セミナリー
第172課:聖文研究ツール:学習ヘルプを活用する


「聖文研究ツール:学習ヘルプを活用する」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』(2025年)

「聖文研究ツール」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』

第172課:聖文研究のスキル

聖文研究ツール

学習ヘルプを活用する

聖典に印を付ける生徒

この課では,聖文研究ツールを使うことによって,個人の聖文研究をさらに充実させ,天の御父とイエス・キリストと自分との間にさらにしっかりとした関係を築けるようになってもらいます。

生徒の準備:生徒に,50年前には利用できなかったけれど,今なら手に入る有益なツールを紹介する準備をしてきてもらいます。そのようなツールが生活をどう変えているかを説明できる準備をしてもらいましょう。

学習活動案

ツール

次の画像(または似たような画像)を生徒に見せ,以下の質問に答えてもらいましょう:

馬とすき
トラクター
馬に乗る人
飛んでいる旅客機
  • これらの道具は,旅や仕事をするわたしたちの能力にどのような影響を与えてきましたか。

  • そのほかに,長年の間にどのようなツールが開発されて,何かを行う能力を高めてきたでしょうか。

  • このようなツールを知らなかったり,使い方が分からなかったりすると,生活はどうなるでしょうか。

旅行や仕事に役立つツールがあるのと同じように,聖文を研究し,天の御父とイエス・キリストに近づくために役立つツールもあります。

元中央日曜学校会長のタッド・R・カリスター兄弟は,次のように言っています:

タッド・R・カリスター会長

「今の世代の人たちは,先祖の多くに知られていなかった真理や知識,新たに検証された事実を見いだしています。それは,必ずしも今の世代の人たちが義にかなっているからでも,知性が高いからでもなく,持っているツールがいいからです。どんなに知識の豊富な農夫でも,馬とすきを使っているのであれば,高性能のトラクターを使いこなす同じように有能な農夫にはかないません。数学者が計算尺を手に闘っても,高速コンピューターを駆使する数学者に勝ち目はありません。ガリレオも,小型の手持ち式望遠鏡では,最新型の望遠鏡を使った場合と同じ宇宙は,絶対に発見できないでしょう。わたしたちには,自由に使えるツールがはるかにたくさんあるのですから,主は前の世代よりもわたしたちに,福音研究ではるかに多くのことを学ぶよう期待されているに違いありません。」(Tad R. Callister, The Infinite Atonement [2000], 21)

以下の質問について深く考えてください:

  • 疑問に対する答えを見いだし,天の御父とイエス・キリストに近づくために役立てることのできる聖文研究ツールを,あなたはどれくらい知っていますか。

  • あなたはそれらをどの程度使いこなせていると感じていますか。

この課を学びながら,聖文研究ツールと,それをどう役立てることができるかをよく理解するよう努めてください。

さらに詳しくる:聖文研究ツールを使う

聖文研究ツールとは何かを生徒にはっきりと理解してもらうために,以下のことを行います。

疑問の答えを見いだし,主に近づけるようにするために,主が与えてくださった聖文研究ツールにはどんなものがあるか考えて,書き出してもらいます。以下のツールが生徒から出なかった場合は,追加しましょう。

脚注

項目別索引

『聖句ガイド』

末日聖典合本の索引(英語)

地図

教会歴史に関する写真

ホワイトボードに書かれた様々なツールを指して,それは何で,どこにあるか尋ねます。生徒がよく知らない場合は,次の説明を使って,それがどこにあるかを教えるとよいでしょう。

脚注-脚注とは,ページのいちばん下に記載されている説明のことで,聖句に添えられた小さな数字と同じ番号の付いた脚注を見ると,その聖句に関連する参照聖句やテーマが分かるようになっています。「福音ライブラリー」アプリでは,脚注をタップすると,紙の聖典にあるのと同じ情報が表示されます。

『聖句ガイド』-このリソースには,聖文に出てくる語句の簡単な定義と,各用語に関連する参照聖句が幾つか載っています。モルモン書の巻末にありますし,「福音ライブラリー」アプリでは,「聖文」「学習ヘルプ」の順に進むと出てきます。

地図と教会歴史に関する写真-これは,末日聖典合本の最後にありますし,「福音ライブラリー」アプリでは,「聖文」「学習ヘルプ」の順に進むと出てきます。

見本を示す

クラス全体で聖文研究ツールを使って見本を示すために,次の活動を行います:

赦しについて自分が知っていること,知りたいことについて考えてください。

教義と聖約64:9-11を読んで,赦しに関する真理を見つけてください。

  • どのようなことが分かりましたか。この聖句は,天の御父とイエス・キリストについてどのようなことを理解するのに役立つでしょうか。

    ここで,生徒に,理解を深めるためにどのようなツールを使えばよいかを発表してもらいます。生徒にツールを発表してもらうときにはその使い方も説明してもらい,ほかの生徒にも全員そのとおりにしてもらいます。例えば,この聖句の脚注にある聖句を調べる生徒もいるかもしれません。また,『聖句ガイド』で「イエス・キリスト」や「贖い,贖う」の項を検索してもよいでしょう。

    何人かの生徒に,学んだことと,それが自分にとって意義深い理由を発表してもらいます。

  • この聖文研究ツールは,自分の学習にどのように役立ちましたか。

練習する

生徒に,ホワイトボードのところに来て,自分や自分の知っている人がもっと知りたいと思っている福音のテーマや,答えを知りたいと思っている疑問を書いてもらいます。あるいは,匿名の投票ツールを使って回答を集めてもかまいません。

生徒がなかなか思いつかないときは,次のテーマをホワイトボードに書くとよいでしょう。生徒に,疑問を感じているテーマや,研究するとイエス・キリストに近づくことができると思うテーマを下記の中から一つ選んでもらうか,自分で一つテーマを決めてもらいます。

  • 赦し

  • 啓示を受ける

  • 天の御父

  • わたしたちにイエス・キリストが必要な理由

  • 前世

  • 霊界

  • 最後の裁き

  • 結婚と家族

  • イエス・キリストの再臨

または,友達が上記のテーマの一つについてさらに知りたいと思っているとして,生徒にロールプレイしてもらってもよいでしょう。

聖文研究ツールを使って,このテーマや疑問を研究する時間を数分取ります。自分にとって意義深い真理や,疑問に対する答えを与えてくれる真理,天の御父とイエス・キリストに近づけてくれる真理を見つけてください。

十分に時間を取った後,学んだことや,どのツールを使って学んだかを二人一組か少人数のグループで話し合ってもらうとよいでしょう。その後,生徒に以下の質問に答えてもらってレッスンを終えます:

  • 自分の個人の聖文研究で常にこれらのツールを使うと,天の御父とイエス・キリストに関する知識や御二方と自分との関係はどう変わってくるでしょうか。