セミナリー
霊的な知識を得る,第2部:「永遠の視点から概念や疑問について調べる」


「霊的な知識を得る,第2部:『永遠の視点から概念や疑問について調べる』」 『モルモン書 教師用手引き』(2024年)

「霊的な知識を得る,第2部」『モルモン書 教師用手引き』

モルモン書の説明

霊的な知識を得る,第2部

永遠の視点から概念や疑問について調べる

生徒たちが話している画像

マスター教義の目的の一つは,よりイエス・キリストのようになるために,霊的な知識を得るための原則を学び,応用できるよう助けることです。この課の目的は,永遠の視点から概念と疑問について調べ,もっと救い主と同じようにそれらを見るよう助けることです。

マスター教義におけるあなたの役割を理解する。セミナリーおよびインスティテュートの教師に向けた話の中で,十二使徒定員会のM・ラッセル・バラード会長はマスター教義についてこう教えています:「このプログラムは霊感に基づき,時宜にかなっています。教会の若人にすばらしい影響を及ぼすことでしょう。しかし,『マスター教義』が成功するかどうかは,〔セミナリーおよびインスティテュート〕におけるすべての学習プログラムと同様,大いに,皆さんの働きにかかっています。」(「21世紀においてCES教師に与えられている機会と責任」〔中央幹部との夕べ,2016年2月26日〕,broadcasts.ChurchofJesusChrist.org

生徒の準備:生徒に,個人的な祈りの中で,救いの計画を知っていることを天の御父に感謝を伝えるよう招くとよいでしょう。また,その知識をどのように善いことに活用できるかを,天の御父に尋ねるよう招くのもよいでしょう。

学習活動案

霊的な知識を得るための原則

わたしたちが人生で試練に遭ったり,答えの見つからない疑問にぶつかったりするときには,霊的な知識を得るための次の原則が助けになります:

  1. 信仰をもって行動する。

  2. 永遠の視点から概念や疑問について調べる。

  3. 神が定められた情報源を通してさらに理解を深める。

この課では,永遠の視点から概念や疑問について調べることに焦点を当てます。

限られた視野

以下のような活動を使って,何かを理解するうえで視点と文脈がなぜ重要なのかを生徒に話し合ってもらいます。

生徒を二人募って,クラスの前に出て来てもらいます。中央に小さな穴が一つ開いた紙を1枚ずつ渡します。紙を片目にあてて,見通せるかどうか尋ねます。次に,紙を目にあてたまま,柔らかい物を使ってキャッチボールしてもらいます。もし苦労するようであれば,さっき見えることを確認していたのに,それでもなぜキャッチボールをすることが難しかったのか聞きます。

  • このことは,救いの計画を一部しか知らない状態で,人生を変える決断をしたり,重要な疑問に答えたりするのが難しいのとどのように似ていますか。

より完全な視野を持つことは,わたしたちが周りの世界と接するときに役に立ちます。同様に,永遠の視点を持つことが,わたしたちが霊的な知識を得るうえで役に立ちます。

『マスター教義に関する基本文書』(2022年)の「霊的な知識を得る」の項の第8段落の,次の文に印をつけるとよいでしょう:「教義的な概念や疑問,社会問題について永遠の視点で調べるには,わたしたちはそれらを,救いの計画や救い主の教えに照らして検討します。

生徒が以下の段落を読む前に,霊的な知識を得るための原則について知っていることを要約してもらいます。

第8-10段落を研究し,概念と疑問を永遠の視点で調べるのに役立つものを探してください。

生徒に,特定の言葉や語句に印をつけ,見つけたことを報告してもらいます。天の御父とイエス・キリストが永遠の視点で物事を見ておられることを生徒が理解できるよう,フォローアップの質問をします。わたしたちの人生でこのことを実践する方法を学べば,より御二方に近づく助けとなります。以下の質問が役立つかもしれません。

  • 救い主が地上の多くの人々と異なる見方をされているであろう問題や疑問には,どのようなものがあるでしょうか。

  • 救いの計画という概念を基に概念や疑問を調べることは,わたしたちがより天の御父とイエス・キリストのように物事を見るうえでどのように役立ちますか(モーサヤ4:9参照)。

  • なぜそうすることを学び,訓練し,人生で活用することが,重要なスキルとなり得るのでしょうか。

聖典にある例

アルマ(息子アルマ)は,息子のコリアントンが悩んだ難しい問いに答えながら,永遠の視点で物事を見る方法を教えています。

アルマ40:142:1を読み,コリアントンが抱えていた懸念を二つ見つけてください。その懸念を自分の言葉で言い換えるとよいでしょう。

次に,アルマ404142章の章の頭書きを読み,要約から,コリアントンが懸念に対処する際にアルマが教えたことを確認してください。アルマの教えにある救いの計画の要素を見つけてください。

  • 救いの計画のどの要素が見つかりましたか。

  • それは,コリアントンが自らの懸念点を永遠の視点から見るのにどのように役立ったでしょうか。

見方を変える

指でフレームを作っている女性

両手の人差し指と親指でフレームの形を作ります。何か室内にあるものを,写真の題材として選んでください。

  • フレームの中に何を入れることにしましたか。それはなぜですか。

  • 写真の中に入れることを選ばなかったものは何ですか。それはなぜですか。

写真と同じで,疑問にもフレームや背景があります。フレームはその人の信条や仮定を現すので,ある視点だけから疑問を見ることにつながります。時にその信条や仮定は,誤解や事実でないことに基づいています。そのような場合は,リフレーム(別の見方をすること)するとよいでしょう。別の見方をするとは,これらの信条や思い込みを,救いの計画と救い主の教えに照らして考え直すことです。

大管長会のダリン・H・オークス管長は,次のように教えています:

「わたしたちは,神が明らかにされたこの計画とそのほかの真理を知っているため,これを知らない人々とは異なる前提から始めます。その結果,わたしたちは,人々がこの現世についての自分たちの見解によってのみ判断している多くの重要な事柄について,異なる結論にたどり着きます。」(ダリン・H・オークス「人,その心に思うがごとく」 〔中央幹部との夕べ,2013年2月8日〕,broadcasts.ChurchofJesusChrist.org)

アードリという友達が,「もしほんとうに愛にあふれる神様がいるなら,どうして人が苦しむのを放っておくの?」と尋ねたと想像してください。

ChurchofJesusChrist.orgにあるビデオ「永遠の視点から疑問について調べる」(2:55)を見て,この懸念を別の見方で捉えた例を確認するとよいでしょう。

2:58

アードリの疑問を別の見方で捉える練習ができるよう,時折ビデオを止めるとよいでしょう。以下は,推奨するタイムコード2か所と質問です:

  • 1:12—ほかのどのような信条や仮定から,アードリはこの疑問を抱いたのでしょうか。

    2:58
  • 1:57—アードリの疑問の背後にある信条や仮定に対して答えることができる,あなたが知っている真理にはどのようなものがありますか。

    2:58

以下のような質問は,生徒がリフレームするスキルをどの程度理解しているか,確認するのに役立ちます。

  • アードリが神への疑問を持つうえで影響した信条や仮定について考えることが,なぜ役立つと思いますか。

  • 天の御父と主の計画について知っているわたしたちは,なぜこの疑問を違う視点から見ることができるのでしょうか。

  • あなたは,リフレームすることで困難な疑問を解決することに自信はありますか。そうすることへの疑問や懸念があるとしたら,それは何ですか。

時間が許せば,生徒自身の疑問や懸念でリフレームするスキルを練習してもらうとよいでしょう。その練習方法は,「補足学習活動」の項を参照してください。

あなたが永遠の視点から問題や懸念を見た個人的経験を,共有するとよいでしょう。

リフレームの練習の機会は,セミナリーや実人生で数多くあるでしょう。あなたが聖霊の助けを求め,救いの計画とキリストの教義に対する理解を広げるにつれて,永遠の視点から概念と疑問を調べるスキルは高まります。それは,あなたが自分の知っていることを共有し,困難な質問や懸念についてほかの人を助ける自信を築くことにもつながります。