「第121課:マスター教義の実践8:霊的な知識を得るための原則を応用する」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』(2025年)
「マスター教義の実践8」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』
第121課:教義と聖約106-108章
マスター教義の実践8
霊的な知識を得るための原則を応用する
マスター教義は,生徒がイエス・キリストとその福音の上に生活の礎を築く助けになります。この課は,生徒がマスター教義聖句にある真理を応用し,霊的な知識を得るための神の原則を学び,応用するのに役立ちます。
学習活動案
マスター教義の復習:応用する
生徒一人一人に小さな紙を1枚ずつ配るとよいでしょう。知人が置かれている困難な状況を書いて容器に入れてもらいます。内容が個人的になりすぎないよう,名前や詳しい情報は書かないよう言います。
生徒を二人一組に分け,各組に容器から紙を2枚選んでもらいます。『マスター教義に関する基本文書』のリストを使って教義と聖約のマスター教義聖句を二人で復習し,紙に書かれている状況の少なくとも一つに様々な聖句がどのように当てはまるかを話し合ってもらいましょう。希望する場合は,ほかの聖典の聖句も使ってもかまいません。十分な時間を取った後,話し合った聖句が紙に書かれた状況にどのように当てはまるかをクラス全体に発表してもらいます。
マスター教義聖句で明確に述べられていない状況に関して生徒が助けを必要とする場合,教義と聖約8:2-3や2ニーファイ32:3など,どのような状況にも当てはまる聖句を紹介してもよいでしょう。
この活動は,後ほど十分に時間を取ってマスター教義の実践練習を行えるよう,10-15分程度にとどめるよう気をつけてください。
霊的な知識を得るための原則を学び,応用する
この後のレッスンは,霊的な知識を得るための原則を現実の状況に応用できるようにするためのものです。必要に応じて,まず生徒に『マスター教義に関する基本文書』の「霊的な知識を得る」の項目5-12にある原則を復習してもらうとよいでしょう。復習活動案は,このセミナリー手引きの付録にある「マスター教義の復習活動」に記載されています。
次のような若い女性の写真を見せるとよいでしょう。地元の複数の教会員を基に,彼女の生活の細かいことを簡単に創作してもらいます。例えば,どんな家族か,何に興味があるか,教会をどう思うかを想像して,発表してもらうとよいでしょう。
以下のシナリオを紹介してください。霊的な知識を得るための原則から,この状況にある若い女性の助けとなる原則と,助けになる理由を発表してもらいます。
(あるいは,懸念を述べた箇所に下線を引いて空欄にしておき,女性と神権に関してこの若い女性が抱く可能性のある疑問や懸念をホワイトボードに書いてシナリオを完成してもらうこともできます。シナリオに細かい点を書き加えるよう勧めることで,生徒は自分の生活に関係のある個人的な懸念を安全に表現することができます。)
日曜日に若い女性のクラスを教える準備をしていたときに,アンドレアは教義と聖約107章の研究を始めました。8節を読んだところで,ふと,神権は若い女性にどのように当てはまるのだろうと思い始めました。神は御自分の娘たちよりも息子たちの方を信頼しておられるのだろうかと不安になり始めました。また,最近,末日聖徒イエス・キリスト教会での女性の扱いについてあれこれ意見する動画をオンラインで見たことも思い出しました。ある人は,女性は神権の職を持たないことによって抑え込まれていると言い,教会を批判していました。
十分に時間を取って,アンドレアの助けになると思う原則について話し合ってもらいましょう。話し合いに基づいて,それほど深く話し合わなかった原則をより理解するのに役立つセクションを残りのレッスン資料から選ぶとよいでしょう。
信仰をもって行動する
生徒を少人数のグループに分け,次の質問を見せて話し合ってもらうとよいでしょう。教室内を回って,話し合いに耳を傾け,必要に応じて洞察や指針を加えましょう。
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アンドレアの疑問や懸念は,イエス・キリストを信じる彼女の信仰と主の教会への献身をどのように強める機会となるでしょうか。
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イエスから引き離しかねない疑問や懸念について,サタンは何をするように彼女を誘惑するでしょうか。
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あなたなら,信仰についての疑問や懸念にはどのように対応すればよいと提案しますか。
永遠の視点から概念や疑問について調べる
生徒に,『マスター教義に関する基本文書』の「霊的な知識を得る」の項目8を読んでアンドレアにとって助けとなる真理を見つけてもらいます。
次の活動は,生徒が見つけたことを分かち合う一つの方法です。以下の最初のステップを完了してもらいます。生徒がそれぞれのステップを完了するまで待ってから,次のステップに進むよう言いましょう。
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項目8から,アンドレアの助けとなりそうだと思う真理を一つ見つけ出し,その理由とともに学習帳に記録してください。
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教室内を回って,自分が選んだのと同じ真理を選んだ生徒を見つけてみてください。その真理がどのようにアンドレアの助けとなるかについて話し合ってください。
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相手が話してくれた意義深い洞察を学習帳に記録してください。
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もう一度教室内を回って,自分とは違う真理を選んだ生徒を見つけましょう。学習帳に記録した洞察を分かち合ってください。
この分かち合う活動の後,次のような質問を幾つかすると,さらなる洞察につながる話し合いに役立つかもしれません。
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なぜ女性は神権の職に就かないのかについて,アンドレアは明確な答えが見つからないと仮定します。あなたは天の御父の計画についてどのようなことを知っていて,御自分の娘たちに対する天の御父の思いについて,アンドレアに何を覚えておいてほしいと思いますか。
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教義と聖約(またはほかの聖典)のどのマスター教義聖句が,神の計画やアンドレアに対する神の気持ちを彼女に思い出してもらうのに役立つでしょうか。
神が定められた情報源を通してさらに理解を深める
以下について,生徒に二人一組で話し合ってもらうとよいでしょう。その後,話し合ったことを有志の生徒にクラスで発表してもらいましょう。
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アンドレアが情報を見つけるために使う情報源は重要です。なぜなら……
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わたしはアンドレアに,……から答えを探すのではなく,……から答えを探すようアドバイスします。
二人一組の話し合いで,聖文や教会歴史あるいは現代の女性の生活から,天の御父が忠実な娘たちに対して抱いておられる愛と信頼を示す例を探し,分かち合ってもらうとよいでしょう。
また,現代の教会指導者の言葉から,アンドレアの助けとなることを探してもよいでしょう。必要に応じて,以下のような情報源を紹介するとよいかもしれません。
まとめ
生徒たちに,次の質問の一つに対してよく祈り,答えを学習帳に書いてもらって,クラスを終えるとよいでしょう。
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天の御父は,あなたの疑問や懸念に対してどのようなことを行うよう望んでおられると思いますか。
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霊的な知識を得るための原則に従うことを選ぶと,疑問や懸念が生じたときに天の御父とイエス・キリストとの関係にどのような影響があるでしょうか。