第22課
天の御父と御子はジョセフ・スミスに御姿を現された
はじめに
「生けるキリスト—使徒の証」にはこう書かれています。「現代においては,〔イエス・キリスト〕は御父とともに,少年ジョセフ・スミスに御姿を現されました。こうして,長い間約束されてきた『時の満ちる』神権時代が到来したのです(エペソ1:10)。」『リアホナ』2000年4月号,3)この課では,末日聖徒イエス・キリスト教会の教義における最初の示現の中心的役割と,その示現の救い主の役割に焦点を当てる。この課では,最初の示現を研究することにより,わたしたちの父なる神とイエス・キリストへの信仰が強められることも強調する。
背景となる読み物
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ゴードン・B・ヒンクレー「わたしたちの信仰の驚くべき基盤」『リアホナ』2002年11月号,78-81
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ディーター・F・ウークトドルフ「最初の示現が結んだ実」『リアホナ』2005年5月号,36-38
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ニール・L・アンダーセン「ジョセフ・スミス」『リアホナ』2014年11月号,28-31
教えるための提案
ジョセフ・スミス—歴史1:14-17
ジョセフ・スミスは,父なる神とその御子イエス・キリストにまみえた
ジョセフ・スミス—歴史1:5-12の内容をを簡単に復習することから,このレッスンを始める。ジョセフ・スミスの真理を探求する経験とわたしたちの時代に真理を探求する経験の共通点を指摘して,この聖句を生活に当てはめてもらう。(答えは次の内容を含むことが望まれる—さまざまな教会の間で論争があった。倫理や知識ではどの教会が正しいのか分からなかった。宗教指導者たちは,同じ聖句をそれぞれ違う意味に解釈していた。)
一人の生徒に,ジョセフ・スミス—歴史1:14-15を読んでもらう。その後で,クラス全体に質問する。
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サタンはなぜジョセフ・スミスの祈りを阻止しようとしたと思いますか。(答えは,次の内容を含むことが望まれる。サタンは,前世からジョセフ・スミスを知っていて,ジョセフ・スミスの予任された使命が地上に真理を回復する助けとなることだと知っていた。サタンはこのことが起こることを妨げようとした。)
生徒たちに,ジョセフ・スミス—歴史1:16-17を黙読してもらい,ジョセフ・スミスの証から明らかにされた教義を書き出してもらう。十分に時間を与えた後で,彼らが見つけた教義を分かち合ってもらう。
七十人のクリストフェル・ゴールデン長老の次の話を見せてもよい。
「預言者はこのように記しています。『わたしは筆紙に尽くしがたい輝きと栄光を持つ二人のお方がわたしの上の空中に立っておられるのを見た。すると,そのうちの御一方がわたしに語りかけ,わたしの名を呼び,別の御方を指して,「これはわたしの愛する子である。彼に聞きなさい」と言われた。』〔ジョセフ・スミス—歴史1:17〕
少年ジョセフのこの経験と,その後に受けた多くの示現と啓示から,神は実際に存在すること,御父とその御子イエス・キリストは明らかに別個の御方であられること,人は神にかたどって造られていること,天の御父は文字どおりイエス・キリストの御父であられること,神は引き続き御自身を人に現されること,神はいつもわたしたちの近くにおられ,わたしたちに関心を寄せておられること,神はわたしたちの祈りにこたえてくださることが明らかになっています。」(「御父と御子」『リアホナ』2013年5月,100)
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末日聖徒の教義におけるジョセフ・スミスの最初の示現の重要性をどのように説明しますか。(生徒たちが答えていく中で,次のことを強調する。御父と御子のジョセフ・スミスの示現は地上に多くの重要な真理を回復した。)
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ジョセフ・スミスの最初の示現は,今日の真理の探求者にどんな意義をもたらしますか。
ゴードン・B・ヒンクレー大管長(1910-2008年)の次の話を見せて,生徒の一人に読み上げてもらう。
「末日聖徒イエス・キリスト教会の会員としてのあらゆる信条は,この栄光に満ちた最初の示現が真実であるという事実に立脚しています。……わたしたちの教義のよりどころとして,そして,わたしたちの教えのよりどころとして,また,わたしたちの生きるよりどころとして,この最初の宣言以上に重要なものは他にありません。わたしは,もしジョセフ・スミスが父なる神やその愛する御子と話をしたというならば,ジョセフの語ったそれ以外のことも全て真実であると申し上げておきます。救いと永遠の命に至る数々の真理の土台となっているのが,この教義なのです。」(「人々がわたしたちについて尋ねること」『リアホナ』1999年1月号,77)
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なぜ「末日聖徒イエス・キリスト教会の会員としてのあらゆる信条」が,この栄光に満ちた最初の示現が真実であるという事実に立脚しているのですか。(ジョセフ・スミスの説明が間違いならば,イエス・キリストの教会の回復は起こらなかったことを,生徒たちは理解すべきである。しかし,ジョセフ・スミスの説明が真実であるなら,回復は確かなことであり,回復された福音は真実であるということになる。)
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最初の示現が真実であるという証をどのようにして得ましたか。
最初の示現が真実であるという確信を新たにするために,何ができるか生徒たちに考え始めてもらう。十二使徒定員会のニール・L・アンダーセン長老の次の話を分かちあってもよい。
「今日この話を聞いている,あるいは後日この話を読む青少年の皆さんに特別な勧めをさせていただきます。預言者ジョセフ・スミスについて個人的な証を得てください。……高価な真珠にある預言者ジョセフ・スミスの証を読んでください。……それは,実際にあった出来事について語ったジョセフ・スミス自身の証です。何度も読んでください。ジョセフ・スミスの証を自分の声で録音して,定期的に聴いたり,友人に紹介したりしてもよいでしょう。預言者の証を自分の声で聴くことで,求めている証が得られるかもしれません。」(「ジョセフ・スミス」『リアホナ』2014年11月号,30)
レッスンを続ける前に,この神権時代に救い主がジョセフ・スミスやその他の人たちを訪れたのは最初の示現だけではなかったことを生徒に説明する。例えば,教会の回復の初期の頃にイエス・キリストはジョセフ・スミスや他の教会の指導者たちに数回姿を現されたことがある(教義と聖約76:22-24;110:1-10)。
ジョセフ・スミス—歴史1:17-20
「これはわたしの愛する子である。彼に聞きなさい」と言われた。
ジョセフ・スミス—歴史1:17を復習してもらい,天父がジョセフ・スミスに御姿を現されたときに,天父が何をされたかを質問する。(天の御父は御子を紹介された。)最初の示現のこの部分が特に大切であることを考えたことがあるか,生徒に尋ねてもよい。ジョセフ・フィールディング・スミス大管長(1876-1972年)の次の話を生徒たちに読んで聞かせる。
「堕落以後に与えられた啓示は皆,イエス・キリストを通して与えられたものである。……御父は堕落以降,直接人と接することは一度もなかったし,御子を紹介し御子について証するとき以外は姿を現されたことはなかった。」(Doctrines of Salvation, ブルース・R・マッコンキー編,全3巻〔1954-1956年〕,第1巻,27)
「アダムがエデンの園にいたとき,アダムは神である永遠の父の御許にいた。堕落の後,アダムは御父の御前から追い払われた。……その後,聖典によると,イエス・キリストはアダムとアダムの子供たちの弁護者になられ〔1ヨハネ2:1;教義と聖約29:5;110:4〕,また,人間と永遠の御父の間に立たれ,わたしたちの罪を弁護する仲保者になられた〔1テモテ2:5;へブル9:15〕。それから後は,イエス・キリストは地上の使いたちを導き,啓示と導きを預言者に与えた。もしもジョセフ・スミスが偽りを言っていたのだとすれば……御子を紹介して,御子に質問をするように言ったのが御父だった,またお答えになったのは,御子だったとは言わなかったでしょう。」(Answers to Gospel Questions, ジョセフ・フィールディング・スミス・ジュニア編,全5巻〔1957-1966年〕,第3巻,58)
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最初の示現で,どの宗派が正しいのかとジョセフ・スミスが尋ねたとき,どちらのお方が彼の質問に答えたでしょうか。
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ジョセフ・フィールディング・スミス大管長によると,天の御父がイエス・キリストを紹介して,それからイエス・キリストがジョセフ・スミスの質問にお答えになったと記録することは,ジョセフ・スミスにとってなぜ重要だったのでしょうか。(生徒たちは次の真理を理解する必要がある。アダムとエバの堕落から,全ての啓示はイエス・キリストを通じてもたらされてきた。)
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この啓示のパターンを理解することは,預言者ジョセフ・スミスの示現の説明が真実であるというあなたの信頼に,どう影響するでしょうか。
最初の示現は,イエスキリストへの信仰を深める助けになる。
一人の生徒に,大管長会のディーター・F・ウークトドルフ管長の次の話を読んでもらう。
「このように,ジョセフ・スミスの最初の示現は,個人と家族の生活,ひいては全人類に祝福をもたらします。わたしたちは預言者ジョセフ・スミスの証を通してイエス・キリストを信じるようになるのです。人類の歴史と通じて,預言者と使徒たちは,ジョセフのような神の訪れを経験しています。
……このような現れは,古代・近代を問わず,信じる人を全ての義と希望の神聖な源である神,すなわち天の御父とその御子イエス・キリストへと導きます。 ……
預言者ジョセフの証と最初の示現が真実であることを信じ,熱心に研究し心から祈るなら,『1820年の早春,美しい晴れた日』にジョセフと語られた世の救い主について確固とした信仰を持てるようになるでしょう(ジョセフ・スミス—歴史1:14)。」(「最初の示現が結んだ実」『リアホナ』2005年5月,38)
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ウークトドルフ管長によると,最初の示現を学ぶことからどんな祝福がもたらされるでしょうか。(生徒たちは各自違う言葉で表現するかもしれないが,次の原則を認識しているとよい。最初の示現を学ぶにしたがって,神なる御父と御子イエス・キリストへの信仰を強めることができる。)
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御父と御子がジョセフ・スミスを訪れたことについて学ぶことは,わたしたちのお二方への信仰をどのように深めるでしょうか。(次のような答えが予想される。最初の示現は,御二方が生きておられるというもう一つの証である。御二方は人間の営みに関心をお持ちであるということをわたしたちが再認識する。御二方が祈りを聞き,それにこたえてくださることは明らかである。)
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最初の示現は,回復についてのあなたの証にどんな役割を果たしていますか。
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最初の示現についての証を強めるため,あるいはその証を受けるために,今週あなたは何をすることができるでしょうか。
最初の示現について,数日中によく考えたり祈ったりする時間を取るように,生徒たちに勧める。ジョセフ・スミスの神聖な経験について,生徒たちが思ったことや気持ちを書き出してもらう。
生徒の読書課題
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ディーター・F・ウークトドルフ「最初の示現が結んだ実」『リアホナ』2005年5月号,36-38