セミナリー
ヒラマン3,6章:「このことから分かる」


「ヒラマン3,6章:『このことから分かる』」『モルモン書 教師用手引き』(2024年)

「ヒラマン3,6章」『モルモン書 教師用手引き』

ヒラマン36章

「このことから分かる」

執筆中に深く考えるモルモン

数百年後の未来に生きる人々を助けるために手紙を書くと想像してください。預言者モルモンは,まさにそのようなことをしました。ニーファイ人の歴史を短くまとめて金版に刻んだとき,「このことから分かる」といった言葉を使って重要な真理を指摘することが時折ありました。モルモンが強調した真理は,今日のわたしたちが直面する課題を解決するのに役立ちます。この課は,聖文から真理を見いだし,その真理が生活にどのように影響するかを分析するのに役立ちます。

生徒が,重要な言葉と表現から学ぶのを助ける。聖文の中の言葉と表現には,読者に文脈的な手がかりを提供するものもあります。今日でも通用する重要な教義や原則を指す言葉を見分けられるよう,生徒を助けます。

生徒の準備:生徒に,個人または家族での聖文研究中に,重要な真理を一つか二つ見つけてもらいます。聖文から意義深い真理を見つける方法を説明する準備をしてもらいます。

学習活動案

サバイバルガイド

レッスンの最初に,聖文が自分の生活にどのように役立つかを生徒が考える助けとなる活動を行います。これは,生徒がより熱心に聖文から教義や原則を探求する意欲を高める助けとなるでしょう。次に挙げるのは,これを行う方法の一例です。

  • もし,12歳,13歳向けの学校生活のサバイバルガイドを書くように頼まれたら,どのようなことを含めますか。

あなたの人生のサバイバルガイドについて,ラッセル・M・ネルソン大管長が語った次の言葉を読んでください:

「〔モルモン書〕を書いた預言者たちは,主から霊感を受けて現代を見ており,最もわたしたちのためになる教義と真理を選りすぐっています。モルモン書は,末日を生き抜くためのガイドブックなのです。」(ラッセル・M・ネルソン「信仰をもって将来を待ち望む『リアホナ』2020年11月号,75)

  • 聖文で見つけた教義と真理は,霊的に生き抜いていくためにどのように役立っていますか。何か最近の事例を思いつきますか。

ヒラマン3章6章を研究するとき,聖文から教義と原則を見いだす練習をする機会があります。これにより,より意義深い聖文研究ができ,自分と自分の家族がよりキリストに近づく助けとなります。

「このことから分かるように……」

ヒラマン1-6章に記録されているすべての争いのさなかにも,一時的な平穏の時がありました。ヒラマン3章では,何千もの人々がバプテスマを受けて教会に入り,教会は繁栄しました。ヒラマン6章では,多くのレーマン人が改宗した後,ニーファイ人とレーマン人の両者が主に立ち返ることで一致して生活していました。これらの二つの章では,モルモンはニーファイ人の歴史の語りを一時中断して,重要な教義と真理の原則を強調しています。モルモンはこれを「このことから分かる」という言葉を使って行いました。

以下の活動は,生徒が教義や原則を見いだすのに役立つ言葉や表現を見つけ,それらの真理が自分の生活にどのような影響を与えるかを知る訓練をすることを目的としています。

生徒に少人数のグループまたは二人一組に分かれてもらったうえで手順を表示し,その手順に従ってもらうとよいでしょう。

ヒラマン3:27-306:34-36を読み,「これによって分かる」や「このことから分かる」という言葉で示される真理を特定してください。そうした真理は,聖典で印をつけたり,学習帳に自分自身の言葉で記録したりするとよいでしょう。

生徒は様々な言葉を使うと思われますが,次のような原則を見つけるでしょう:

  • 主は,真心から主を呼び求めるすべての人に憐れみをかけてくださるヒラマン3:27参照)。

  • 天の門はイエス・キリストを信じるすべての人に開かれているヒラマン3:28参照)。

  • 望む者はだれでも,神の王国に導く神の言葉を研究することができるヒラマン3:29-30参照)。

  • 神をよく知れば知るほど,神の戒めを守ることができるようになるヒラマン6:34参照)。

  • わたしたちが邪悪で心をかたくなにするなら,主の御霊はわたしたちから去ってしまうヒラマン6:35参照)。

  • わたしたちが主の言葉を喜んで信じるなら,主は御霊を注いでくださるヒラマン6:36参照)。

これらの原則の一つまたは複数を深く研究することが生徒にとって有益である場合は,「注釈と背景情報」と「補足学習活動」の項で「福音ライブラリー」アプリまたはオンライン「福音ライブラリー」にあるアイデアを参照してください。

もう一つの方法は,生徒が真理を見いだす練習をする時間をさらに多く取ることです。生徒に,マスター教義聖句,最近自宅で研究したこと,またはその他の好きな聖句を選び,そこから「このことから分かる」という文をほかにも書いてもらいましょう。

次に,見つけた真理の中から一つを選び,その真理が自分を救う場面(霊的な危険,困難,信仰への攻撃)を幾つか挙げてリストにしてください。例えば,わたしたちが主の言葉を喜んで信じるなら,主は御霊を注いでくださるヒラマン6:36参照)という真理を使った場合は,聖文を信じる前に科学的な証拠を必要とする,預言者を信じるよりも世の中の専門家を信じる,霊的な印象よりも論理を信頼する,といった危険を挙げることでしょう。

この課の冒頭にあるネルソン大管長の言葉で述べられているように,モルモン書が末日のサバイバルガイドであることを思い出してください。

手元に用意できる場合は,クレヨン,色鉛筆,またはマーカーを用意して,生徒に,1ページの「サバイバルガイド」を作成してもらいます。以下の活動は,個人またはグループで行うことができます。

リストにした危険,チャレンジ,攻撃のうち一つを紙に書き,続いて「……から生き残る方法」と書いて,文を完成させます。例えば,先ほど見いだした真理を使用するなら,「霊的な印象への攻撃から生き残る方法」と書くことができるでしょう。選んだ真理を使って,1ページのサバイバルガイドを作成してください。その真理が,10代の若者が霊的に生き残るのにどのように役立つかを,絵や言葉で説明してください。以下のアイデアのうち,少なくとも二つをサバイバルガイドに取り入れてください:

  • なぜその真理は,リストにした困難から霊的に生き残るのを助けることができるのか

  • その真理に関連する,またはリストにした困難に役立つ,そのほかの聖句

  • その真理はどのように自分やそのほかの人々をイエス・キリストのもとへ導いたり,主の力を受ける助けとなるか

  • その真理を知らない,またはその真理に従わない場合,人々はどうなるか

  • だれもがこの真理に従って生きることを選択した場合,世界はどのように変わるだろうか

生徒に,作成したサバイバルガイドを別のグループやクラス全体に分かち合ってもらいます。その際,強調した真理に関連する個人的な経験を分かち合ってもらうとよいでしょう。例えば,生徒が,わたしたちが主の言葉を喜んで信じるなら,主は御霊を注いでくださるヒラマン6:36参照)という真理を使った場合は,モルモン書の主の言葉を研究し,応用したとき,主の御霊をどのように感じたかを生徒に尋ねるとよいでしょう。

聖文を研究する際,重要な教義や真理を見つけるよう生徒を促します。神の言葉の力について証してください。