「第118課:教義と聖約105章:信仰の試練として,彼らはここまで連れて来られなければならなかった」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』(2025年)
「教義と聖約105章」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』
イスラエルの陣営がミズーリに到着して間もなく,主はシオンの贖いを「しばしの間待つ」(教義と聖約105:9,13)ことになると明らかにされました。ミズーリの聖徒たちが土地を取り戻すのを助けようと,800マイル(1,280キロ)以上を旅してきたばかりであったこの隊は,帰還せよという主の指示によって自分たちの信仰が試されているのを感じました。この課は,信仰が試されるときに神に忠実であり続けたいという気持ちを生徒が強めるのに役立ちます。
ゴンザレス姉妹は,物心ついたときから専任宣教師として主に仕えるのを楽しみにしていました。伝道の間中ずっと熱心に働き,主に頼りました。そのように努力したにもかかわらず,ゴンザレス姉妹と同僚は,教える相手をほとんど見つけられず,キリストのもとに来てバプテスマを受けるようにという招きを受け入れる人はなおさら見つかりませんでした。伝道に出た友達のほとんどは,多くの人が救い主の福音を受け入れる手助けをしているようでした。
苦難と奇跡の両方を経験しながら7週間近く行軍した後,イスラエルの陣営はミズーリ州ジャクソン郡に差しかかりました。陣営のメンバーは,主の御心を知り,シオンがどのように贖われるのかを知りたいと願いました。多くの人にとって,シオンを贖うということは,ミズーリの聖徒たちを家に戻すことを意味していました。1834年6月22日,あと1日ほどでジャクソン郡に到着するというところで,預言者ジョセフ・スミスは教義と聖約105章に記録されている啓示を受けました。
教義と聖約105:9を読み,シオンの贖いについて主が何と述べておられるか見つけてください。
教義と聖約105:10-14,17-19を読み,その時点でシオンが贖われない理由として主は何をお示しになったかを見つけてください。
少し時間を取って,聖文や教会指導者の言葉から,信仰が試されるとき神に忠実であり続けるのに助けになる教えを見つけてください。例えば,イザヤ55:8-9;ローマ8:28;エテル12:6;教義と聖約76:2-3などを研究するとよいでしょう。
イスラエルの陣営として行軍し,後に大管長となったブリガム・ヤング(1801-1877年)は,帰還後の会話を次のように回想しています。
「帰ってくると,多くの友人がわたしに尋ねました。なすべき務めのあった男たちが招集れてミズーリへ向かい,一見何も成し遂げずに帰って来たことに何の益があったのかと。『だれが益を得たというのですか。もし主がそうするように命じられたというのなら,どんな目的をお持ちだったのですか。』……このように尋ねる兄弟たちにわたしは十分な報酬を受けたと言いました。しかも大変な利子とともに。そうです,預言者ジョセフとともに旅することで授かった知識は,あふれるほどにわたしを満たしました。」(Brigham Young, “Discourse,” Deseret News, Dec.3, 1862,177)
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主の完全な知恵により,シオンの陣営での試しは,将来の数多くの教会指導者を備えさせました。1835年2月,救い主は預言者ジョセフ・スミスを通して十二使徒定員会と七十人第一定員会を組織されました。最初の使徒の9人,七十人定員会会長の7人全員,および七十人第一定員会のほかの63人全員が,1834年にイスラエルの陣営として行軍した人たちです。