イエス・キリストと永遠の福音教師用手引きについて(宗教250)
宗教教師に求められること
教える準備をするときは,宗教教育セミナリー・インスティテュートの目的を理解することが重要である。
「わたしたちの目的は,以下のことができるよう,青少年とヤングアダルトを助けることです。イエス・キリストの教えと贖いについて理解しそれに頼る。神殿の祝福を受ける資格を得る。天の御父とともに永遠の命にあずかるため,自分自身と自分の家族と周りの人々を備える。」(『福音を教え学ぶ—宗教教育セミナリー・インスティテュートの教師ならびに指導者用手引き』ⅹ)
この目的は,イエス・キリストの福音に従って生活し,生徒に福音を効果的に教え,クラスまたはプログラムを適切に管理運営することによって達成できる。これらの方法によって備え,福音を教えるとき,聖霊の影響を受けるにふさわしい状態となる。
これは,信仰を強め,改心を深めることができるように,生徒が御霊によって学ぶことを助ける機会である。イエス・キリストの福音の真理と重要性を明確にし,理解して感じ取るとともに,その偉大な教義と原則を生かす準備をするように生徒を導くとき,生徒がこれらを達成する援助をすることができる。
『福音を教え学ぶ』ハンドブックは,教育過程を理解し,教室で効果的に教えるための必要不可欠な資料である。このハンドブックは,頻繁に参照することが推奨されている。
このコースの目的
イエス・キリストと永遠の福音コースは,前世,現世,および来世の全てを通じたイエス・キリストの神聖な役割に焦点を当てることにより,生徒にイエスの永遠の教導の業について学ぶ機会を提供する。本コースでは,標準聖典,現代の預言者の言葉,「生けるキリスト—使徒たちの証」(『リアホナ』2000年4月号,2)が霊感を受けた資料として使用される。十二使徒定員会のリチャード・G・スコット長老は,イエス・キリストの生涯と使命を研究することの重要性を強調している。
「わたしは熱意を込めて皆さんに勧めます。イエス・キリストが神から任ぜられた救い主,贖い主としての召しを完全に果たされた結果,わたしたちがあずかっている比類のない永遠かつ無限の恩恵を理解し,その価値が分かるよう,個人で計画を立てて学習してください。そうするように,心を込めて祈り求めながら,聖文について個人で深く思い巡らしてください。無限の価値を持つ救い主の贖罪がよく理解できるようになり,感謝が深まることでしょう。」(「生きて変わらぬ主,御名に栄えあれや」『リアホナ』2010年5月号,75)
生徒たちが,救い主の神聖な召しと,救い主が彼らの生活に及ぼす影響の偉大さを理解して感謝するようになると,生徒たちは人生の試しに対して強められ,彼ら個人の人生が必要不可欠な部分である救いの計画における救い主の神聖な役割について話し合うための準備が整っていると感じるようになる。
生徒に求められること
生徒は,各レッスンの生徒用資料にリストアップされている聖句と預言者のお話を読むようにする。生徒は出席規定を満たし,コース内容についての高い理解度を示さなければならない。
この手引きのレッスン構成
本コースは,2学期制コース向けに考案されたもので,28の50分クラス用レッスンで構成されている。1週間に2回クラスがある場合は,1回のクラスで1つのレッスンを教える。1週間に90-100分が1回のみの場合は,各クラスで2回分のレッスンを行う。各レッスンは大まかに4つの項から成っている。
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はじめに
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背景となる読み物
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教えるための提案
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生徒用資料
はじめに
このセクションには,レッスンのトピックと目的についての簡単な紹介が記載されている。
背景となる読み物
このセクションでは,現代の預言者からのメッセージなど,レッスンの対象となる教義,原則,および福音の真理をよりよく理解するために役立つリソースが提案されている。
教えるための提案
教えるための提案セクションには,何をおよびどのように教えるかを知るために役立つ資料が含まれている(『福音を教え学ぶ』ハンドブックのセクション4.3.3,および4.3.4も参照)。提案されている学習活動は,生徒が神聖な真理を明確にし,理解して,それらを生かすことができるように考案されている。これらの提案は,各自の教え方,および生徒たちの必要や状況に応じて適応させていくため,提案の全てを使用,または一部のみの使用にとどめてもよい。レッスン資料をどのように適応させるかを検討するときは,十二使徒定員会のダリン・H・オークス長老の次の勧告に従うようにする。
「パッカー会長は度々,まず最初に身につけてから適応させるようにと教えてくれました。生徒に教える規定のレッスンをしっかりと学んでおけば,それを御霊に従って適応させていくことができるようになります。しかし,この柔軟性について話すとき,身につけるよりも先に適応することから始めてしまうという危険が存在します。バランスが必要です。これは頻繁に起きるチャレンジです。しかし,まず最初にしっかりと身につけてから,状況に合わせて適応させるというアプローチは,正しい見解を維持するよい方法です。」(「ダリン・H・オークス長老とのパネルディスカッション」〔宗教教育セミナリー・インスティテュート衛星放送〕2012年8月7日;si.lds.org)
教えるための提案セクションには,教義または原則についての記述が少なくとも一つ太字で記載されている。生徒がこれらの教義や原則を見いだし,学んだ事柄を分かち合うときに生徒が使う言葉は,手引きに書かれているものとは異なる場合がある。使う言葉が異なる場合でも,答えが間違っていると思わせないように気をつける。しかし,生徒の発言をより正確にできる場合は,生徒が理解したことを明確にできるように注意深く助ける。
生徒が生涯にわたって聖文を学ぶことを助けるために,末日聖徒版の聖文で利用できる学習ガイドの使い方を教える。クラスでは,生徒たちが聖文の研究スキルと方法を練習するために役立つ機会を利用する(『福音を教え学ぶ』20-23参照)。そうすることにより,生徒は聖文への愛を深め,各自の質問に対する答えを見つける力を得,聖霊の力によって導かれることを学ぶ。
生徒用資料
このセクションには,レッスン内のトピックに対する生徒の理解を深める聖句および教会の中央幹部によるお話がリストアップされている。クラスに来る前にこれらの資料を読んでおくよう生徒に勧める。これらの霊感を受けた資料を研究するとき,生徒はクラスの話し合いに参加する準備が整うだけでなく,コースのトピックについてさらに深く理解できるようになる。学期の最初,生徒に「生徒用資料」の全リストを配る。
教える準備をする
主は,教える準備をするための助けを与えてくださる。準備をするときは,自分に対して次の質問を尋ねると役に立つ場合がある。
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聖霊の導きを受けるために祈ったか。
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割り当てられた聖文と背景となる読み物を研究したか。
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カリキュラムを読み,生徒たちの必要を満たすように適応させたり調整する箇所があるかどうか判断したか。
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生徒が生徒用資料を最大限に生かしていることを確実にするためにはどのようにフォローアップできるか。
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レッスンに十分に参加できるよう各生徒を助けるには何ができるか。
以下の提案も役に立つ場合がある。
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レッスンの前に割り当てられた聖句や記事を読むよう生徒に勧める。
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生徒が学習者としての役割を果たすことを期待する。
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教義と原則を自分の言葉で説明し,それに関する経験を分かち合い,知っていることや感じたことを証する機会を生徒たちに頻繁に与える。
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各クラス,および日々使用する学習活動やアプローチに変化を持たせる。
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生徒が互いに教え,学び合う特権と責任を持つ,御霊を招く学習環境を作る(教義と聖約88:78,122参照)。
十二使徒定員会のリチャード・G・スコット長老は次のように教えている。
「生徒による選択の自由は聖霊による導きを受け入れるため,御霊が十分に関与してくださることをお約束します。……生徒が真理を言葉にするとき,彼らの魂の中でその真理が立証され,個人の証が強められるのです。」(“To Understand and Live Truth”〔リチャード・G・スコット長老との夕べ,2005年2月4日〕3;si.lds.org)
障がいを持つ生徒のためにレッスンを適応させる
教える準備をするときは,特定の必要性がある生徒に配慮する。活動や想定を調整して,彼らが成功できるようにする。例えば,録音された聖文へのアクセスが効果的な生徒もいるかもしれない。これらの録音は,LDS.orgで簡単に入手できる。
さらにアイデアやリソースを入手するには,disabilities.lds.orgの障がいに関するリソースページ,および宗教教育セミナリー・インスティテュートのポリシーマニュアルにある「障がいを持つ生徒のための適応クラス」というタイトルのセクションを参照する。