セミナリー
第158課-家族の宣言,第1部:「家族は創造主の計画の中心を成す」


「第158課-家族の宣言,第1部:『家族は創造主の計画の中心を成す』」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』(2025年)

「家族の宣言,第1部」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』

第158課:家族-世界への宣言

家族の宣言,第1部

「家族は創造主の計画の中心を成す」

ともに学ぶ家族

家族-世界への宣言」は,結婚と家族に関する天の御父とイエス・キリストの教えを理解する助けとなるように書かれた,預言者の声明です。この課は,天の御父の計画における家族の中心的な役割を生徒がよりよく理解できるよう助けます。

学習活動案

レッスンが始まる前に,生徒がそれぞれ「家族-世界への宣言」のデジタル版または印刷版を利用できることを確認してください。生徒の学習帳に掲載されている場合もあります。

「家族は神の子供たちの永遠の行く末に対する創造主の計画の中心を成すものである」

前述の見出しの言葉を語句ごとに分けたものを,ホワイトボードに掲示するとよいでしょう。1分間で,頭の中で元の語順にしてもらいます。次に,「家族-世界への宣言」の第1段落の最後にあるこの言葉を見つけ,印を付けるよう招きましょう。

その後,次のような質問をして,話し合いをするよう招きます。

  • 神の子供たちの永遠の行く末に対する神の計画の中心が,家族であるのはなぜでしょうか。

  • どの家族も試練に直面し,人は皆不完全です。それを踏まえて,家族の状況に悩む10代の若者にとって助けとなるように,天の御父,イエス・キリストの贖罪,救いの計画について,あなたならどのようなことを分かち合いますか。

クラスが始まる前に,次の語句をホワイトボードに書いておくとよいでしょう。生徒にこのリストを全部読むよう促します。

  • 結婚の重要性

  • 離婚

  • 虐待

  • 性自認

  • 同性婚

  • 子供をもうけること

  • 婚姻外での性的な関係

  • 堕胎

  • 家族における幸福

注:今日の課を教えるに当たり,扱うテーマがデリケートなものであることに留意してください。これらのテーマについて話し合う際に,キリストのような愛,繊細さ,理解力を持つように努めるよう,生徒の注意を喚起するとよいでしょう。

  • これらのテーマのうち,今の時代の人々が疑問や懸念を持っているのはどれでしょうか。

  • このような問題について,人々はどこで答えを見つけることが多いと思いますか。

    これらの問題に対する自分の理解と,自分が持っている疑問について,深く考える時間を取るとよいでしょう。

  • これらのテーマについて神が教えてこられたことを知ることは,なぜ大切なのでしょうか。

この課は,生徒が疑問や懸念の幾つかに対する答えを見つけられるよう助けるものです。今日から1週間を通して「家族-世界への宣言」を研究するに当たり,聖霊からの啓示を求め,導きを得るよう招きます。

家族の宣言

主が家族の宣言を書くよう霊感を与えられた理由を幾つか理解できるように,宣言が発表されたときに語られた次の言葉を紹介するとよいでしょう。

注:詭弁という言葉は,偽りの教えを指します。

ゴードン・B・ヒンクレー大管長(1910-2008年)は次のように語っています。

2:3
ゴードン・B・ヒンクレー大管長

「皆さんに警告したいことがあります。現在起こっていることと,これから起こることの両方に対する警告です。今の世の中には,真理という仮面をかぶった詭弁があふれており,倫理基準や価値観に対する欺瞞が後を絶たず,じわじわと世の汚れに染めていこうとする誘惑があまりにも多いからです。このことを踏まえて,わたしたち大管長会と十二使徒評議会は,教会員並びに一般の方々に向けて一つの宣言を発表いたします。これは,わたしたちの教会の預言者,聖見者,啓示者が歴史を通じて繰り返し述べてきた,家族にかかわる標準と教義とその運用についての宣言を再確認するものです。」(ゴードン・B・ヒンクレー「世の策略に対抗して立つ『聖徒の道』1996年1月号,110)

  • 家族の宣言が発表された理由について,印象に残ったのはどのようなことですか。

家族の宣言の第1-3段落を読み,ホワイトボードに書かれた幾つかのテーマについて,神が教えられたことを見つけてください。

訓練アイコン改心に導き,イエス・キリストを信じる信仰を築く真理に焦点を当てる:以下の活動では,生徒が見つけた改心の原則を言葉にする方法を一つ提案します。これを教える際に役立つものとして,『教師養成スキル:教義を教える』の「改心に導き,イエス・キリストを信じる信仰を築く助けになる真理に焦点を当てる」というタイトルの訓練を参照してください。「生徒が教義と原則を見つける助けとなる質問をする」というスキルを練習するとよいでしょう。

見つけた真理をホワイトボードの関連するテーマの横に書くよう招くとよいでしょう。また,自分が書いた真理が,関連するテーマに対処するのにどのように役立つかを話してもらうこともできます。

生徒が言及すると思われる真理には,次のようなものがあります。

  • 家族は御自分の子供たちのための天の御父の計画において中心を成すものである。

  • 性別は個人の本質と目的において,必須の特性である。

  • 神の計画は,家族関係が死後も続くことを可能にする

これは,生徒が気づいたことを分かち合ったり,質問を出したりする良い機会になるでしょう。

この課の次の3つのセクションでは,上記の各真理を掘り下げます。使える時間と生徒の必要に応じて,焦点を当てる真理を一つ以上選びましょう。あるいは,生徒の疑問や必要にさらに見合う,ほかの真理を研究してもよいでしょう。

1.家族は御自分の子供たちのための天の御父の計画において中心を成すものである

生徒を二人一組に分け,天の御父の救いの計画について,1分間で交互にできる限りのことを分かち合うよう招くとよいでしょう。この計画の前世,現世,来世の部分について考えるよう励まします。

  • 天の御父の計画において,家族は前世ではどのように中心を成すでしょうか。現世ではどうでしょうか。来世ではどうでしょうか。

  • もしサタンが家族についてのこれらのことを知っているなら,家族に関する真理にどのように反応すると思いますか。

家族が神の計画の中心を成す理由を生徒がさらに理解できるように,『聖句ガイド』の「家族」の項にある聖句を調べるよう招くとよいでしょう。さらに,次の言葉を配り,個人で読んでもらうこともできます。印象に残った部分に印を付けるよう勧めるとよいでしょう。

十二使徒定員会のD・トッド・クリストファーソン長老は,次のように教えています。

D・トッド・クリストファーソン長老

「わたしたちが天の御父のみもとを離れた理由と,御父のみもとに戻り,ともに昇栄するために必要な事柄を理解すると,この地上におけるわたしたちの生涯に関連して,肉体の誕生と霊的に再び生まれるというこの二つの前提条件ほど大切なものはないということが非常に明確になります。……

男女間の結婚の上に築かれた家族は,神の計画が成功するための最良の環境を提供してくれます。純粋無垢な状態で子供が生まれる環境,実り多い現世の生活と来世における永遠の命に必要な学びと備えの環境です。」(D・トッド・クリストファーソン「なぜ結婚,なぜ家族か『リアホナ』2015年5月号,50参照)

時間を取って聖句と言葉を調べた後,生徒を二人一組か少人数のグループに分けて,以下の質問について話し合ってもらうことができます。

  • 家族が天の御父の計画の中心を成す理由について,どのようなことを学びましたか。

  • 個人が「実り多い現世の生活と来世における永遠の命」に備えるのを,家族はどのように助けているでしょうか。

  • これらの教えは,結婚や家族に関する疑問や懸念に答えるうえで,どのように助けとなるでしょうか。

2.性別は,個人の本質と目的において,必須の特性である

以下の情報源の幾つかを,個人で研究する時間を取るとよいでしょう。下の質問は生徒が研究する際の指針となります。

  • 性別が,個人の本質と目的において,必須の特性であるのはなぜでしょうか。

  • 他人に対して無神経になったり,失礼になったりするのを避けながら,確信を持って性別に関する真理を教えるにはどうすればよいでしょうか。

性別の永遠性と目的」(『永遠の家族 クラス準備資料』29-33)(この資料の,質問で始まる3つのセクションに注目してください。)

福音ライブラリーの「ライフヘルプ」セクションにある「トランスジェンダー:自分について理解する

福音ライブラリーの「ライフヘルプ」セクションにある「トランスジェンダー:ほかの人を支援する

生徒がこれらのリソースにアクセスできない場合は,インスティテュート手引き『永遠の家族 クラス準備資料』第7課を印刷して,生徒がクラスで研究できるようにするとよいでしょう。

研究するための十分な時間を取ったら,希望する生徒がいた場合,生徒は気づいたことを分かち合うこともできます。

話し合いの一環として,「その他のリソース」にあるラッセル・M・ネルソン大管長の言葉を紹介し,それが自分にとってどのような意味を持つかを分かち合うよう招くとよいでしょう。

自分の本質と目的について永遠の観点を持つことによって,あなたの人生がどのように祝福されてきたかを話すとよいでしょう。

3.神の計画は,家族関係が死後も続くことを可能にする

生徒が次の聖句を読む前に,家族を亡くしてつらい思いをしているあなたの知人について話すとよいでしょう。あるいは,家族の死を堪え忍んできた知人について考えるよう招くこともできます。

1コリント15:22教義と聖約130:2を読み,大切な人が亡くなったとき,イエス・キリストにどのような希望を見いだせるかを探してください。

  • これらの聖句に記されている神の計画の真理は,そのような喪失感に苦しむ人に,どのように力を与えるでしょうか。

  • 家族の宣言の第3段落にある教えは,大切な人を亡くして苦しんでいる人にどのような影響を与えるでしょうか。

生徒が神の計画における家族の永遠性をさらによく理解するのを助けるために,ChurchofJesusChrist.orgにあるビデオ「救いの計画―ぼくたちは今でも家族だよ」(4:47)を見せてもよいでしょう。家族についての救い主の教えが,この青年にどのような影響を与えたかについて考えるよう招くとよいでしょう。

4:47

終わりに

締めくくりとして,以下の質問について静かに深く考え,答えを記録するよう招くとよいでしょう。希望した場合,生徒は書いたことを発表することもできます。

  • 今日学んだことで,天の御父とイエス・キリストをさらに身近に感じる助けとなったのはどのようなことですか。

  • 天の御父の計画における家族の重要性について,どのようなことを学びましたか。