セミナリー
第169課—聖文の中でイエス・キリストに焦点を当てる:救い主の名前,称号,特質を研究する


「第169課—聖文の中でイエス・キリストに焦点を当てる:救い主の名前,称号,特質を研究する」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』

「聖文の中でイエス・キリストに焦点を当てる」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』

第169課:聖文研究の技術

聖文の中でイエス・キリストに焦点を当てる

救い主の名前,称号,特質を研究する

聖文の中にある救い主の絵

聖文の主要な目的の一つは,わたしたちが天の御父とイエス・キリストについて学べるようにすることです。御二方について学べば学ぶほど,御二方に対する信仰が深まります。この課は,聖文,特に教義と聖約を研究するときに,救い主に焦点を当てられるようになってもらうことを目的としています。

学習活動案

何が見えるか

以下の活動,またはあなた自身が考案した活動の一つを行って,救い主に焦点を当てる聖文研究の技術を紹介しましょう。この後のレッスンの準備として,生徒が教室に入ってきたときに,ぼやけた画像が見えるようにしておきます。

次のぼやけた画像を見て,何の絵だと思うか説明してみてください。

務めを果たしておられる救い主のぼやけた絵

次に,ピントの合った同じ画像を見てください。

務めを果たしておられる救い主

古代アメリカの人々に教えを説いている救い主の画像を生徒に見てもらいながら,次のような質問をするとよいでしょう。生徒に答えてもらうときは,彼らの意見や積極的な参加をあなたが大切にしていることを伝えます。

  • ピントの合った画像を見て,どのような細部に気付きましたか。

  • この画像を見て,あなたは救い主についてどのような考えや気持ちを抱きますか。

以下のような情報を提供して,生徒が今日のレッスンの目的をよく理解できるようにしましょう。

焦点を当てるという言葉は,何かを明確にする,関心の中心にする,特に注意を払う,ということを意味します。

  • 聖文を研究するとき,どうすれば,もっと救い主に焦点を当てることができるようになるでしょうか。

  • なぜ,救い主に焦点を当てなければならないのでしょうか。

この課を学びながら,聖霊の導きを求め,聖文研究で救い主に焦点を当てることが自分にとって祝福となる理由を探してください。救い主を研究の中心にする方法について深く考えてください。

定義する:イエス・キリストの名前と称号を確認する

救い主に焦点を当てるのに役立つ技術の一つは,聖文を研究しながら,救い主に使われている多くの名前と称号を見つけることです。これらの名前と称号は,天の御父が救い主に与えられた役割を表しています。

モデルを示す

次の聖句か,あなたが選んだ別の聖句を使って,生徒のためにこの技術を使って見せてください。レッスンの最初に見せた絵や,救い主の別の絵をホワイトボードに貼ってもよいでしょう。レッスン中に救い主の様々な名前や称号が出てくるので,それを見つけたら,生徒にホワイトボードの救い主の絵の周りに書いてもらい,その名前や称号がなぜ自分にとって意味があるのかを説明してもらうとよいでしょう。

教義と聖約6:21を読み,イエスが御自身を表すのに使われた名前や称号を一つ以上見つけてください。

  • どのようなことが見つかりましたか。

    この質問の答えとしては,「イエス・キリスト」「神の御子」「わたしは光である」などが考えられるでしょう。英語の称号「Christ(キリスト)」と「Messiah(メシヤ)」は,ギリシャ語およびヘブライ語の「anointed(油を注がれた者)」の翻訳から来ていることを知ると,生徒は興味を持つかもしれません。古代において,特別な儀式を執り行う義務を負っていた王や祭司たちは,油を注がれていました(『聖句ガイド』「油注ぎ」の項,scriptures.ChurchofJesusChrist.org参照)。したがって,すべての人の中で最も重要な義務を果たされた救い主は,神のすべての子供たちのために「油注がれた預言者,祭司,王,救う者」(『聖句ガイド』「メシヤの項」,scriptures.ChurchofJesusChrist.org)なのです。

  • これらの異なる名前や称号から,イエスについてどのようなことが学べるでしょうか。

  • その称号があなたにとって意味があるのはなぜですか。イエス・キリストについてこのことを理解すると,今の生活でどのような助けとなるでしょうか。

例えば,暮らしの中でもっと光が必要だと感じたとき,救い主がその光であられることを思い出すことができます。救い主は,わたしたち皆が天の御父のみもとに帰れるよう導いてくださいます。

名前と称号の重要性について深く考える助けとして,ビデオ「名前-御子は何と名付ければよいだろうか」(1:47)を見てください。このビデオはChurchofJesusChrist.orgにあります。

1:47

練習する

以下の活動は,生徒の状況に応じて,個人で行うか,少人数のグループで行うかを決めてください。また,個人学習で見つけた,自分にとって深い意味を持つ称号を発表してもらってもよいでしょう。

教義と聖約の中で,イエスの様々な名前や称号を見つける練習を続けてください。皆さんが研究する聖句の中には,複数の名前や称号が含まれているものもあります。名前や称号の意味を理解するのに助けが必要な場合は, scriptures.ChurchofJesusChrist.orgにある『聖句ガイド』を参考にしてください。

次の聖句の一部または全部を読み,名前や称号を見つけたら,すべて学習帳に記録してください。イエスの名前や称号から何が学べるか,イエスは自分の生活の中でどのように助けてくださるか,深く考えてください。

  1. 教義と聖約10:70

  2. 教義と聖約19:1

  3. 教義と聖約38:22

  4. 教義と聖約45:3

  5. 教義と聖約50:44

十分な時間を取って,生徒に研究し,深く考えてもらった後,そこから学んだことや感じたことを発表してもらいます。救い主の御名は,わたしたちを助けようとされる救い主の努力と結びついていることを強調する方法を,見つけてください。

定義する:救い主の神聖な特質を見いだす

以下は,聖文研究で救い主に焦点を当てるもう一つの方法です。レッスン時間に余裕があれば,この技術についても教師がやって見せ,生徒に練習してもらうとよいでしょう。

聖文研究で,救い主に焦点を当てるもう一つの方法は,主の神聖な特質を見つけることです。特質とは,正直さや思いやりなど,人が持っている,あるいは身につけてきた性質や特徴のことです。

モデルを示す

必要であれば,次の項の聖句の一つ,あるいはあなた自身が選んだ聖句を使って,救い主の特質を見つける方法を,生徒に見せるとよいでしょう。以下の活動の方法の一つは,教義と聖約の聖句を1枚の紙に一つずつ書き,教室のあちこちに貼ることです。生徒を少人数のグループに分けて,それぞれの紙を手に取ってもらい,そこに書かれている聖句をよく読んで救い主の神聖な特質を見つけてもらいます。

練習する

以下の聖句の一部または全部を読み,救い主の神聖な特質を見つけてください。あなたにとって重要な意味を持つ特質を一つ選び,救い主のその特質を理解すると,なぜ救い主への愛や信頼が深まるのかを簡単に説明してください。

  1. 教義と聖約19:24

  2. 教義と聖約61:2

  3. 教義と聖約62:6

  4. 教義と聖約101:9

  5. 教義と聖約133:52

例えば,19章で,天の御父の御心を進んで行おうとするというキリストの特質を,生徒が見いだすかもしれません。ホワイトボードに掲示した救い主の絵の周りに,救い主の名前や称号を書いてもらった場合は,見つけた特質もそこに書いてもらいます。生徒がレッスンに積極的に参加してくれたことに感謝し,救い主を愛し信頼しなければならない理由を強調します。

すべての章で救い主に焦点を当てる

  • 今日,学んで練習したことから考えると,イエス・キリストに焦点を当てることで,今後のあなたの聖文研究はどのように変わるでしょうか。

聖文を研究するときに救い主に焦点を当てることの大切さについて,教師が自分の証を生徒に分かち合うとよいでしょう。教義と聖約は,どの章でも救い主に焦点を当てるよう生徒に勧めます。

次のレッスンでは,救い主について,個人学習や家族での学習で見つけたことを発表してもらうとよいでしょう。今後のレッスンでは,機会を見つけて,このスキルを生徒がクラスで練習できるようにしてください。