セミナリー
第99課―教義と聖約87章:ジョセフ・スミスが戦争を預言する


「第99課―教義と聖約87章:ジョセフ・スミスが戦争を預言」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』(2025年)

「教義と聖約87章」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』

第99課:教義と聖約85-87章

教義と聖約87章

ジョセフ・スミスが戦争を預言する

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祈りをささげるジョセフ・スミス

1830年代のアメリカ合衆国における政情不安のために,ジョセフ・スミスはこの状況についての御心を教えてくださいと,神に祈りました。その後に与えられた啓示には,戦争に関する預言が含まれていて,その時点で神しか知り得ない具体的な内容が語られていました。この課は,主の預言者に対する主の言葉はすべて成就することを生徒が理解できるように助けます。

学習活動案

オーソン・プラットの経験

生徒が教義と聖約87章を研究する準備ができるように,次にあるオーソン・プラットの伝道の経験を要約するか,読むとよいでしょう。

オーソン・プラットは初期の教会員で,十二使徒定員会の最初の会員の一人でした。彼は,アメリカ合衆国とカナダ全土でイエス・キリストの回復された福音を宣べ伝えるために,生涯にわたって多くの伝道に召されました。彼は,1832年にジョセフ・スミスが主から受けた啓示の写しを旅に持って行きました。啓示に含まれている預言はまだ実現していませんでしたが,プラット長老は頻繁にその預言を人々に伝えました。彼はしばしばあざけられ,その預言は「まったく無意味」であり,プラットは「偽預言者の犠牲者」だと人々に言われたことを思い出しました(Orson Pratt, Journal of Discourses, 18:224–25)。

  • あなたがオーソン・プラットだったら,人々の反応はあなたにどのような影響を与えたと思いますか。

主からの預言

オーソン・プラットが人々に伝えた預言は,教義と聖約87章に記録されています。生徒は預言を読む前に,序文に書かれている歴史的背景を理解しておくとよいでしょう。

生徒が福音の教義と原則を見いだせるように助ける。これをさらに実践するには,『教師養成スキル:教義を教える』にある「教師自身が,イエス・キリストの教義を学ぶ」というタイトルの訓練を参照してください。特定の答えを必要とする質問ではなく,生徒が福音の教義と原則を自分で見いだすのに役立つ,自由な回答が可能な質問を作成して,このスキルを練習するとよいでしょう。

教義と聖約87:1-4を読み,イエス・キリストが御自分の預言者を通してどのようなことを明らかにされたか見つけてください。

  • 主は何が「間もなく起こる」と言われましたか。

  • これらの聖句から,主についてどのようなことが分かりますか。

生徒が,イエス・キリストについて得た様々な真理を発表する機会を設けましょう。生徒が挙げたことに加えて,主は将来の出来事を御自分の預言者を通して明らかにしてくださることを生徒が認識できるように助けます。

主の知識についてさらによく理解するために,以下の聖句の一部または全部を読んでください。

  • どのようなことを学びましたか。イエス・キリストについてこれらのことを知ると,なぜ役に立つと思いますか。

  • この知識があると,イエス・キリストに対する信頼にどのような影響があるでしょうか。

主と主の預言への信仰

次の段落を読むか,要約して,主が将来の出来事をジョセフ・スミスに明らかにされた後に何が起こったかを生徒が理解できるように助けます。

1833年の初め,ジョセフ・スミスの預言が明らかにされて間もなく,アメリカですぐにも戦争が起こるのではないかと思われた意見の相違は平和的に解決されました。

  • 当時,ジョセフ・スミスの預言を知っていたとしたら,あなたはどのような疑問を持っていたと思いますか。

オーソン・プラットは,その預言がいつ,どのような形で実現するのかが分からなかったときに思ったことを思い出しました。

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オーソン・プラット

「主がわたしに語り,啓示を与えてくださったので,わたしはその預言が真実であることが分かりました。この業の神性についても分かっていました。年が過ぎていき,わたしが以前知り合った人たちが,『あの予想はどうなっているんだ。そんなもの絶対に実現しない』と,度々言うようになりました。だからわたしは,『待ってくれ。主には主の定められた時があるんだ』と言いました。」(Orson Pratt, Journal of Discourses ,18:224–25)

  • オーソン・プラットの返答で,どのようなことが印象に残りましたか。

  • 彼はどのように信仰をもって行動し,永遠の観点から物事を見続けることを選んだのでしょうか。

主とともに立つことを選ぶ

次の質問について生徒に二人一組または少人数のグループで話し合ってもらってから,答えを発表してもらうとよいでしょう。

  • 今日,預言者のメッセージにこたえて,信仰をもって行動しなければならない状況には,どのようなものがあるでしょうか。

主の預言者の教えがほかの人は賛成しない内容であるとき,自分はどれくらい進んで預言者を支持しようとするかを深く考えるよう生徒を励まします。

教義と聖約1:37-3821:4-6を読んでください。ほかの人が主や主の預言者の言葉に賛成しない場合でも,主と主の預言者に忠実であり続けるために助けとなる教えを見つけてください。

  • どのようなことが見つかりましたか。

主の預言が実現するのを見るには,信仰と忍耐が必要なことが多いことを生徒が理解できるよう,以下の歴史的背景を生徒に伝えるとよいでしょう。

ジョセフ・スミスは生きているうちに預言が実現するのを見ることはできませんでしたが,その一部は預言が与えられてから30年近くたった後に実現しました。その衝突はサウスカロライナ州で始まり,南部諸州と北部諸州が1861年から1865年にかけて戦いました。預言されたとおり,南部諸州はイギリスに助けを求め,奴隷であった多くの人が以前の主人と戦いました(教義と聖約87:1-4参照)。この戦争で,多くの人が亡くなりました。預言の中で述べられているように,その後も戦争は世界中の国々で行われています(教義と聖約87:6-7参照)。

聖なる場所に立つ

この預言に記されている戦争や滅亡について考えるとき,不安や恐れを感じる生徒がいるかもしれません。この啓示の中の主の最後の言葉は,末日の苦難の中でわたしたちの役に立つ勧告を与えてくれていることを説明します。

教義と聖約87:8を読んで,主の勧告を探してください。

  • 主がわたしたちに与えてくださった聖なる場所の中で,この世であなたが平安と安全を見いだすのに役立つ場所にはどのような所がありますか。

主と主の預言者に忠実であり続けることは,わたしたちが「聖なる場所に立ち,動かされない」ようにする一つの方法であることを説明するとよいでしょう。今日話し合った真理について証し,自分が受けた印象に従って行動するよう生徒に促してください。

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