わたしたちのスペース
正しい誤答
高校で哲学のクラスを履修登録したとき,父は少し心配していました。哲学においては,すべてが疑問の対象とされ,神の存在ですらそうだったからです。わたしの教師は,宗教に反対したり,神の存在を否定したりするようなことを教えました。
ある哲学の試験で次のような設問がありました。「わたしたちはなぜこの地上に来たのでしょうか。」わたしが書くべき解答は,「自己実現をし,様々な生き方の中で自分の居場所を確立する」というものでした。しかし,その答えは自分が信じているものではなかったので,そのようには書きませんでした。
その代わりにこう書きました。「わたしたちは試しを受け,天の御父のもとに戻り,わたしたちの家族とともに永遠に住むことができるように地上に来ました。」
後になって教師から呼ばれ,わたしがその質問の正解を知っていたか聞かれました。わたしは,知っていたけれど,真実ではないと自分で分かっていることを書くつもりはなかったと教師に伝えました。
彼は,わたしが宗教を信じているのか,またどの教会に属しているのか尋ねました。わたしは,自分が末日聖徒イエス・キリスト教会の会員であると伝えました。彼は,それほどまでに自分の信念を固く守り,勇敢にもこのような答えを書いた宗教心のある学生は,これまで見たことがないと言い,こう付け加えました。
「君の答えは正解ではなかったので,満点を与えることはできないが,自分の信じていることについて勇敢に書いたことに対して得点をあげよう。」
わたしは自分が確信し,それに添って生活しようと努めている福音の真理に従って答えることができたので,うれしく思いました。
ベンジャミン・(チリ)M
神殿の光
何年か前の夏,ワードの若い男性たちでマウンテンバイクに乗って出かけました。わたしは初めてだったので,少し緊張していました。友人のジェーコブはマウンテンバイクに慣れているので,彼の近くにいるようにしました。
頂上での短い休憩の後,わたしたちは山を下り始めました。わたしはグループのみんなより遅れていましたが,何度か急なカーブで転んでしまったため,さらに遅れてしまいました。ジェーコブは,わたしが転ぶ度に止まって助けてくれて,わたしたちはほかのみんなに追いつこうと頑張っていました。
日が沈むころには,わたしたちが明らかに道に迷ってしまったことが分かりました。グループのメンバーを最後に見かけたのは30分以上も前で,辺りはだいぶ暗くなり,道がほとんど見えないほどでした。わたしは,先に進めるように,助けと勇気を求めて天の御父に祈りました。ジェーコブとわたしは,ある方向に引き続き進むことを決めました。角を曲がると,最も輝かしく,見覚えのある景色が見えました。ユタ州ドレーパー神殿です。神殿に反射する光が道を照らし,わたしたちは指導者や友人のもとに無事にたどり着くことができました。
神殿を見る度に,そこで受けることができる平安と助けについて思い起こします。この世の暗闇の中で迷うときはいつも,必要な光を神殿に見いだすことができます。
ジョエル・G(アメリカ合衆国ユタ州)
新しい友人を作る
わたしはテーブルに座って友人と昼食を食べているときに,見慣れない少年に気がつきました。マイケルです。彼は年上のグループの少年たちと座ろうとしましたが,彼らはマイケルをからかい始めました。わたしはマイケルには自閉症があることを後で知りました。
マイケルに,もしよかったらわたしたちと一緒に座らないか尋ねました。彼はわたしたちの誘いを断りました。またからかわれるのではないかと恐れを感じたのかもしれません。
翌日,わたしはマイケルを友人たちに紹介しました。わたしが彼のことを諦めなかったことを,喜んでくれているのが分かりました。彼はたくさんの話題を提供してくれました。すばらしい人でした。
日ごとに,マイケルが幸せそうになっていくのが分かりました。彼は友人とお昼を食べるのを楽しみにするようになりました。マイケルと昼食で一緒に座るようになって,すぐに有意義な友情が芽生えました。それはマイケルだけでなく,わたし自身にとっても助けとなりました。
ほかの人々に仕えることを通じて感じる気持ちは,何ごとにも代え難いものです。
ローラ・P(アメリカ合衆国,イリノイ州)