1 地ちの果はての人ひと々びとがあなたの名なを尋たずね，愚おろかな者ものはあなたをあざ笑わらい，地じ獄ごくはあなたに激げき怒どするであろう。

2 一いっ方ぽう，心こころの清きよい者ものと，知ち恵えのある者ものと，高こう潔けつな者ものと，徳とく高たかい者ものは，絶たえずあなたの手てから助じょ言げんと権けん能のうと祝しゅく福ふくを求もとめるであろう。

3 あなたの民たみが，裏うら切ぎり者ものの証あかしによってあなたに背そむくことは決けっしてない。

4 あなたは裏うら切ぎり者ものの影えい響きょうにより苦く難なんの中なかに，また格こう子しと壁かべの中なかに投なげ込こまれるが，それでもあなたは尊そん敬けいされるであろう。そして，つかの間まにして，あなたの声こえは，あなたの義ぎのゆえに，あなたの敵てきの中なかでどう猛もうなライオンよりも恐おそろしいものとなる。そして，あなたの神かみは，とこしえにいつまでも，あなたの傍かたわらに立たつであろう。

5 たとえあなたは艱かん難なんを経けい験けんするように定さだめられても，たとえ偽にせ兄きょう弟だいの難なんに遭あっても，たとえ強ごう盗とうの難なんに遭あっても，たとえ陸りく上じょうや海かい上じょうの難なんに遭あっても，

6 たとえあらゆる偽いつわりの罪ざい状じょうで告こく訴そされても，たとえあなたの敵てきがあなたを襲おそっても，たとえ彼かれらがあなたの父ちちと母ははと兄きょう弟だいと姉し妹まいの交まじわりからあなたを引ひき離はなしても，また，たとえあなたの敵てきが抜ぬき身みの剣つるぎをもってあなたを妻つまと子こ供どもたちから引ひき離はなし，六歳さいにすぎないあなたの年ねん長ちょうの息むす子こがあなたの服ふくにすがりついて，「お父とうさん，お父とうさん，なぜ一いっ緒しょにいられないの。ああ，お父とうさん，この人ひとたちは何なにをしようとしているの」と叫さけんでも，そしてその後のちたとえ彼かれが剣つるぎをもってあなたから引ひき離はなされ，あなたが獄ごくに引ひきずり込こまれ，あなたの敵てきが子こ羊ひつじの血ちを求もとめるおおかみのようにあなたの周まわりをうろついても，

7 また，たとえあなたが穴あなの中なかに投なげ込こまれたり，殺さつ人じん者しゃの手てに渡わたされたりして，死し刑けいの宣せん告こくが下くだされても，たとえあなたが深ふかみに投なげ込こまれても，たとえ寄よせて来くる大おお波なみがあなたを巻まき込こもうとしても，たとえ暴ぼう風ふうがあなたの敵てきとなっても，たとえ天てんが暗あん黒こくを集あつめ，すべての元げん素そが結けっ束そくして道みちをふさいでも，また何なににも増まして，たとえ地じ獄ごくの入いり口ぐちが大おお口ぐちを開あけてあなたをのみ込こもうとしても，息むす子こよ，あなたはこのことを知しりなさい。すなわち，これらのことはすべて，あなたに経けい験けんを与あたえ，あなたの益えきとなるであろう。

8 人ひとの子こはこれらすべての下したに身みを落おとした。あなたは人ひとの子こよりも大おおいなる者ものであろうか。

9 それゆえ，あなたの道みちに踏ふみとどまりなさい。そうすれば，神しん権けんはあなたとともにある。彼かれらの限げん界かいは定さだめられており，彼かれらはそれを越こえることはできない。あなたの命めい数すうは知しられており，あなたの寿じゅ命みょうが短みじかくされることはない。それゆえ，人ひとのなし得うることを恐おそれてはならない。とこしえにいつまでも，神かみはあなたとともにいるからである。