マタイ13：24－30，36－43

麦と毒麦のたとえ

救い主は麦と毒麦の畑のたとえ話を用いて，再臨の前に義人は集められ，悪人は焼かれることについて教えられました。この課は，イスラエルの集合に参加したいという望みを高めることを目的としています。

応用を促す。福音を教える目的は，聖文の教義と原則を生徒が応用できるよう助けることです。応用を促す質問と活動を通して，生徒は，自分の置かれている状況にこれらの原則をどのように応用すればよいかが分かるようになります。

生徒の準備：生徒に，次の質問について話し合う準備をしてくるように言います：家族の中で，教会に初めて入った人はだれでしたか。その人の話についてどのようなことを知っていますか。この質問について家族と話し合ってもらってもよいでしょう。

学習活動案

麦と毒麦のたとえ

以下の質問について生徒に話し合ってもらいます。個人的な経験を分かち合うとよいでしょう。

家族の中で，教会に初めて入った人はだれでしたか。
だれがその人を教会に誘ったのでしょうか。
家族が教会員になったことは，あなたの人生にどのような影響を及ぼしましたか。
神の聖約を守るとあなたが決意したことは，ほかの人たちにどのような影響を及ぼしてきましたか。

マタイ13章で，主は麦と毒麦のたとえを用いて，御自分の民を教会に集めることについて教えておられます。学習を進めながら御霊の促しに注意を向けて，主はなぜ御自分の民を集められるのか，どうしたら自分はその業に参加できるのかが理解できるようにしてください。

生徒は，このたとえ話を二人一組，または少人数のグループで研究してもよいでしょう。4段階の学習の進め方と，以下の質問を見せます。

マタイ13：24－30 のたとえ話を研究します。毒麦とは次のようなものだと知っておくと役立つかもしれません：「小麦によく似た草で毒を持つもの。生長して大きくなるまでは，小麦と見分けがつかない。」（『聖句ガイド』「毒麦」の項，scriptures.ChurchofJesusChrist.org）

学習するために，次の4段階の進め方に従います：

重要な部分を見つける。
霊的に比較する。
重要な教訓を見つける。
実生活に応用する方法を見つける。

このたとえ話のどの部分が，重要だと思いましたか。
どのような霊的な比較をしましたか。
どのような重要な教訓を見つけましたか。
このたとえ話から得た教訓は，日々の生活にどのように応用できますか。

マタイ13：36－43 を読んで，このたとえ話について主がどのようなことを教えておられるか，調べてください。

救い主による説明を読むと，このたとえ話について新たにどのようなことが理解できるようになりますか。

わたしたちの神権時代に，主は，このたとえ話が現実になる一つの形を話されました。教義と聖約101：64－65 を読み，主は再臨の前に何をすると約束しておられるか調べてください。

この聖句から，主についてどのようなことが分かりますか。

麦と毒麦のたとえから，次のような真理が学べます：主は終わりの時に，再臨の備えとして義人を集められる。マタイ13：30 の近くに，この真理を書くといいかもしれません。

末日に，神は，主の民をどのようにして集められるのでしょうか。
この重要な業で，あなたはどのような役割を果たすのでしょうか。

イスラエルの集合

イスラエルの集合を生徒がさらによく理解できるよう，ネルソン大管長の次の言葉と，「注釈と背景情報」の項にある言葉を印刷してください。

教室内の至る所にこの言葉を掲示し，生徒に教室を歩き回りながら学習してもらいます。この言葉を学習したら生徒に二人一組になってもらい，分かったことをお互いに言い合ってもらいます。

ネルソン大管長は，末日に主の民を集めるための主の働きについて教えています。ビデオ「神に勝利を」（タイムコード4：07－5：48）を視聴するか，または次の言葉を読んでください。イスラエルの集合についてさらによく理解するために，聖文またはほかの言葉を自分で探してもかまいません。

1:45

「主は，人生の中で進んで神に勝利を得ていただこうとする人々を集めておられるのです。主は，神を人生の中の最も重要な影響力とすることを選ぶ人々を集めておられるのです。

何世紀にもわたり，預言者たちはこの集合について預言し，今まさにそれが実現しています！主の再臨に欠かせない前触れである集合は，世界で最も重要な業なのです。

福千年に先立つこの集合は，大勢の人々が信仰と霊的な勇気を増していく，一人一人の物語です。そして，末日聖徒イエス・キリスト教会の会員，すなわち『末日の聖約のイスラエル』であるわたしたちは，この重要な業において主を補佐するよう命じられています。

幕の両側のイスラエルの集合について語る際，もちろん，それは伝道，神殿，家族歴史の業を指します。そして，ともに生活し，働き，仕える人々の心に宿る信仰と証を育むこともこれに含まれています。だれかが聖約を交わし，それを守れるよう助けるために何かを行うときはいつでも，それが幕のどちら側であろうと，イスラエルの集合を助けているのです。」

（ラッセル・M・ネルソン「神に勝利を」『リアホナ』2020年11月号，92－93）

イスラエルの集合について，あなたはどのようなことを理解していますか。
それについてどのような疑問がありますか。
麦と毒麦のたとえは，イスラエルの集合の重要性について理解するのに，どのような助けとなりますか。

イスラエルの集合におけるあなたの役割

ビデオ「王国に集める者となる」（1：50）を見るか，ラッセル・M・ネルソン大管長の次の言葉を読んで，イスラエルの集合が自分にどのような関係があるか，考えてください：

1:45

「たぐいまれなる愛する青少年の皆さん，皆さんはまさにこの時代に，世界の歴史上で最も重要なこのときに，イスラエルの集合を助けるために，地球に送られてきました。今地上で起こっていることで，このこと以上に大切なことはありません。これ以上に偉大な結果をもたらすものは何もありません。

この集合の業は，皆さんにとってとても重要であるはずです。これが皆さんが地球に送られてきた使命だからです。

そこで質問です。『皆さんはイスラエルの集合を助けるために，主の青少年のチーム，つまり青少年の大隊に進んで加わりますか。』」

（ラッセル・M・ネルソンとウェンディ・ネルソン「シオンのつわもの」（ワールドワイド・ユース・ディボーショナル，2018年6月3日）『リアホナ』別冊，6，HopeofIsrael.ChurchofJesusChrist.org）

イスラエルの集合について感じていることや，イスラエルの集合をどう助けることができるかについて，生徒と話し合います。以下の活動をして，今日学習したことを生徒に深く考えてもらうといいかもしれません。

イスラエルの集合と麦と毒麦のたとえ話について，自分の考えたことや感じたことを，一段落以上書いてください。書きながら，聖霊の導きを祈り求めて，自分の考えや気持ちを導いていただきましょう。次の質問は，単なる参考にすぎませんが，何を書くか決めるのに役に立つかもしれません：

イスラエルの集合について，今は答えることができるけれど，以前は疑問に思っていたのはどのようなことですか。
救い主が自分を信頼し，すべての人を愛しておられることについて，イスラエルの集合から，どのようなことが分かりますか。
主の民とともに皆さんやほかの人が集められる際，あなたは自分やほかの人をどう助けることができますか。

注釈と背景情報

なぜ，主は，主の民を集めたいと望まれるのか

十二使徒定員会のデビッド・A・ベドナー長老は，次のように教えています：

「主は御自分の民が主を受け入れ，その戒めを守るときに，民を集めておられます。……

……主が御自分の民を集められるのは，礼拝し，教会を築き，守られ，勧告と指示を受けるためです。……

預言者ジョセフ・スミスは，すべての時代において，集合の神聖な目的は，神殿を建て，主の子供たちが崇高な儀式を受けて永遠の命を得られるようにすることであると宣言しました。」

（“The Spirit and Purposes of Gathering”” [Brigham Young University–Idaho devotional, Oct. 31, 2006], byui.edu）

義人が無事集められる倉とは何のことか

十二使徒定員会のデビッド・A・ベドナー長老は，次のように教えています：

「集合の原則と神殿建設の大切な関係はモルモン書の中で強調されています。

『見よ，畑は熟していた。そして，あなたがたは鎌を入れ，力を尽くして刈り入れ，まことに一日中働いたので，あなたがたは幸いである。見よ，あなたがたの得た束は何と多いことか。それらの束は，無駄にならないように倉に納められるであろう。』（アルマ26：5 ）。

この類比の中の『束』は，バプテスマを受けて教会の新しい会員となった人々を表します。倉は聖なる神殿です。」

（デビッド・A・ベドナー「名と地位を立派に維持する」 『リアホナ』2009年5月号，97）

モルモン書は，イスラエルの集合でどのような役割を果たすか

ラッセル・M・ネルソン大管長は次のように教えています：

「モルモン書はこの業の中心を成しています。集合の教義を宣言し，また，イエス・キリストについて学び，主の福音を信じ，主の教会に加わるよう人々を促します。事実，モルモン書がなければ，約束されたイスラエルの集合は起こらなかったでしょう。」

（ラッセル・M・ネルソン「散らされたイスラエルの集合」 『リアホナ』2006年11月号，80）

補足学習活動

主は御自分の民を集められる

主は御自分の民を集められるときに，主とともに働くようわたしたちを促しますが，最終的に集合をなさるのは主です。生徒に，次の聖文の一部またはすべてを研究し，主は御自分の民を集めるときにどのような役割を果たすと教えておられるか，調べてもらうといいかもしれません：申命30：3 ；イザヤ27：12 ； 54：7 ；エゼキエル34：12 ； 1ニーファイ22：25 ；ヤコブ5：71－72 ；教義と聖約29：1－2 ； 33：6 。

あるいは，『聖句ガイド』の「イスラエル」の項を研究して，主が御自分の民を集める際に果たす役割について説明されている聖句を探してもよいでしょう。

義人と悪人は一緒に育つ

救い主が末日に義人を集め，その後再臨の時に悪人を滅ぼされることを教えるために，麦と毒麦のたとえをどのようにお使いになったのか考えてもらうと，生徒のためになるかもしれません。生徒には，マタイ13：24－30 のたとえ話を学習した後に教義と聖約86：1－7 も学習して，この啓示がほかに何を意味しているか調べてもらってもよいでしょう。生徒に，次のような質問について話し合ってもらうこともできます：このたとえ話に出てくる物事は何を象徴しているでしょうか。このたとえ話で，主の慈しみはどこに表れているでしょうか。