天の窓

カルロス・G・レビロ・ジュニア長老

七十人

什分の一の律法に従って生活することで，わたしは生涯にわたって祝福を受けてきました。

わたしの両親が末日聖徒イエス・キリスト教会に改宗したとき，父には安定した収入がありませんでした。当時，今日と同じように，フィリピンには多くの貧困がありました。仕事を見つけるのは大変でした。

そこで父は祈り，自分は什分の一の律法に対する証はあるけれども，それに従って生活できるように職を見つける必要があることを神に伝えました。父は生涯にわたって正直に什分の一を納めると，天の御父に約束しました。

さて，父はほんとうに職を得ました。地元のコカコーラ製造工場で，清掃員としての仕事を見つけたのです。什分の一を納め始めると，父の生活に変化が起こっていきました。

計り知れないほどの祝福

以前は，わたしたちは教会に歩いて行かなければなりませんでした。公共交通機関の運賃を払えるだけのお金がなかったからです。それが変わり始めました。父は質素な仕事に熱心に取り組み，少しずつ昇進していき，最終的には営業部長になりました。食べ物だけでなく，交通機関に支払う余裕ができました。ほんとうに奇跡だったことの一つは，両親の6人の子供全員が大学に行き，卒業できたことです。

その奇跡については，父の職場の同僚たちでさえも驚いたようでした。「子供たちを全員大学に行かせることがどうしてできるんですか」と，彼らは父に尋ねるのでした。「あなたの稼ぎはわたしたちと同じですよね。つじつまが合いません！」

父はいつもほほえんで，こう言うのです。「福音に従った生活のおかげで祝福を受けてきたのです。什分の一を納めているおかげで祝福を受けてきたのです。」

約束と守り

旧約聖書の預言者マラキは次のように教えています。「十分の一全部をわたしの倉に携えてきなさい。これをもってわたしを試み，わたしが天の窓を開いて，あふるる恵みを，あなたがたに注ぐか否かを見なさいと，万軍の主は言われる。」（マラキ3：10）

わたしは，この戒めに従って生活することによって自分と家族が物質的にも霊的にも祝福を受けるのを目の当たりにしてきました。人生の中で幾度か，身体的または霊的な危険から守られたこともあります。什分の一を忠実に納めていたために主が守ってくださったのだと，わたしは信じています。

什分の一を納めるのが難しいとき

フィリピンでは，至る所で貧困を目にしました。わたしは多くの教会員に，たとえ容易でないときにも什分の一と献金を納めることの大切さについて助言しました。

教会に入ったばかりのある男性のことが思い出されます。当時，わたしは彼のステーク会長でした。「会長，どうすれば什分の一を納められるでしょうか」と，彼は尋ねました。「わたしの収入では，すでに十分な食糧さえ買えていないのです。」

その善良な兄弟は三輪自動車の運転手で，必死に働いて稼ぎを得ていました。「什分の一を納めるには信仰が求められます」とわたしは答えました。「でも什分の一の律法に従って生活するとき，主はあなたを祝福してくださると約束します。」

男性は什分の一を納めました。数か月後，わたしは再びこの兄弟と会いました。ほんとうに主は必要なものをすべて与えてくださったと，彼は話してくれました。

ゴードン・B・ヒンクレー大管長（1910－2008年）は，かつてフィリピンを訪れ，そこで目にした貧困に心を痛めました。ヒンクレー大管長はこう言いました。「もしこの人々が福音を受け入れ，その教えに従って生活し，さらに什分の一と献金を納めるならば，たとえ，その額がわずかであったとしても，主は，昔人々と交わした約束を今でも守ってくださると，わたしは心の底から信じています。そうすれば，人々の鉢には米が，体には衣服が，そして，頭上には雨露をしのぐ住まいが与えられることでしょう。」¹

わたしはその約束が成就するのを見てきました。

献金が及ぼす影響

献金についての考えを分かち合いたいと思います。青少年の中には，断食献金や人道支援のための献金，そのほかの献金によってすばらしいことがもたらされるのを知らない人もいるかもしれません。しかしわたしは，それらの献金が及ぼす影響をフィリピンで目の当たりにしました。

断食献金のおかげで家族が飢えから救われるのを見てきました。加えて，人道支援やそのほかの献金を通して多くの善が行われています。例えば，人道支援のために一食分の食費を献金することで，世界の別の地域にいる家族が一日分またはそれ以上の食物を得られるかもしれません。

あなたが什分の一と献金の律法に従って生活するとき，主が天の窓を開いて「あふるる恵みを，あなたがたに注〔がれる〕」ことを，マラキとともに証します。

必要なのはイエス・キリストを信じる信仰だけです。