか（練習）

上記の例に基づいた質問をすることで，以下の生徒に預言者の言葉を示すか，自分で考えた質問を書き出します。

ある生徒がこう尋ねます。「霊界では何が起こっているのですか。彼らは私たちを見ているでしょうか。彼らは私たちが何をしているのか知っていますか。」
ある生徒がこう尋ねます。「なぜ主は，御自分の計画に反する感情を一部の人に与えられるのでしょうか。」

深く考える，または話し合う

生徒が質問したらすぐに記憶や知識から答えるよりも，預言者の言葉に目を向けさせる方がよいのはなぜでしょうか。
生徒を預言者の言葉に向かせることについて，どのようなことを学んでいますか。

取り入れる

上記の質問の一つ，または自分で考えた同様の質問を，翌月のクラスで定期的に使う練習をします。何が起こるか確認します。生徒と自分自身に忍耐強くあってください。啓示された言葉の中から正しい答えを見つけるのが上手になるよう生徒を助けるとき，物事がどのように改善されるか見てみましょう。

次回のプログラム管理者とのミーティングでは，進捗状況を共有します。

さらに深く知る

マッコンキー長老は次のように言いました。「どのような時代にも，主の民が危機に瀕したときは，主が彼らに必要な導きを与えてこられました。将来にもきっと，天から降り注ぎ，預言者の口から発せられる神の英知によらなければ，神の民が救われない時がやってくることでしょう。」(キャロル・F・マッコンキー「預言者の言葉に従って生活する」『リアホナ』2014年11月号，79）

預言者の答えがいかに明快であるかを示す例

ダリン・H・オークス「主を信頼する」『リアホナ』2019年11月号