1 神かみの業わざと計けい画かくと目もく的てきがくじかれることはあり得えず，またそれらが無むに帰きすることもあり得えない。

2 神かみは曲まがった道みちを歩あゆまず，右みぎにも左ひだりにも曲まがらず，また述のべたことからそれることはない。それゆえ，神かみの道みちはまっすぐであり，その道みちは一つの永えい遠えんの環わである。

3 覚おぼえておきなさい。くじかれるのは神かみの業わざではなく，人にん間げんの業わざであることを覚おぼえておきなさい。

4 たとえある人ひとが多おおくの啓けい示じを受うけ，多おおくの力ちからある業わざを行おこなう力ちからを持もつとしても，もし自じ分ぶんの力ちからを自じ慢まんし，神かみの勧かん告こくを無む視しして，自じ分ぶんの思おもいと肉にくの欲よく望ぼうが命めいじることに従したがうならば，彼かれは必かならず落おちて，公こう正せいな神かみの報ほう復ふくを自じ分ぶんに招まねくであろう。

5 見みよ，あなたはこれらのものを託たくされた。しかし，あなたに与あたえられた戒いましめは何なんと厳きびしかったことか。また，戒いましめに背そむかないという条じょう件けんであなたに与あたえられた約やく束そくも思おもい出だしなさい。

6 また見みよ，あなたは何なんとしばしば神かみの戒いましめと律りっ法ぽうに背そむき，人ひと々びとの説とき伏ふせに乗のってきたことか。

7 見みよ，あなたは人ひとを神かみよりも恐おそれてはならなかった。たとえ人ひと々びとが神かみの勧かん告こくを無む視しし，神かみの言こと葉ばを軽かろんじても，

8 それでも，あなたは忠ちゅう実じつでなければならなかった。そうすれば，神かみはその腕うでを伸のべて，敵てき対たいする者ものの放はなつすべての火ひの矢やからあなたを助たすけたであろう。また，苦く難なんのときには，いつもあなたとともにいたであろう。

9 見みよ，あなたはジョセフである。あなたは主しゅの業わざを行おこなうために選えらばれた。しかし，背そむきのゆえに，あなたは用よう心じんしなければ落おちるであろう。

10 しかし，神かみは憐あわれみ深ぶかいということを覚おぼえておきなさい。それゆえ，あなたが行おこなったことで，わたしがあなたに与あたえた戒いましめに反はんする行おこないを悔くい改あらためなさい。そうすれば，あなたはまだ選えらばれた者ものであって，再ふたたび業わざに召めされる。

11 こうしなければ，あなたは見み放はなされてほかの人ひと々びとと同どう様ようになり，もう賜たま物ものを持もつことはなくなるであろう。

12 また，あなたは，神かみから与あたえられた眼がん力りきと力ちからによって翻ほん訳やくしたものを引ひき渡わたしたとき，悪あく人にんの手てに神しん聖せいなものを引ひき渡わたしたのである。

13 彼かれは神かみの勧かん告こくを無む視しし，神かみの前まえで交かわした最もっとも神しん聖せいな約やく束そくを破やぶり，自じ分ぶんの分ふん別べつに頼たより，自じ分ぶんの知ち恵えを自じ慢まんした。

14 この理り由ゆうで，あなたはしばらくの間あいだ特とっ権けんを失うしなうことになった。

15 導みちびきを与あたえる者ものの勧かん告こくが踏ふみにじられるのを初はじめから許ゆるしたからである。

16 それでも，わたしの業わざは進すすみ行ゆく。ユダヤ人じんの証あかしによって救すくい主ぬしのことが世よに知しられるようになったが，まさにそのように，救すくい主ぬしのことがわたしの民たみにも知しられるようになるであろう。

17 すなわち，ニーファイ人じんと，ヤコブ人じんと，ヨセフ人じんと，ゾーラム人じんに，彼かれらの先せん祖ぞの証あかしによって知しられるようになるであろう。

18 また，この証あかしはレーマン人じんと，レムエル人じんと，イシマエル人じんにも知しられるようになるであろう。彼かれらは先せん祖ぞの罪ざい悪あくのゆえに不ふ信しん仰こうに陥おちいった者ものたちであり，彼かれらの先せん祖ぞは主しゅから許ゆるされて，同胞はらからであるニーファイ人じんをその罪ざい悪あくと忌いまわしい行おこないのゆえに滅ほろぼした者ものたちである。

19 そして，まさしくこの目もく的てきのために，すなわち，主しゅがその民たみに与あたえた約やく束そくが果はたされるために，これらの記き録ろくが載のせられている版はんは保ほ存ぞんされているのである。

20 また，レーマン人じんが彼かれらの先せん祖ぞについての知ち識しきを得え，主しゅの約やく束そくを知しり，そして福ふく音いんを信しんじてイエス・キリストの功く徳どくに頼たより，イエス・キリストの名なを信しんじる信しん仰こうによって栄えい光こうを得え，また悔くい改あらためることによって救すくわれるためである。アーメン。