セミナリー
第193課:自分の強みと能力を見いだす:仕事やほかの将来の役割に備える


「第193課:自分の強みと能力を見いだす:仕事やほかの将来の役割に備える」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』(2025年)

「自分の強みと能力を見いだす」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』

第193課:将来の教育と雇用に備える

自分の強みと能力を見いだす

仕事やほかの将来の役割に備える

プロジェクトに取り組む青少年

青少年が将来の責任と雇用の機会に備えるに当たって,自分の強みと,欠けていたり伸ばす必要があったりする能力が特定できれば役に立つでしょう。天の御父は,助けを求めれば,自分の強みと弱みを見いだせるよう導いてくださいます。この課は,生徒が現在の自分の強みと伸ばす必要のある能力を認識することで,将来の責任と雇用の機会に備えるのに役立ちます。

学習活動案

注:今後の「スキルと能力を伸ばす」というタイトルの課では,生徒がこの課で見つけたスキルと能力の幾つかを伸ばせるようにすることに焦点を当てます。あなたのレッスン予定で複数の課を組み合わせて教える必要がある場合は,この二つの課を一緒に教えると効果的かもしれません。

成功するために必要な強みと能力

生徒が将来担う可能性のある以下のような様々な役割をホワイトボードに書くとよいでしょう。

  • 学生

  • 見習い

  • 配偶者

  • 労働者

役割の一つを労働者とせず,より具体化することもできます。何人かの生徒に興味を持っている将来の職業を挙げてもらい,ホワイトボードに書くとよいでしょう。

生徒は少人数のグループで以下の質問について話し合ってもよいでしょう。各グループに責任を一つずつ割り当てるか,すべての役割について話し合ってもよいでしょう。

  • これらの役割で成功するには,どのようなスキルや能力が必要でしょうか。

話し合ったことを発表するよう各グループに促します。ホワイトボードの前に来て,当てはまる役割の隣に,必要だと思うスキルや能力を書いてもらうとよいでしょう。生徒に助けが必要な場合は,レッスンの後半で配付する資料にあるスキルを幾つか挙げるとよいでしょう。

話し合った後で以下のことを伝えて,生徒がこの課の残りの部分に備えられるようにしてください。

将来就きたいと思う責任や雇用の機会について考えてみてください。今日学ぶ中で,これらの責任に備えるために,すでに持っている強みとスキルを見いだすことができるよう,聖霊を通して天の御父の導きを求めてください。また,将来に向けてさらによく備えるのに役立つ,まだ伸ばす必要があるスキルと能力についても考えてみてください。

イエス・キリストによるわたしたちの可能性

ほかの人ほど才能やスキルがないと思って,自分のスキルや能力について考えるように言われると気持ちが沈んでしまう人がいることを説明します。聖文では,そのように感じるときに助けになる永遠の真理が教えられています。

以下の聖句を幾つか研究して,イエス・キリストを通して可能性を発揮する自らの能力を認識できるよう,助けてくれる永遠の真理を見つけてください。

サムエル上16:7ピリピ4:13モルモン書ヤコブ4:7アルマ26:12教義と聖約18:10

  • 人生で成功するためのスキルや能力が欠けていると感じる人の助けとなる真理が見つかりましたか。それはどのような真理ですか。

生徒は次のような真理を指摘するかもしれません:主は外の顔かたちではなく,心を見られるサムエル上16:7参照);わたしたちを強くすることがおできになるイエス・キリストによって,何事でもすることができるピリピ4:13アルマ26:12参照);人の価値は神の目に大いなるものである教義と聖約18:10参照)。

  • 自分の能力に落胆したとき,これらの真理はどのような助けとなるでしょうか。

自分の強みと能力を見いだす

わたしたちは神の形に創造された神の子供として,それぞれが異なる強みと能力を授かっていることを生徒に思い起こしてもらいます。中には,神から授かった強みと能力を認識するのが難しい生徒もいるかもしれません。

十二使徒定員会のロナルド・A・ラズバンド長老は,天の御父が与えてくださった才能や強み,能力を認識する方法を分かち合っています。

ロナルド・A・ラズバンド長老

「神から頂いている才能は,まずは好きなことを突き詰めるうちにはっきりと分かるようになります。自分にはどんな才能があるのだろうかと悩んでいる人は,好きなことのリストを作ってみてください。生活の様々な分野で楽しんで行っていることをすべて書き出すのです。例えば霊的な分野,音楽,演劇,学業,スポーツの分野などを考えてください。目が開かれて霊感を受けられるよう,祝福師の祝福を研究し,思いを巡らしてください。家族や信頼できる友人,教師,指導者に相談してください。周りの人の方が,自分自身ではよく見えない部分をはっきりと見ていることがよくあります。」(ロナルド・A・ラズバンド「イエスのたとえ――タラントのたとえ『リアホナ』2003年8月号,36)

  • 現在の自分の才能,強み,能力が分かると,将来の責任や雇用の機会について考える際にどのように役立ちますか。

将来の責任や雇用の機会によりよく備えられるよう,自分が持つ,あるいは伸ばす必要のある強みと能力を見つける時間を取ります。以下は,生徒がこれを行うのに役立つアイデアです。これらの活動に取り組むとき,天の御父が御覧になるように自分自身を見ることができるよう,天の御父からの霊感を求めるよう促します。

  • 現在興味を持っていることを書き出します。興味に関連した,目指せそうな雇用の機会について考えます。生徒の興味に合いそうな雇用の機会を幾つか示して助けてもよいでしょう。

  • 祝福師の祝福を受けた生徒は,祝福文を読んで,自分について理解する助けになることを見つけます。

  • 生徒を少人数のグループに分け,互いに気づいた強みや能力について話し合いましょう。また,クラスの前に親や神権指導者に連絡して,彼らから見た生徒の能力を説明するメモを書くよう依頼してもよいでしょう。

  • 配付資料のアイコン「スキルと能力の自己評価」というタイトルの資料を配り,時間を取って,生徒に記入してもらいます。この評価には,雇用主が一般的に従業員に求めるスキルが列挙されていることを説明します。

スキルと能力の自己評価

以下の各文について,あなたの自信の度合いをレベル1(自信がない)からレベル5(非常に自信がある)で評価してください。

  1. わたしは人と上手にコミュニケーションを取ることができます。

  2. わたしは自発的です。

  3. わたしは努力家です。

  4. わたしは困難な状況をよく考えて解決策を見つけることができます。

  5. わたしは新しいことを学び,挑戦する意欲があります。

  6. わたしは正直で信頼できます。

  7. わたしは協調性があります。

  8. 割り当てられた仕事をするに当たり,わたしは人から頼りにしてもらえます。

  9. わたしは時間をきちんと管理して,有効に使うことができます。

  10. わたしは時間を守れます。

十分な時間を取ってこの振り返りの活動を行った後,以下のような質問をして,考えを発表してもらいます。

  • 自分自身についてどのようなことが分かりましたか。

  • あなたが学んだことは,将来にさらによく備えるうえでどのように役立ちますか。

生徒が自分自身について今日学んだことを要約して覚えていられるように,以下の文を示し,空欄を埋めて学習帳に記録するよう促すとよいでしょう。

  • わたしが持つ強みと能力で,将来担うであろう責任に役立つものの一つは,……です。

  • 将来の責任によりよく備えるためにわたしが伸ばしたいスキルまたは能力の一つは,……です。

今後の課(「スキルと能力を伸ばす」)では,2番目の文で特定したスキルや能力を伸ばす方法について考える機会があることを説明します。これらのスキルや能力を伸ばす方法を,今から考え始めるよう促しましょう。生徒の成長と進歩を助けてくださる主の能力と意欲について証してください。