「第98課―教義と聖約86章:救い主はイスラエルを集められる」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』(2025年)
「教義と聖約86章」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』
第98課:教義と聖約85-87章
教義と聖約86章
救い主はイスラエルを集められる
教義と聖約86章に記録されている啓示の中で,救い主は,小麦と毒麦のたとえについて,最初に与えた解釈(マタイ13:36-43)にさらなる意味を追加して明らかにされました。主は,御自分の再臨に備えて義人を集める御自身の取り組みについて教えられました。この課は,生徒が,救い主とともにイスラエルの集合に携わる努力ができるように助けます。
学習活動案
救い主は御自分の民を集められる
その人のそばにいたいと思う人の例と理由を生徒に考えてもらうとよいでしょう。
その後,イエス・キリストの地上での務めの間,イエス・キリストの周りにいたいと思った人々について生徒に考えてもらってもよいかもしれません。必要に応じて,マタイ9:10;19:1-2,13-15;ヨハネ6:1-14;3ニーファイ17:1-5など,幾つかの例を紹介するとよいでしょう。
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なぜ人々は救い主の周りにいたいと思ったのでしょうか。
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救い主はなぜ,人々に御自分のもとに集まってほしいと願われたのだと思いますか。
救い主がわたしたちを御自分のもとに集めたいと望まれた理由を教えている聖句を幾つか研究するよう生徒に勧めましょう。例えば,マタイ11:28-30;3ニーファイ9:13-14;10:4-6などがよいでしょう。
救い主に従い,救い主のもとに集まりたいというあなた自身の望みについて考えてください。また,ほかの人々を救い主のもとに集めるのを助けたいというあなたの望みについても考えてください。研究しながら,自分やほかの人々がイエス・キリストのもとに集まることの重要性を理解するのに役立つ真理を見つけてください。
小麦と毒麦のたとえ
生徒が教義と聖約86章に記録されている啓示の歴史的背景を理解できるように,次の段落を読むか,要約します。
ジョセフ・スミスとフレデリック・G・ウィリアムズが聖書の霊感訳に取り組んでいたとき,救い主は小麦と毒麦のたとえの解釈を明らかにされました。この解釈は,教義と聖約86章に記録されています。
生徒が教義と聖約86章を研究する前に,小麦と毒麦のたとえを理解できるように助けます。生徒にマタイ13:24-30を読んでもらってもかまいませんし,一人の生徒にたとえの要約を発表してもらってもかまいません。
毒麦は毒草の一種であることを説明するとよいかもしれません。小麦と毒麦は発芽したときはほとんど見分けがつきませんが,成長するとその違いが明らかになります。小麦と毒麦が成長する前に人が毒麦を抜き取ろうとすると,小麦の多くもだめにしてしまう可能性があります。
麦と毒麦,からし種,パン種のたとえを話されるイエス
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このたとえで何が印象に残りましたか。
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小麦と毒麦は何を象徴しているでしょうか(マタイ13:38参照)。
救い主はたとえの解釈を明らかにされる
教義と聖約86:1-7を読み,救い主はたとえの象徴するどのものについて,わたしたちの理解を助けられたかを見つけてください。
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このたとえから,主が再臨のために備えておられることについて何を学びましたか。
何人かの生徒に見つけたことを発表してもらった後,次の真理を指摘します:主は再臨の前にイスラエルを集めておられる。
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この真理を理解すると,イエス・キリストの再臨について考えるとき,どのように希望と平安を感じるのに役立ちますか。
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この真理は,あなたが今日下す決断をどのように導くでしょうか。
ラッセル・M・ネルソン大管長は,今日どうすればイスラエルの主のもとへ集まれるかを次のように教えました。
神に勝利を
「主は,神を人生の中の最も重要な影響力とすることを選ぶ人々を集めておられるのです。
何世紀にもわたり,預言者たちはこの集合について預言し〔イザヤ11:11-12;2ニーファイ21:11-12;モーサヤ15:11参照〕,今まさにそれが実現しています!主の再臨に欠かせない前触れである集合は,世界で最も重要な業なのです。……
幕の両側のイスラエルの集合について語る際,もちろん,それは伝道,神殿,家族歴史の業を指します。そして,ともに生活し,働き,仕える人々の心に宿る信仰と証を育むこともこれに含まれています。だれかが聖約を交わし,それを守れるよう助けるために何かを行うときはいつでも,それが幕のどちら側であろうと,イスラエルの集合を助けているのです。」(ラッセル・M・ネルソン「神に勝利を」『リアホナ』2020年11月号,92-93)
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主がイスラエルを集められる手助けをどのようにできるかについて,この言葉から何を学びましたか。
「異邦人への光」
教義と聖約86:11を読み,人々が救い主のもとに集まるのを助ける方法について救い主が教えられたことを見つけてください。
11節の異邦人という言葉は,教会員ではない人々を指していることを説明するとよいかもしれません。
次の質問についての話し合いの一環として,生徒にマタイ5:14-16と3ニーファイ18:24を読んでもらいましょう。これらの節によって理解が深まったことを生徒に発表してもらうとよいでしょう。
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「異邦人への光」となるとはどういう意味だと思いますか。
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救い主の光を人々に分かち合うことによってイスラエルの集合を助ける方法には,どのようなものがありますか。
生徒の考えを,ホワイトボードに箇条書きにするとよいでしょう。この話し合いの一環として,生徒に自分の経験を発表してもらうとよいでしょう。
Follow the Example of Jesus Christ
救い主とともにイスラエルを集めるための計画を立てる
次の質問の一つ,または両方に対する答えを学習帳に書いてもらうことで,生徒がこれまでに学んだ真理を実践できるように助けます。
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救い主のもとに集まるために,あなたは何をしようと努力しますか。
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イスラエルの集合において救い主を手助けするために,具体的にどのようなことをしようと思いますか。
目標をいつ,どのように達成するかについての詳細を含めてください。
何人かの生徒に書いたことを発表してもらいます。話し合った真理について証をし,生徒には自分で決めた目標に基づいて行動するよう励ましてください。