セミナリー
マスター教義:エペソ1:10


マスター教義:エペソ1:10

すべてのものの回復

Painting of the first vision by Walter Rane. The Father and Son appear to Joseph Smith in the sacred grove.

エペソ1章の学習では,回復の教義について学びました。この課では,この聖句の場所と重要語句を暗記し,その教義を説明し,霊的な知識を得るための原則を実際の状況に応用することによって,エペソ1:10の教えを使いこなせるようになる機会を提供します。

マスター教義の目的を思い出す。十二使徒定員会のM・ラッセル・バラード会長は,次のように説いています:「〔マスター教義は〕イエス・キリストを信じる生徒の信仰を築き,強めること,また生活の中で福音を実践し,応用する彼らの能力を増し加えることによって彼らを強化することに焦点を当てます。聖文と預言者の言葉を活用しながら,生徒はキリストを信じる信仰をもって行動し,主の福音に関する霊的な知識と理解を身につける方法を学びます。また,キリストの教義と福音の原則を,同世代の人々の間で,またソーシャルメディア上で見聞きする疑問や難題に応用する方法を学びます。」(M・ラッセル・バラード『21世紀においてCES教師に与えられている機会と責任』〔CES宗教教育者向け説教,2016年2月26日〕,broadcasts.ChurchofJesusChrist.org

生徒の準備: 生徒には,回復についてだれもが知って理解する必要があると感じている真理を,少なくとも二つ発表する準備をしてクラスに来るよう伝えます。

学習活動案

このマスター教義聖句の課は,「エペソ1章」の課を学んだ後で学習することが想定されています。「エペソ1章」の課は,マスター教義聖句 エペソ1:10 の背景を学ぶ課だからです。このマスター教義のレッスンを別の週に移動する必要がある場合は,その週のうちに背景の課も教えるようにしてください。

説明と暗記

エペソ1章 の回復の教義について学んだ日に,セミナリーを欠席したクラスメイトがいたと想像してください。セミナリー教師は,すべての生徒が知り,覚えておくべきと思われる必要があると思われる回復の教義と エペソ1:10 の教えについて,数分間で要約するようにとあなたに課題を出しました。

これに答えるために,生徒はこのレッスンの「生徒の準備」で行ったことを活用することができます。生徒の回答によく耳を傾け,理解度を評価します。必要に応じて,前のレッスンの聖句と原則を復習します。

  • 福音の回復について,あなたはどのような重要な真理を分かち合いますか。それはなぜですか。

  • エペソ1:10 の教えを自分の言葉で説明してください。

  • 回復を理解することで,天の御父とイエス・キリストに対する理解や気持ちにどのような影響があるでしょうか。

生徒がマスター教義聖句 エペソ1:10 の場所と重要語句を暗記する機会を設けます。例えば,次のような方法で行うとよいでしょう:

学習帳またはデジタル端末に, エペソ1:10 のマスター教義聖句習得のための重要語句と聖句の場所を,以下のように4分割して記録します:

  • 時の満ちる〔神権時代において〕

  • 神は……ことごとく

  • キリストにあって一つに帰せしめようとされ〔る〕

  • エペソ1:10

2行目から4行目を隠し,1行目を暗記するまで心の中で繰り返します。2行目に移動して,この手順を繰り返します。3行目と4行目も同じようにします。4行すべてを暗記したという自信がついたら,何も見ないで学習帳にすべて書きます。必要に応じて,重要語句と聖句の場所を見ないで書けるようになるまで,この手順を繰り返します。

前述の活動は,4つに分かれた項目を示し,項目ごとに異なる生徒グループを割り当てることで応用することができます。グループ分けをした後,一つのグループを選び,グループの生徒に,その箇所を声に出して繰り返してもらいます。これをすべてのグループで行います。生徒がこれらの聖句を言ったり聞いたりすることができるように,それぞれのグループを何度か指定し,上記の流れを繰り返します。次に,クラス全員で語句全体と聖句の場所を繰り返し言う練習をします。生徒がこのマスター教義聖句の場所と重要語句を暗記できるまで,何度もこれを行います。

応用の実践

『マスター教義に関する基本文書』(2022年)の第5-12段落を復習してください。霊的な知識を得るための3つの原則からどれかを選び,この原則とその概念を思い浮かばせる簡単なアイコンか絵を描きます。例えば,「永遠の観点から概念や疑問について調べる」という原則のために,以下のような画像を作ることができるでしょう:

Glasses with a set of binoculars and a telescope.

次の実践応用のための時間を十分に確保するために,生徒には2分から4分の制限時間を設けたうえで,霊的な知識を得るための原則の一つを簡単に表現する図を作ってもらうとよいでしょう。生徒が作り終えたら,何人かの生徒に,作成したものが選んだ原則をどのように表現しているのか説明してもらいます。

以下のシナリオを読み,霊的な知識を得るための原則と, 時満ちる神権時代に,神はすべてのものをことごとくキリストにあって一つに帰せしめる という,エペソ1:10で教えられている教義を実践する練習をします。次に,以下のシナリオを使用するか,または独自のシナリオを作成して,その後の質問に答えてください:

あなたの友人は家族とともにバプテスマを受け,そのとき,教会に加わることでイエス・キリストの模範に従っているのだと確信しました。しかし,バプテスマを受けてからの1年間,彼女はほかの友人たちから戒めを破るような誘惑をしばしば受けるようになりました。彼女は,これが本当にキリストの教会なのか,福音に忠実であることに意味があるのか,と考え始めています。

あなたの友人に役立つ真理は幾つかありますが,回復の教義と時満ちる神権時代の教義が,どのように彼女を支え,励ますかを考えてください。

以下の質問すべてに一度に回答してもらうのではなく,質問に変化を加えて,生徒の記憶に残りやすくするとよいでしょう。例えば,生徒を二人一組または少人数のグループ分けて,質問について話し合ってもらうことができます。また,以下の質問への答えを使って,シナリオのロールプレイをすることもできるでしょう。あるいは,二人一組または少人数のグループに,霊的な知識を得るための原則を一つずつ割り当てて答えてもらい,自分たちの考えをクラスに発表してもらってもよいかもしれません。

信仰をもって行動する

  • 友人が信仰をもって行動できるように,あなたならどのようなことをするよう励ましますか。

  • 信仰をもって行動することは,その友人が疑問や不安を解消するために,どのように助けてくれるでしょうか。

永遠の観点から概念や疑問について調べる

  • 回復に関する救い主の教えについて,知っていることは何ですか。

  • このような状況下で,永遠の観点を持ち続けることは,あなたと友人の両方にとってどのような助けとなるでしょうか。

神が定められた情報源を通してさらに理解を深める

  • エペソ1:10 にある真理は,このような状況でどのような助けとなるでしょうか。

  • 友人に答える前に時間があったとしたら,どのようなことを復習したり,勉強したりしますか。自分で勉強するよう,友人に勧められる資料にはどのようなものがあるでしょうか。それはなぜですか。

前述の質問について深く考え,答える時間を取ってから,生徒にどのようなシナリオについて考えたのか発表してもらい,その状況でどのように行動するかを話し合ってもらいます。

マスター教義の復習

今後のレッスンで, エペソ1:10 のマスター教義の聖句の場所と重要語句を復習するために,このレッスンの冒頭で紹介した4分割の暗唱活動を行うとよいでしょう。