セミナリー
第14課—教義と聖約4章:主のように仕える


「第14課—教義と聖約4章:主のように仕える」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』(2025年)

「教義と聖約4章」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』

第14課:教義と聖約3-5章

教義と聖約4章

主のように仕える

ジョセフ・スミス・シニア

ジョセフ・スミス・シニアは,どうすれば神や人々に仕えることができるか知りたいと思いました。父親の望みにこたえて,預言者ジョセフは啓示を求め,主の業を助けたいと望む人々に向けて与えられた幾つかの啓示のうちの最初の啓示を受けました(教義と聖約11-12章14-16章25章も参照)。この課は,生徒がキリストのような方法で神や人に仕えることができるよう助けてくれます。

学習活動案

救い主のように仕える

レッスンの最初に,生徒がキリストのような方法で神や人々に仕えることについて深く考えられる活動を行うとよいでしょう。以下はその活動の例です。

だれかが,次のような行動であなたに奉仕してくれていると仮定してください:

  • あなたに話しかけて,あなたのことを気づかう

  • あなたがしなければならないことを手伝う

  • あなたのために祈る

彼らが以下のような方法で,あなたのために何かをしてくれた場合,それはあなたにどのような影響を及ぼすでしょうか。それはなぜですか。

  • 心を込めてしてくれた場合と,うわべだけでしてくれた場合

  • 辛抱強くしてくれた場合と,いらいらしながらしてくれた場合

  • あなたへの愛が動機の場合と,ほかに動機がある場合

次に,救い主があなたのためにその奉仕をしてくださっていると仮定してください。救い主はどのようにそれを行われ,それはあなたにどのような影響を及ぼすでしょうか。

この課では,主がわたしたちに追求するよう望んでおられるキリストのような特質と奉仕の形について学びます。学習するときには,奉仕したいという自分自身の望みと,キリストのような特質を身につけられるよう努力したいと思う理由について,深く考えてください。

ジョセフ・スミス・シニアの疑問に答える

ジョセフ・スミス・シニアはまだ宗教的な組織に所属していませんでしたが,息子から聞いた天の示現の話を信じ,モルモン書の翻訳を支えました。ジョセフ・スミス・シニアは神に仕えたいと思いましたが,どうすればよいか分かりませんでした。1829年2月,彼は妻とともにペンシルベニア州ハーモニーにいるジョセフ・スミス・ジュニアを訪ねました。その滞在中,預言者ジョセフは父の疑問に対する答えとして教義と聖約4章を受けました。

教義と聖約4:1-4を読み,(1)どのように主に仕えるべきか,(2)なぜ主に仕える必要があるか,について主が教えられたことを見つけてください。4節で,主は福音を受け入れる備えができている人々を,収穫の準備ができた小麦にたとえておられることを知ると参考になるかもしれません。鎌は,収穫するための道具です。

生徒には,奉仕の仕方を書いてある部分に印をつけ,奉仕する理由には別の方法で印をつけるよう勧めるといいかもしれません。例えば,神に仕える方法に下線を引き,神に仕えるべき理由を丸で囲みます。または,色分けしてもよいでしょう。その後,どこに印をつけたかを二人一組または少人数のグループで比べ合ってもらいます。

  • どんなことが見つかりましたか。

    ホワイトボードに仕方理由という標題をつけた2列の表を作るといいかもしれません。生徒に,見つけたことをホワイトボードのどちらかの欄に書いてもらいます。ホワイトボードに勢力思いという言葉を書き,これらの「すべて」を使って人が奉仕するとはどのようなことを生徒に尋ねるとよいでしょう。

  • これらの節には,心と,勢力と,思いと,力を尽くして神に仕える人に対して,どのような祝福があると書かれていますか。

主は,心と勢力と,思いと力を尽くして神に仕えることから来る祝福について説いた後,奉仕する際に役立つ幾つかの特質を挙げられました。イエス・キリストはこれらの特質の一つ一つをお持ちであり,わたしたちにも,生活の中でそれらの特質を伸ばすように招いておられます。それらを伸ばすならば,さらに救い主のような者になり,救い主のように仕えることができるようになります。

教義と聖約4:5-6を読み,わたしたちが奉仕する際に伸ばすよう主が望んでおられる特質を見つけてください。

これらの特質は,わたしたちの奉仕の仕方を示しており,1-4節にある奉仕の仕方を学んだと同じように印をつけることができるということを説明します。生徒に,これらの特質をホワイトボードのどちらかの欄に書き込んでもらってもよいでしょう。

  • この章の教えを一つの文にまとめると,どうなりますか。

この章から学べる一つの原則は,キリストのような特質をもって奉仕すれば,罪のない状態で神の前に立ち,自分の霊に救いをもたらすことができる,ということです。

キリストのような特質を理解する

よく理解できていない特質はどれか,生徒に尋ねます。生徒に,『聖句ガイド』や総大会の説教から鍵となる言葉を見つけてもらいましょう。辞書や「福音ライブラリー」アプリの検索機能も役に立つでしょう。

教義と聖約4章に書かれている特質の中で,10代の若者がたいてい持っていると思うキリストのような特質を,生徒に発表してもらいます。どの特質が滅多にないと思うか,またそれはなぜかを尋ねてみてもいいでしょう。(どの特質が4章で二度述べられていて,なぜそれが二度述べられていると思うか尋ねてもよいでしょう。)クラスメートが持っているキリストのような特質に気がついたことのある生徒がいれば,それを発表してもらいます。そうすることで,クラスの結束が強まり,キリストのような特質を伸ばすよう互いに励まし合えるようになります。

聖霊の導きを求めながら,自分が最も学ぶべきキリストのような特質を選択してください。選択できたら,それを学習帳のページの上部に書きます。選択した特質の下に,以下のことを書いてください。

  1. :救い主が昔,あるいは今日のあなたの生活において,この特質をどのように示されたかを深く考えてください。聖文を例として使う場合は,具体的な物語や参照聖句を書き出すようにしましょう。(ここでも『聖句ガイド』が役に立つかもしれません。)また,この特質をもって現在奉仕している人の模範と,それによってどのような違いがもたらされたかを書いてもよいでしょう。

  2. わたしたちにできること:今の生活の中で,この特質をさらに伸ばすためのステップを一つか二つ挙げてください。アイデアについては,教義と聖約4:7を読み返し,このキリストのような特質を持っているとあなたが思う人に携帯メールを送ったり,直接尋ねたりして,助言を求めてください。

何人かの生徒に自分の考えを発表してもらいます。生徒に発表してもらったら,同じ特質を選んだ人がいないか,ほかに自分の考えを発表したい人はいないか尋ねるとよいでしょう。教師自身の考えも生徒に話しましょう。これは,様々なキリストのような特質をよりよく理解し,その大切さを感じるすばらしい機会となるでしょう。救い主の模範を強調する方法を探してください。

キリストのような特質を伸ばす

この課の締めくくりとして,今日学んだキリストのような特質を伸ばすためのステップを,一つか二つ計画してください。この特質を伸ばすに当たって,どのように主に助けを求めるかを含めてもかまいません。

目標を自分の学習帳か『個人の成長―青少年ガイドブック』に記録するよう生徒に勧めるといいかもしれません。今後のレッスンで,目標に向けて行っていることを生徒に発表してもらいましょう。あなた自身も個人の目標を立て,どのように主に助けを求めているかを生徒に話すとよいでしょう。