エペソ1章
すべてのものを,ことごとく,キリストにあって一つに帰せしめる
回復されたイエス・キリストの教会がなければ,あなたの人生はどのようなものになるか,考えたことはありますか。パウロは,エペソ人への手紙の中で,イエス・キリストの福音の回復が,救い主の再臨の前に起こることを説いています。この課では,終わりの時に,イエス・キリストが地上に福音を回復されたために得られる祝福を,認識できるようになってもらいます。
学習活動案
新しい改宗者を強める
教会に入ったばかりの友達がいると想像してみてください。
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その友達に対するあなたの考えや懸念には,どのようなものがあるでしょうか。
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友達が福音の知識を深め,聖約に忠実であり続けられるように,どのようなことができるでしょうか。
エペソ人への手紙の中で,使徒パウロは,エペソとその周辺の地域にいた聖徒たちに語りかけています。パウロの目的は,すでに教会の会員になっていた人たちを強め,新しい改宗者が霊的な知識を身につけ,彼らが交わした聖約に忠実であり続けられるよう助けることにありました。この手紙の中でパウロが教えた教義には,予任(エペソ1:4-6参照),聖霊の結び固めの力(エペソ1:13-14参照),預言者と使徒の重要性(エペソ2:19-22参照),一つに結ばれた真の教会という考え方(エペソ4:1-7参照),教会組織内の様々な職,召し,役目(エペソ4:11-14参照)が含まれています。
当時の会員を強くするため,パウロはさらに,末日における福音の回復に関する教義も教えました。
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末日における福音の回復について知ることが,なぜ,パウロの時代の聖徒たちを強めたのだと思いますか。
このレッスンを通して,パウロやほかの人々が回復について教えたことを学ぶときに,この教義がどのようにイエス・キリストに対するあなたの信仰を強めることになるのか考えてみてください。
時満ちる神権時代
主が地上の人々に,主の真理と神権の権能,儀式を明らかにされる時を「神権時代」と呼びます。世界の歴史を通して,福音の神権時代は何度もありました。
パウロは,エペソ人への手紙の中で,ある特定の神権時代について預言しています。エペソ1:10を読んで,パウロが預言したその神権時代と,そのときに起こるであろう出来事を調べてください。
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エペソ1:10でパウロが語った未来とは,どのような時代ですか。
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パウロは,「時の満ちる〔神権時代〕」に,どのようなことが起こると預言しましたか。
時満ちる時代に生きる
これまでの神権時代では,主は預言者たちに多くの真理,聖文,聖約,力を啓示されました。エペソ1:10から学べる真理の一つは,時満ちる神権時代には,それまでの神権時代にあった,あらゆる事柄が回復される,ということです。
以下の図のそれぞれの川が,福音の神権時代を表していると考えてください。
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時満ちる神権時代は,どのような意味で,複数の川が流れ込む水域にたとえることができるでしょうか。
七十人のB・H・ロバーツ長老(1857-1933年)は,時満ちる神権時代の一環として,どのようなことが起きるのか,以下のように証しています:
「現代は時満ちる神権時代です。大きな流れが大洋に注ぎ込むように,過去のすべての神権時代がこの神権時代に注がれているのを,わたしたちは目にしています。現在の神権時代は過去の神権時代と,また過去の神権時代は現在の神権時代と,つながっているのです。神は時の初めから唯一の大きな目的を定めておられます。それは神の子供たちを救うことです。今はその最後の日,最後の神権時代であり,真理と光と正義はこの地上を覆うに違いないのです。」
(B. H. Roberts, in Conference Report, Oct. 1904, 73)
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以前の神権時代から回復された,あるいは時満ちる神権時代にもたらされた,真理,聖文,聖約,力には,どのようなものがありますか。
回復に関する宣言
末日にイエス・キリストの福音の回復が始まってから200年を祝う,歴史的な2020年4月の総大会の中で,ラッセル・M・ネルソン大管長は「イエス・キリストの完全な福音の回復:200周年の世界への宣言」(ChurchofJesusChrist.org)を発表しました。少し時間を取って,イエス・キリストの回復された福音によって,あなたの人生がどのように祝福されたかを考えながら,この宣言を読んでください。
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回復の宣言の,どの部分が心に響きましたか。
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回復を信じるかどうか迷っている会員や,回復を重要視していない会員に,どのようなことを伝えられるでしょうか。
少し時間を取り,イエス・キリストが回復された福音によってあなたの人生を祝福してくださった,すべての方法について,考えてみてください。
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回復の業の中で,あなたが特に感謝していることは何ですか。それは,あなたの生活にどのような影響を与えましたか。
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現在も進行している回復に携わって,ほかの人々を主のみもとに集めるために,主はあなたにどのようなことを望んでおられると感じますか。
注釈と背景情報
回復の御業はなぜそれほどまでに重要なのか
預言者ジョセフ・スミス(1805-1844年)は,以下のように教えています:
「〔わたしたちは,末日において〕末日の栄光を目にし,それに加わり,前進させるという務めを任されているのです。それは『時満ちる神権時代であり,そのときに神は天にあるすべてのものと地にあるすべてのものを一つに集められ』ます(エペソ1:10参照)。……〔これは〕神と天使たちが幾多の世代にわたって喜びを込めて思いをはせてきた業,昔の族長たちや預言者たちの心を燃え立たせた業,暗闇の力を滅ぼし,地球を更新し,神の栄光と人類家族の救いを回復する業です。」
(ジョセフ・スミス『歴代大管長の教え—ジョセフ・スミス』〔2007年〕513)
神権時代とは何か
十二使徒定員会のデビッド・A・ベドナー長老は福音の神権時代について説明し,この最後の神権時代が,ほかに類のない時代である理由について語っています。
回復とは,一体何か
福音の回復についての説明。
回復の証を得ることは,人生にどのような影響を与えるのか
第2部:青少年が,回復に関する証と,それがどのように生活に影響を及ぼしたかを分かち合う。2016年10月に話された,クレーグ・C・クリステンセン長老の説教に基づいて書かれました。
若い男性と若い女性が,回復にまつわる出来事が日常生活にもたらす実際の影響について語ります。
2019年10月の総大会で,ラッセル・M・ネルソン大管長は神殿推薦状の面接の質問について語り,その中には,「あなたは永遠の父なる神とその御子イエス・キリストと聖霊に対して,信仰と証を持っていますか」という質問があります(「結びの言葉」『リアホナ』2019年11月号,121参照)。
この質問が,なぜ主の宮に入るための条件に含まれているのか,深く考えてください。今もなお続いている回復を理解し,信じ,参加することは,あなたと,天の御父とイエス・キリストとの関係に,どのような影響を与えるでしょうか。
回復が今も続いているとは,どのような意味でしょうか
当時大管長会の一員であったディーター・F・ウークトドルフ管長は,回復が今も続いていることについて,以下のように語っています:
「時々,わたしたちは福音の回復は完了したもの,つまり,ジョセフ・スミスがモルモン書を翻訳し,神権の鍵を受け,教会が回復されたという,すでに過去に起きたものとして考えます。しかし実際は,回復は現在も進行過程にあり,わたしたちは今まさにその中で生きているのです。その過程には,『神がこれまでに啓示されたすべてのこと,神が今啓示されるすべてのこと』,および神がこれからも啓示される『多くの偉大で重要なこと』が含まれます(信仰箇条1:9)。兄弟の皆さん,今日の心躍る発展は,昔から預言されていた備えの時期,すなわちわたしたちの救い主イエス・キリストの栄えある再臨で終結する備えの時期の一部なのです。」
(ディーター・F・ウークトドルフ「回復の業が進む間ずっと眠っていますか」『リアホナ』2014年5月号,59)