セミナリー
ヤコブ7章:イエス・キリストへの揺るぎない信仰


「ヤコブ7章:イエス・キリストへの揺るぎない信仰」『モルモン書 教師用手引き』(2024年)

「ヤコブ7章」『モルモン書 教師用手引き』

ヤコブ7章

イエス・キリストへの揺るぎない信仰

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もしあなたが,今の世の中には,救い主の教会の会員の信仰を意図的に揺さぶろうとしている人がいると感じているなら,それは間違いではありません。それは目新しいことでもありません。ニーファイの民の中には「民の心を惑わそうと熱心に努めた」(ヤコブ7:3)シーレムという男がいました。この課は,イエス・キリストとその福音を信じる信仰に対する問題を克服できるよう備えるのに役立ちます。

聖句の内容を生徒が理解できるようにします。聖文の内容とは,話の流れ,人物,出来事,説教,説明からなります。これらの要素を理解することは,生徒が聖句の登場人物を自分に結びつけ,記された霊感による説教から教化されます。

生徒の準備:生徒に,ほかの人から難しい思いをさせられたにもかかわらず信仰が揺るがない人の例を分かち合う準備をして,クラスに来てもらいます。

学習活動案

今後の課題に備える

以下の言葉を分かち合う前に,「現代でイエス・キリストの勇敢な弟子になることの難しさは,1-10の尺度でどのくらいだと思いますか」と質問するとよいでしょう。生徒に,伸ばした指の本数で答えを示してもらい,続いてその理由を数人の生徒に分かち合ってもらうとよいでしょう。

ラッセル・M・ネルソン大管長は,わたしたちが直面するであろう難しい問題について次のように分かち合っています:

「困難な時代が来るからです。将来,忠実な末日聖徒でいることは容易でなくなり,大衆に好まれることもほとんどないでしょう。一人一人が試しを受けます。使徒パウロは,末日には主に熱心に従う人々は『迫害を受ける』(2テモテ3:12)と警告しています。まさにその迫害により,打ちひしがれて黙り込んでしまう可能性もあれば,それをきっかけに奮い立ち,日常生活でもっと模範と勇気を示す人になることもできます。」(ラッセル・M・ネルソン「信仰をもって将来に臨む『リアホナ』2011年5月号,35-36)

  • ネルソン大管長のこの話は2011年のものです。あなたがこの話にあることを,もう経験している,あるいは見ているとしたら,それはどのようなことでしたか。

  • なぜ,回復されたイエス・キリストの福音に忠実であり続けることが,今後ますます好まれなくなるのでしょうか。あなたが,それでも福音に忠実であり続ける価値があると思っているのはなぜですか。

  • なぜ主はこれらの困難について,わたしたちに前もって教えてくださるのだと思いますか。

イエス・キリストの福音に対するあなたの現在の証の強さと,将来の困難な日々に主に忠実であり続ける準備がどの程度できているかを,1分間深く考えてください。ヤコブ7章を研究しながら,シーレムという邪悪な男が信仰を揺るがそうとしたとき,忠実であり続けるようにヤコブがどのように自分自身を備えたのかを探してください。

シーレム,キリストを否定する説教を行う

ヤコブ7:1-7を読むか,ビデオ「シーレム,キリストを否定する」のタイムコード0:33-2:21を見てください。ビデオは次のウェブサイトにあります:ChurchofJesusChrist.org.ニーファイ人のキリストへの信仰を揺るがそうとして,シーレムが教えたことを探してください。

  • シーレムは,ニーファイ人のキリストへの信仰を揺るがそうとして何を教えましたか。

  • 現代で,キリストの弟子たちの信仰を揺さぶる人々は,どのような手段を取るでしょうか。

生徒に,以下について心の中で深く考えてもらいます:

あなたの身近な人が,ほかの人の影響を受けて,イエス・キリストと主の回復された福音への信仰を疑い始めたのをこれまでに見たことがあるかどうか深く考えてください。あなた自身の信仰が,だれかから揺さぶられたことに気づいたことはありますか。

ヤコブの信仰は揺るがない

以下の聖句を,生徒に少人数のグループに分かれて読んでもらうとよいでしょう。次に,各グループに代表者を選んでもらい,ヤコブの例から学んだことをホワイトボードに書いてもらいます。生徒は以下のような真理を見つけるでしょう:信仰が揺さぶられたときにわたしたちがするべきこと,言うべきことは,御霊の助けで知ることができる,そしてキリストに対する信仰を強めるために,預言者の教えに頼ることができる

生徒が分かち合う際に,マスター教義聖句と霊的な知識を得るための原則を研究することで,イエス・キリストへの信仰に対する困難に耐える準備ができることを思い出してもらうとよいでしょう。

ヤコブ7:5,8-12を読み,シーレムの教えを否定する際,何がヤコブの役に立ったかを探してください。

5節から学ぶことができる一つの原則は,わたしたちは自分の信仰を強めた霊的な経験を覚えておくことで,イエス・キリストへの信仰に対する困難を克服できる,ということです。

  • ヤコブが覚えていたことで,この問題の中で彼の助けとなった具体的なことは何ですか。

  • 自分の信仰が揺さぶられたときに,なぜ霊的な経験の記憶がわたしたちを強くするのでしょうか。

十二使徒定員会のニール・L・アンダーセン長老は,次のように教えています:

「聖霊から受ける平安な導きに加え,神は,わたしたちを御存じで愛しておられ,わたしたちを具体的かつ公に祝福してくださるということを,時折,わたしたちに力強く,非常に個人的に確信させてくださいます。そして,わたしたちが困難の中にあるとき,救い主はこれらの経験を思い出させてくださるのです。……

神聖な記憶を大切にしてください。それらを信じ,書き留め……てください。人生において霊的に重要な出来事を大事に心にとどめておくならば,そのような出来事がさらにもたらされることを約束します。天の御父は皆さんを御存じで愛しておられます。」(ニール・L・アンダーセン「人生にとって霊的に重要な記憶『リアホナ』2020年5月号,19,21-22)

以下のアイデアを使う場合は,生徒が深く考え,祈り,自分の気持ちと経験を記録する時間を十分に取ってください。その後,生徒を募り,神聖すぎない体験を分かち合ってもらいます。あなた個人の神聖すぎず,特殊すぎない例を分かち合い,生徒があなたの体験を自分に当てはめられるようにするとよいでしょう。

しばらく時間を取り,神があなたを御存じで愛しておられるという確信を与えてくださったときの,自分の気持ちや経験を思い出してください。それらを幾つか学習帳か聖典に記録しておきましょう。そのような経験を思い出すのに助けがいる場合は,将来気がついたり思い出せるように,天の御父に祈り,助けを求めましょう。主は主御自身の時にかなって,主の方法でそうしてくださるでしょう。

ビデオ「人生にとって霊的に重要な記憶」のタイムコード13:40-14:46を見るとよいでしょう。アンダーセン長老の説明は,試練のときに霊的な記憶がいかにわたしたちやほかの人々の道を照らすかを示しています。ビデオは次のウェブサイトにあります:ChurchofJesusChrist.org.

以下のことを提案する際は,生徒が大切な人に携帯電話かパソコンでメールを送る時間を数分取るとよいでしょう。神聖な経験には,心のうちにとどめておくべきものもあると,生徒に指摘しておくとよいでしょう。

あなたの知人で,あなたの経験を聞くことで強くなれそうな人のことを深く考えてください。その経験をその人に分かち合う方法を見つけるとよいでしょう。

また,あなたにとって大切な人や教会指導者で,その人の信仰や経験があなた自身の信仰を強くしてくれそうな人についても考えてください。その人に助けを求めるとよいでしょう。

神からのしるし

ヤコブ7:13-23を読むか,ビデオ「シーレム,キリストを否定する」のタイムコード2:22-7:16を見て,シーレムに何が起こったのかを学びましょう。

以下の質問を表示して,生徒が深く考える時間を取るとよいでしょう。次に,生徒を募って答えを分かち合ってもらいます。

  • なぜヤコブは,現代のわたしたちのためにこの話を記録したのだと思いますか。

  • 天の御父は,あなたが今直面している状況に,あなたが今日学んだことをどのように応用することを望んでおられると思いますか。

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