セミナリー
第94課―教義と聖約84:1-32:「神性の力」


「第94課―教義と聖約84:1-32:『神性の力』」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』(2025年)

「教義と聖約84:1-32」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』

第94課:教義と聖約84章

教義と聖約84:1-32

「神性の力」

儀式

伝道から帰還して,長老たちの一団は預言者ジョセフ・スミスに会いました。預言者は,長老たちとともに祈っているときに啓示を受け,神権の儀式を通して男女が得られる「神性の力」(教義と聖約84:20)についての洞察を得ました。この課は,イエス・キリストが神権の儀式を通して与えてくださる神性の力を受けることの重要性を,生徒が感じられるように助けます。

学習活動案

神権の儀式

十二使徒定員会のニール・L・アンダーセン長老の次の話を見せるとよいでしょう。生徒に,アンダーセン長老が語る疑問についてどのように感じ,自分ならどのように答えるかを分かち合ってもらいます。

ニール・L・アンダーセン長老

「十二使徒定員会の一員として各地を訪れる中で,わたしは世界中の青少年に会います。彼らの多くが心から心配していることがあります。『神はわたしを助けてくださるだろうか。神はわたしの人生を導いてくださるだろうか。どうすればわたしが必要とする助けや,導きや,平安を受けることができるだろうか』というものです。」(ニール・L・アンダーセン「神権の儀式と祝福によってもたらされる神性の力『For the Strength of Youth―青少年の強さのために』2021年8月号,10)

  • 生活の中で,助けや導き,平安を必要としたときのことを思い出してください。神の助けや導きを求めるために,あなたは何をしましたか,または何ができたでしょうか。

ニール・L・アンダーセン長老の言葉の残りの部分を読み,神がわたしたちを助けるために与えてくださったものを一つ見つけてください。

ニール・L・アンダーセン長老

「愛する若い友人の皆さん,神は必ず皆さんを助けてくださいますし,いつでも皆さんを祝福する用意をして待っておられます。愛にあふれた御父として,神はわたしたちが生活の中で御自身の力,すなわち神性の力を感じるのを助けるための儀式を与えてくださっています。」(ニール・L・アンダーセン「神権の儀式と祝福によってもたらされる神性の力『For the Strength of Youth―青少年の強さのために』2021年8月号,10)

生徒は,儀式が生活の中でどれほど役立つかについて考えたことがないかもしれません。生徒に,儀式に対する自分の考えや気持ちを振り返ってもらうとよいでしょう。これを行うために,次の自己評価を表示するとよいでしょう:

1-5(1=低い;5=高い)の段階で,以下の各記述について,自分の自信を評価してください:

  • 神権の儀式とは何かを知っています。

  • 神権の儀式を通して神がすでにわたしの人生をどのように祝福してくださったかを認識しています。

  • 自分の人生における次の儀式を受ける準備を意識的にしています。

84章を研究しながら,聖霊からの印象を受け入れ,神権の儀式を通して生活にもたらされる神の力についてさらに学ぶよう生徒に勧めます。

神殿と神権

次の情報を生徒に伝える方法を考えてください:

宣教師たちは合衆国東部で福音を宣べ伝えた後,1832年9月にオハイオ州カートランドに帰還しました。彼らが再会をしている間に,ジョセフ・スミスは,教義と聖約84章に記録されている啓示を受けました。この啓示の中で,主は神権についての聖徒たちの理解を広げられました。教義と聖約84:1-5を読み,新エルサレムの都を建設する際に,何を優先するよう主は聖徒たちに指示されたかを見つけてください。

  • 主が神殿の大切さについて教えることから神権についての啓示を始められたことが重要なのは,なぜだと思いますか。

もし生徒がそれについて話さないなら,神殿では,わたしたちの救いと昇栄に必要な神権の儀式が執り行われることを指摘するとよいでしょう。

6-18節で,主の神権はアダムに授けられ,モーセの時代まで続いたと主は宣言されたことを生徒に伝えるとよいでしょう。イエス・キリストはまた,アロンとその子孫に神権を授けられました。主の神権は今日も回復されたイエス・キリストの教会において続いていることを指摘するとよいでしょう。神殿の儀式を行うために必要なものを含め,すべての神権の権能はイエス・キリストからもたらされます。

神性の力は儀式を通して現れる

儀式とは何かを生徒に尋ねるよい機会かもしれません。生徒がなかなか説明できない場合は,聖文研究の参考資料を使って見つけてもらうとよいでしょう。儀式とは,神権の権能によって執行される神聖かつ正式な行為であることを生徒が理解できるように助けましょう。儀式の中には,わたしたちの昇栄に欠かせないものもあります。

バプテスマ,聖餐,慰めと助言を与える祝福,祝福師の祝福,確認と聖霊の賜物,神殿のエンダウメント,神殿の結び固めなど,神権の儀式をホワイトボードに書き出すとよいでしょう。

教義と聖約84:19-22を読み,主が儀式について教えられたことを見つけてください。

マスター教義のアイコン 教義と聖約84:20-22は,マスター教義聖句です。マスター教義聖句には目立つ印を付けて見つけやすくしておくよう,生徒に勧めるとよいでしょう。

  • 神権の儀式についてどのようなことを学びましたか。

  • この聖句を読んで,どのような疑問を持ちましたか。

    生徒の理解と尋ねてきた疑問に応じて,以下の一部またはすべてを伝えるとよいでしょう:

  • 「大神権は福音をつかさど〔る〕」とは,わたしたちの救いと昇栄に必要な儀式を執行するメルキゼデク神権の権能を指します。

  • 「奥義とは,啓示によってのみ知ることのできる霊的な真理」です(『聖句ガイド』「神の奥義」の項,scriptures.ChurchofJesusChrist.org)。

  • 「神性の力」とは,この世でわたしたちを助け,わたしたちが永遠の命に備えられるよう神からもたらされる力を指します。

神権の儀式を通して,わたしたちは生活の中で神性の力を受けることができる,ということを生徒が見いだせるよう助けます。

生徒がこの真理についての理解を深められるように,ホワイトボードに書かれている儀式の中から,さらに学びたいと思う儀式を一つ選んでもらいましょう。時間を取って,その儀式について抱いている疑問を2つか3つ書き出してもらいます。あるいは,以下の3つの質問を表示して,よく考えてもらってもよいでしょう。

  • この儀式を受けるために,人はどのように備えればよいでしょうか。

  • この神権の儀式は,わたしたちがこの世で助けとなる神性の力を受けるのに,どのように役立つと思いますか。

  • この儀式を受けると,天の御父やイエス・キリストのような者になるうえで,どのような助けになるでしょうか。

神が定められた情報源を調べて,選んだ儀式についてさらに学び,疑問に対する答えを探してもらいます。これは,生徒が各自で行っても,同じ儀式を選択したほかの生徒と一緒に行ってもかまいません。ChurchofJesusChrist.orgにある『総合手引き-末日聖徒イエス・キリスト教会における奉仕』は,神殿のエンダウメント(27.2)と結び固め(27.3)を研究することを選んだ生徒に役立つ情報を提供しています。また,自分が経験したことのある儀式が,生活の中で神性の力を感じる助けになった個人的な経験について深く考えてもらってもよいでしょう。

十分に時間を取った後,各生徒やグループに学んだことをクラスで発表してもらいましょう。

儀式の大切さ

神権の儀式の重要性について学んだことを生徒に振り返ってもらうために,次の質問の一部またはすべてに答えてもらうとよいでしょう。生徒に質問を一つ選んでもらい,その答えをクラスメートと分かち合うとよいでしょう。

  • 神性の力と神権の儀式についてどのようなことを学びましたか。

  • これらの儀式に向けて努力し,その儀式を受けることは,あなたがイエス・キリストに近づくのにどのように役立つでしょうか。

  • あなたが受けた神権の儀式を通して神の力を感じたことはありますか。それは,どのようなときでしたか。

神権の儀式を通して生活の中で受けたことのある神の力について,あなたの考えや気持ちを伝えるとよいでしょう。

暗記する

この課でマスター教義聖句の場所と重要語句を暗記できるよう生徒を助け,今後の課で復習するとよいでしょう。重要語句は,「この神権の儀式によって神性の力が現れる」です。暗記活動のアイデアは,付録の「マスター教義の復習活動」の項に記載されています。