セミナリー
エテル3章:「深い信仰」


「エテル3章:『深い信仰』」『モルモン書 教師用手引き』(2024年)

「エテル3章」『モルモン書 教師用手引き』

エテル3章

「深い信仰」

主の指を見るヤレドの兄弟

あなたは,イエス・キリストを信じる信仰がわたしたちの生活にもたらす違いについて,心から考えたことがありますか。そのすばらしい例が,ヤレドの兄弟です。彼は,自分の問題を解決するための計画を持って主に近づき,「深い信仰」(エテル3:9)をもって謙遜に祈ることで,「目から幕が取り除かれ」(エテル3:6),主と顔を合わせて対話しました。この課の目的は,あなたがイエス・キリストを信じる信仰を謙遜に働かせるのを助けることです。

聖文を教えるときは,イエス・キリストに焦点を当てるようにする。時間を取って,生徒が救い主と主の贖いの力についての真理を認識できるよう助けます。主を信じる信仰を増すような聖句を示します。イエス・キリストがどのように祝福し,強め,導いてくださるかを,生徒が深く考えられるような質問をするとよいでしょう。

生徒の準備:教会歴史や聖典から尊敬する3人の人物を思い浮かべ,これらの人物がどのようにイエス・キリストを信じる信仰を示したかを考えてもらいます。

学習活動案

あなたはどのように信仰を示すか

以下は,イエス・キリストを信じる信仰についてさらに学ぶために生徒が準備するのに役立ちます。生徒に例を挙げてもらう代わりに,レッスンの最後あるビデオを見てもらうか,ジャン・ルーソフの物語を紹介するとよいでしょう。

教会歴史や聖典から,あなたが尊敬する人物を3人挙げてください。

  • これらの人々は,どのような方法でイエス・キリストを信じる信仰を示しましたか。

  • どうすれば,生活の中で自分がイエス・キリストを信じる信仰を働かせていると言えるでしょうか。

  • あなたはなぜ,信仰を働かせたいと思いますか。

二つ目の質問に対する生徒の答えをホワイトボードに書くとよいでしょう。生徒に,これらの答えを深く考え,自分自身の信仰を評価してもらいます。役に立つ場合は,以下の自己評価文の幾つか,または全部を追加し,生徒に記入してもらいます。

あなた自身のイエス・キリストを信じる信仰について深く考える助けとするために,以下の文がどの程度当てはまるか5段階で評価してください(1=まったく当てはまらない,2=時々当てはまる,3=よく当てはまる,4=ほとんど当てはまる,5=常に当てはまる):

  • わたしはキリストを信じ,救い主として受け入れています。

  • 天の御父への心からの祈りを通して,わたしは自分の問題について神とイエス・キリストに助けを求め,御二方の導きと助けを信頼しています。

  • わたしは行動を起こし,主が助けてくださると信じています。

この課を研究しながら,どうすれば謙遜にイエス・キリストを信じる信仰を働かせることができるか,そしてなぜそうしたいのか,学びをさらに深めてください。

信仰を働かせる

前の課で,主がヤレドの兄弟に船を造り,海を渡って約束の地に向かうよう命じられたことを学びました。しかし,船には光がありませんでした。主は,ヤレドの兄弟に解決策を提案するようお求めになりました(エテル2:23参照)。ヤレドの兄弟がイエス・キリストを信じる信仰をもって行動すると,主は彼の問題を解決する助けをお与えになり,彼が求めた以上の方法で祝福を授けられました。

学習帳アイコン次の配付資料を配り,生徒に個人または少人数のグループで記入してもらいます。

ヤレドの兄弟の信仰

『モルモン書 教師用手引き』(2024年)—「エテル3章:『深い信仰』」

以下の各々の絵の下にある聖句を読み,ヤレドの兄弟が信仰を示すために行ったことや述べたことを書いてください。(エテル3:2-3を理解するには,アダムとエバの堕落のために,わたしたちは物理的に神から切り離された世界に生きており,わたしたちは皆罪を犯し,霊的に神から切り離されていることを理解することが重要です。)

エテル3:1

山に登るヤレドの兄弟

エテル3:2-5

山で祈るヤレドの兄弟

エテル3:6-10

主の指を見るヤレドの兄弟

エテル3:11-16,19-20

主と会話するヤレドの兄弟
  • あなたはヤレドの兄弟の経験からどのようなことを学びましたか。

数人の生徒に答えを分かち合ってもらいます。生徒が述べる正しい原則をホワイトボードに書きます。

学ぶことができる一つの原則は,謙遜に主を信じる信仰を働かせるなら,主に近づくことができる,ということです。

生徒がヤレドの兄弟の信仰をよりよく理解できるように,生徒を少人数のグループに分けて,次の4つの活動を行うとよいでしょう。生徒を4人ずつのグループに分け,各生徒に一つの活動を行ってもらいます。その後,生徒はグループ内で学んだことを発表し,役に立つようであれば,クラス全体で重要なポイントを分かち合ってもらいます。

  1. ヤレドの兄弟は「一つの岩から十六個の小さな石を溶かし出し」,それらを持って「山の頂上に登り,再び主に祈って言った。」(エテル3:1)問題解決のために進んで行動し,自分のできることを行うことが,主を信じる信仰の重要な部分であると感じる理由を書いてください。

  2. ヤレドの兄弟は祈ったとき,自分が「〔神〕の御前にあって弱い」(エテル3:2)ことについて話し,謙遜に助けを求めました。自分自身の弱さと,主に完全に頼っていることを理解することが,わたしたちの祈りと主を信じる信仰にどのような影響を与えるかを書いてください。

  3. ヤレドの兄弟が,石が輝くように主に石に触れていただくよう頼んだとき,彼は次のように証しました。「おお,主よ,わたしはあなたが一切の権威をお持ちであり,あなたが人のために望まれることは何でもおできになることを存じています。」(エテル3:4)主がわたしたちの問題を解決する力を持っておられることを,あなたがどのように知るようになったか,あるいは知るようになれるかを書いてください。その知識が,わたしたちの主を信じる信仰にどのように影響を与え得るかを含めるとよいでしょう。

  4. ヤレドの兄弟は,主が将来告げられる言葉を信じると約束しました(エテル3:11-12参照)。なぜヤレドの兄弟は,このことに同意するほど主を信頼していたのだと思うかを書いてください。

主に近づく

  • ヤレドの兄弟の信仰ゆえに,主が彼を祝福された様々な方法にはどのようなものがありましたか。

  • この経験を通して,ヤレドの兄弟はどうやって主に近づいたのでしょうか。

ヤレドの兄弟に対する主の言葉に印を付けるとよいでしょう:「あなたは……堕落から贖われ,わたしの前に連れ戻されている。」(エテル3:13)わたしたち個人の問題に対して主を信じる信仰を働かせるとき,わたしたちは,主からの分離を克服し,主のもとに戻ってともに住むという永遠の目標に対しても,主の助けを受けることができます。

青少年が信仰を働かせている以下の例を見るか読みましょう。

  • ビデオ「信仰と目標」(4:40)を見てください。若いプロのサッカー選手が,どのように主を信じる信仰を働かせているかを話しています。

    4:39
  • 0:0
  • 病気にかかった目を癒してもらうため,預言者ジョセフ・F・スミスを捜したオランダの少年,ジャン・ルーソフの話を読んでください(『聖徒たち-末日におけるイエス・キリスト教会の物語』第3巻「大胆かつ気高く,悠然と」1893-1955年123-125)。

生徒に,ビデオや話から学んだことを分かち合ってもらいます。

  • イエス・キリストに対するあなたやあなたが知っている人の信仰は,どのような経験を通して強くなってきましたか。

最後に,あなたがイエス・キリストを信じる信仰をさらに働かせたいと思う状況を一つ書き,その理由も書いてください。以下は,あなたがこの活動を完了するのに役立つ幾つかの一般的なアイデアです。自分に当てはまる詳細を追加する必要があるでしょう。

  • 問題を解決するために具体的な行動を取り,主の助けを求めましょう。

  • さらに謙遜に祈り,主を信頼するという目標を定めましょう。

  • あなたを主に近づけてくれる一つのことを,積極的に行いましょう。

信仰をもって行動するとき,主をさらに身近に感じる方法を見つけましょう。

生徒には次の評価レッスン(「学習評価9」)で,自分が信仰をどのように働かせたことがあるか,そこからどのような結果が得られたかを分かち合う機会があります。

最後に,救い主についてと,主を信じる信仰を働かせることによってもたらされる祝福について,証します。