セミナリー
マスター教義:エテル12:6―「信仰が試されてからでなければ,証は得られない」


「マスター教義:エテル12:6―『信仰が試されてからでなければ,証は得られない』」『モルモン書 教師用手引き』(2024年)

「マスター教義:エテル12:6」『モルモン書 教師用手引き』

マスター教義:エテル12:6

「信仰が試されてからでなければ,証は得られない」

話し合いをする二人の若い女性

エテル12:1-22の研究では,真理についての霊的な証を受ける前に,イエス・キリストと主の福音を信じる信仰を働かせる方法を学びました(エテル12:6参照)。この課は,エテル12:6のマスター教義聖句の場所と重要語句を暗記し,その教義を説明し,霊的な知識を得るための原則を実生活の状況に応用するための助けとなります。

霊的な知識を得る原則を使うよう,生徒に促す。生徒が霊的な知識を得るための原則の使用に慣れるようになるにつれて,生徒は自然とそれを自分の疑問に応用するようになることでしょう。生徒に,様々な方法で原則を復習するよう勧めるときは,一貫性を持ち,創造的であるようにしましょう。

生徒の準備:生徒に,イエス・キリストを信じる信仰を働かせるのに役立つであろう聖句を探してもらいます。聖句を見つけるには,『聖句ガイド』の「信仰」の項を調べるとよいでしょう。

学習活動案

このマスター教義聖句の課は,「エテル12:1-22」の課を学んだ後で学習するようになっています。その課は,マスター教義聖句「エテル12:6」の背景を学ぶためのものだからです。このマスター教義聖句の課を別の週に移動する必要がある場合は,その週のうちに背景の課も教えるようにしてください。

説明し,暗記する

前の課では,エテル12:6から,「霊的な証を得たいと思うなら,まず,イエス・キリストとその福音を信じる信仰を働かせなければならない」という真理を学びました。

生徒に,二人一組で,エテル12:6にある教えを説明する練習をしてもらうとよいでしょう。次のような質問を表示して,生徒に話し合ってもらうとよいでしょう。

  • エテル12:6において,答えが見つかっていない疑問を抱える人たちと,まだ真理を「見て」いない人たちに対して,どのような勧告が与えられていますか。

生徒がエテル12:6の聖句の場所と重要語句を暗記するのを助けてください。次に挙げるのは,これを行う方法の一例です。

エズラ・タフト・ベンソン大管長(1899-1994年)は,すべての人はやがて信仰の壁にぶつかり,明確な選択を迫られると教えています(“The Book of Mormon Is the Word of God”〔「モルモン書は神の言葉である」〕, Ensign, May 1975, 65参照)。言い換えれば,すべての人は信仰によって,真理を信じ,真理を知ることを自分で決めなければならないのです。

大きな壁と,その前に立つ自分を表す棒人間の絵を描きます。「信仰の壁」を使用して,エテル12:6の聖句の場所と重要語句を暗記する助けにしてください。壁の上部に「エテル12:6」と書いて装飾してから,「信仰が試されてからでなければ,証は得られない」と繰り返し壁に書き込んでください。壁一面が重要語句でいっぱいになったら,それを見ずに何度か声に出して言ってみてください。

実践練習

実践練習活動を始める前に,霊的な知識を得るための原則を生徒が学び,復習する際に役立つ創造的な方法を考えてください。定期的にこれを行うことで,生徒はこれらの原則をどのように応用すればいいのかよりよく知ることができます。

これを行う方法の一つとして,霊的な知識を得るための3つの原則をすべて,ホワイトボードに書くとよいでしょう。次に,各原則のアイデアや概念を順不同で書き,生徒にアイデアを正しい原則と一致させてもらいます。

次のシナリオを生徒に紹介するか,同じ目的を達成するための独自のシナリオを考えてください。

あおいと真理子は親友です。あおいは末日聖徒イエス・キリスト教会の会員です。彼女は,組織化された宗教を信じていない真理子の良い模範となるよう懸命に努めています。真理子はしばしばあおいの信仰に疑問を抱き,なぜ日曜日に教会に出席し,什分の一を納め,知恵の言葉に従って生活し,控え目な服装を選ぶのか不思議に思っています。

あおいは真理子に,自分が実践している戒めや標準は真実であり,神から与えられたものだと説明します。真理子は優しくこう答えます。「どうして真実だと知っているって言えるの。目に見えないものが真実だってどうして分かるの。」

生徒を少人数のグループに分け,この状況で,霊的な知識を得るための原則とエテル12:6をどのように使うことができるかを話し合ってもらうとよいでしょう。マスター教義の実践練習シナリオは,霊的な知識を得るための原則を実践する機会を提供するためのものであることを,生徒に思い出してもらいましょう。生徒のアイデアや回答は,洗練されたものや完璧なものである必要はありません。

生徒に,次のように尋ねて話し合いを始めてもらってもよいでしょう。「友達を助けるために,霊的な知識を得るための原則のうち,どの原則から始めますか。それはなぜですか。」以下の質問は,生徒が話し合う際に参照するのにも役立つでしょう。

永遠の視点から概念や疑問について調べる

  • 真理子がもっとよく理解できるように助けたい概念や真理は何ですか。それはなぜですか。

  • 主について,また主がわたしたちにどのように働きかけられるかについて,真理子にどのようなことを分かち合いますか。

神が定められた情報源を通してさらに理解を深める

  • エテル12:6のどのような教えが,このような状況に役立つでしょうか。それはなぜですか。

    教会指導者の関連する言葉を例として確認することが生徒に役立つようであれば,前の課の「注釈と背景情報」の項にあるボニー・L・オスカーソン姉妹の言葉を分かち合うとよいでしょう。

  • 真理子に助けと導きを与えてくれる聖句や教会の指導者の言葉には,そのほかにどのようなものがありますか。

信仰をもって行動する

  • あなたやほかの人は,イエス・キリストを信じる信仰を働かせたときに,どのような経験をしたことがありますか。それらの経験を真理子と分かち合うと,彼女が信仰をもって行動しようとするにあたって,どのように役立つでしょうか。

  • あなたは真理子に,どのような信仰深い行動を取り始めることを勧めますか。

生徒が話し合いを終えたら,その経験にどう反応したかや,その経験から何を学んだかを,何人かに分かち合ってもらいましょう。

また,この練習が現在と将来にどのような恩恵をもたらすかを生徒と話し合ってもよいでしょう。例えば,エテル12:6の教えや霊的な知識を得るための原則が,自分やほかの人が信仰の試しを克服して,最終的に真理についての確かな証を得るのに役立つ,現在または将来の状況を生徒に考えてもらうとよいでしょう。

マスター教義の復習

今後の課の中で,壁とその前に立つ棒人間の絵をホワイトボードに描きます。生徒に,どのマスター教義聖句がその絵に関連しているかを思い出してもらい(エテル12:6),二人一組で重要語句を暗唱する練習をしてもらいます。重要語句は,「信仰が試されてからでなければ,証は得られない」です。