第26課
イエス・キリストは王の王として全地を治め,世を裁く
はじめに
福千年の間,イエス・キリストは「王の王として治め,主の主として統治されます。イエス・キリストの前に全てのひざがかがみ,全ての舌がイエス・キリストを賛美することでしょう。わたしたち一人一人は将来,自分の行いと心の望みについて裁きを受けるためにイエス・キリストの前に立つことになります。」(「生けるキリスト—使徒たちの証」『リアホナ』2000年4月号,3)このレッスンは,福千年までその祝福の幾つかを待つ必要はないことを理解する助けとなる。
背景となる読み物
教えるための提案
教義と聖約65:1-6
イエス・キリスト御自身が地上を統治される
生徒たちがいつも決まってお祈りすることについて,紙に書き出してもらう。差し支えなければ,何人かの生徒に自分たちが書いたことを分かち合ってもらう。
一人の生徒に,教義と聖約65章の前書きを読んでもらいます。(生徒たちが2013年版の聖典〔英語版〕を利用することができない場合,この章は,預言者ジョセフ・スミスを通して与えられた祈りについての啓示であることを説明する。)この啓示の中で,特にわたしたちが末日に起こると預言された出来事が成就するのを目にするときに,わたしたちが祈るべきことを主が教えられていることを説明する。
二人の生徒に,教義と聖約65:1-2を順番に読んでもらう。福音を宣べ伝えることについて主が語られていることを探しながら,クラス全体も一緒に黙読してもらう。その後,質問する。
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イエス・キリストの福音は,どこまで宣べ伝えられるでしょうか。(生徒たちは次の教義を認識する必要がある。イエス・キリストの福音は,地の果てまで宣べ伝えられる。この教義をホワイトボードに書く。
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2節によると,人手によらずに山から切り出された石とは何ですか。
生徒たちが答えた後で,スペンサー・W・キンボール大管長(1895-1985年)の次の話を読む。
「末日聖徒イエス・キリスト教会は……天の神によって建てられた王国であり,滅ぼされることも取って代わられることもないものである。……19世紀の初頭,ついにその日はやって来た。……教会は組織された。当初教会は,わずか6人しか会員のいない小さなものであった。それは,人手によらずに山から切り出されて,他の国々を粉々に打ち砕き,転がって全地を満たすはずのあの石とは比較にならないほど小さなものであった。……現在,その石は転がり出て,全地を満たそうとしているのである。」(「人手によらずに切り出された石」『聖徒の道』1976年8月号,318,319)
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地上の神の王国の一部になるとは,あなたにとってどんな意味がありますか。
一人の生徒に教義と聖約65:3-4を声に出して読んでもらう。別の生徒に5-6節を声に出して読んでもらう。わたしたちが祈るべきことについての主の勧告を探しながら,クラス全体も一緒に黙読してもらう。その後,次の質問について話し合う。
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これらの聖句によると,わたしたちが再臨に備えるときに,何について祈るべきですか。(この質問に生徒が答えるときに,6節とマタイ6:10にある主の祈りの言葉とを比較させてもよい。)
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6節に述べられている,二つの王国とは何ですか。(地上の「神の王国」〔または教会〕と「天の王国」。)
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地上の「神の王国」に主は何を命じられましたか。(生徒たちが答えるときに,次の教義を強調する。地上の神の王国,つまりイエス・キリストの教会は,世界中に広がり,地上の住人をキリストの福千年の統治に備えさせる。)
(注:福千年の間に,イエス・キリストが地上の全ての政治的および宗教的な事柄を統治されることを強調する必要があるかもしれない。〔『教義と聖約 生徒用資料』(教会教育システム)152-153参照〕)
次の表をホワイトボードに書き写すか,生徒一人一人に資料として渡す(かっこ内の内容は教師専用)。
イエス・キリストと福千年 | ||
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福千年の間,キリストは何をされるでしょうか。 |
(キリストは,地上で神の王国を統治し,わたしたちの裁き主,立法者としての役割を果たし,わたしたちを救われる。) | |
福千年の間,キリストはどこにおられますか。 |
(主は地上に来られて,主の民と住まわれる。) | |
福千年の間,キリストはどのように統治されますか。 |
(キリストは王並びに立法者となられる) | |
キリストの統治はどんな影響を及ぼしますか。 |
(平安,調和,正義が地上に打ち立てられ,サタンは人々の心を支配する力を持たなくなる。) |
(注:時には聖典を項目ごとに研究することの大切さをこの活動が表していることを説明してもよい。聖典を項目ごとに研究するときに,パターンやテーマなどでより明確に詳細が見えるようになる。)
クラスを4人一組のグループに分ける。それぞれのグループの一人の生徒に,参照聖句を研究してもらい表の1行目の質問に答えてもらう。グループの次の生徒には2行目,その次の生徒は3行目といった形で聖典を学ばせる。自分に割り当てられた質問に答えるために必要な言葉や文章に特に注意するよう指示する。生徒たちが自分の見つけたことに印をつけるよう提案してもよい。十分に時間を与えた後で,自分の学んだことをグループの他のメンバーと話し合うようにさせる。
(注:可能であれば,レッスンの準備のときに,次の解説を参考にする。1ニーファイ22:26;『モルモン書 生徒用資料』〔教会教育システム〕44)
その後,次の質問をする。
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グループで話し合ったことから,福千年についてあなたが最も待ち望むことは何ですか。(生徒たちが答えた後で,次の教義をホワイトボードに書き出す。福千年の間,救い主御自身が地上を統治される。)
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わたしたちの今現在の生活を,救い主に個人的に治めていただくにはどんな方法がありますか。
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わたしたちの生活を,救い主に治めていただけるとしたら,わたしたちの生活はどのように変わるでしょうか。
スペンサー・W・キンボール大管長の次の言葉を読み聞かせる。
「一つの家庭でサタンが縛られるとき,そして一人の人の生活の中でサタンが縛られるとき,福千年は既にその家庭,その人の生活の中で始まっているのである。」(The Teachings of Spencer W. Kimball, エドワード・L・キンボール編〔1982年〕,172)
自分や家族の生活を救い主に個人的に治めていただくためには何ができるかをよく考えることができるよう時間を与える。
ヨハネ5:22;マタイ12:36-37;黙示20:12-13;モーサヤ4:30;教義と聖約137:9
イエス・キリストはわたしたちの裁き主になられる
次の参照聖句を表示するか,ホワイトボードに書き出す。
生徒たちに,もし友人が次の質問をしてきたら,どう答えるかを想像してもらう。「裁きの日にわたしたちを裁くのは誰ですか。」「わたしたちはどういう基準で裁かれるのですか。」生徒たちに時間を数分与えて,ホワイトボードに書きだした聖句を学ばせて,この質問の答えを考えてもらう。少し時間を与えたら,自分の考えを隣の人と話し合ってもらう。その後で,クラス全体に質問する。
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裁きの日について何を学びましたか。(生徒たちが,次の教義を認識できているとよい。イエス・キリストはわたしたちの裁き主になられる。)
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救い主は何に基づいてわたしたちを裁かれますか。(答えには,次の教義が含まれているとよい。救い主はわたしたちの言葉,思い,行いそしてわたしたちの心の願いに応じて裁かれる。)
十二使徒定員会のリチャード・G・スコット長老が述べた次の言葉を読み聞かせる。
「主は完全で罪のない生涯をお過ごしになったため,正義の要求には縛られませんでした。主は,愛,哀れみ,忍耐,従順,赦し,謙虚さを含む全ての特質において完全であられました。 ……
計り知れないほど大きな代価を支払うために,救い主が想像を絶する苦痛と苦悶によって,わたしたちの贖い主,仲保者,裁き主になられたことを証します。」(「贖いは,平安と幸福を確固としたものとする」『リアホナ』2006年11月号,42)
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イエス・キリストがわたしたちの「最後の裁き」をされるという知識は,わたしたちが最後の裁きについて感じていることにどのように影響しますか。
カードか紙に次の質問を書いて,よく見える場所にそれを掲げるように勧める。「今日のわたしの一日を主に治めていただくにはどうしたらよいだろうか。」