「境界線を設ける」『配偶者のために』(2021年)
「境界線を設ける」『配偶者のために』
境界線を設ける
ある母親は,長年の間,依存症やそのほかの不適切な選択に深くかかわっている息子を助けようと努力を続けていました。彼女は,自分がそうした選択から息子を救えなかったことを失敗のように感じていました。息子は何年もの間,家族から離れて過ごしていました。息子が徐々に,もう一度かつての人間関係に戻ろうとし始めたとき,彼女は自分の家の中では何が許され,何が許されないかという境界線を設けました。これらの境界線は彼女を守り,息子の依存症を助長しないための助けとなりました。「境界線を設けると,わたしたちは自分の霊的,情緒的,また物理的な必要を満たせるようになり,最終的には安心と平安を得ることができます。」1
好ましくない選択は秘密にしていると増幅します。そして,偽りがその活力源です。愛する人に転機が訪れるのは,隠したり偽ったりすると好ましくない選択が是正されないということに気づくときです。愛する人からうそをつかれたり,だまされたり,好ましくない行動の大半を知らされなかったりすると,わたしたちは彼らを信頼することができなくなります。忌憚なく率直に話すことは,信頼関係を立て直す第一歩です。