プリズンミニストリー
悔い改めと救い主への道


「悔い改めと救い主への道」「プリズンミニストリー」

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本を持つ手

悔い改めと救い主への道

悔い改めの過程のほとんどは,個人と,神と,その人の罪の影響下にある人との間で行われます。しかし,時にはビショップやステーク会長が,悔い改めようと努める教会員を助ける必要があります。会員が悔い改めの過程を歩めるよう,ビショップやステーク会長は愛と思いやりをもって助けます。人を引き上げ,人が罪を捨てて神のもとに向かうことができるよう助けられた,救い主の模範に従うのです。(マタイ9:10-13ヨハネ8:3-11参照。『総合手引き』32.1も参照)

現在服役中の人や出所者を助けるとき,同じ原則が適用されます。指導者は,御霊の促しに従い,聖文と『総合手引き』32章にある指示を適用するべきです。そうするならば,導きを受けて,神の子供たちが聖約の道に戻れるよう助けることができるようになるでしょう。

服役中の成人への助け

4:55

指導者は,服役中の成人が悔い改め,自分自身とほかの人々を赦し,イエス・キリストが自分の救い主であられるという証を得るのを助けるようにしてください。指導者は,個人の状況に関係なく,主はだれにでも赦しを与えてくださることを教えるべきです。

指導者は,「自分の罪を悔い改めた者は赦され,主なるわたしはもうそれを思い起こさない」(教義と聖約58:42)ということを強調することができます。

指導者はまた,その人が出所してワードに戻った後まで,教会において完全な会員資格を回復する道は完全には終わらないということを教えるべきです。教会会員資格の状態については教誨師や矯正職員にとって分かりにくいことがあります。ですから,現場におけるミニスタリングでその話題を持ち出して彼らを困惑させるべきではありません。

教会員としてバプテスマを受けたことがなく,服役中に福音の真理を見いだした人は,出所後にバプテスマを受けるために備えることができます。

会員資格評議会

教会会員資格評議会は,重大な犯罪行為に関与した人が悔い改めて聖約の道に戻るのを助けるための重要なステップです(『総合手引き』32.632.9-32.14参照)。この支援には,教会員としての特権の一部を公式に制限することや,会員資格をしばらくの間取り消すことを含むことができます(『総合手引き』32.11.332.11.4参照)。教会会員資格の制限または会員資格の取り消しの目的の一つは,悔い改めを通してイエス・キリストの贖いの力にあずかれるようにすることです。

殺人,強制性交,性的暴行,子供や青少年への虐待,配偶者や別の成人への虐待,搾取行為(暴力的,性的,金銭的),近親相姦,児童ポルノ,多妻結婚,教会の重要な役職にあるときに犯した重大な罪,大半の重罪の有罪判決で収監されている会員については,会員資格評議会が必須となります(『総合手引き』32.6.1参照)。

会員が暴力行為,軽度の虐待,性的不道徳,詐欺行為,背信行為,その他の行為で収監されている場合,会員資格評議会が必要になることがあります(『総合手引き』32.6.2参照)。

犯罪を犯した当時に住んでいたユニットのビショップやステーク会長は,公式の会員資格の制限または取り消しのために必要な措置をとります。教会員としての特権が制限されている場合,指導者(または権限を与えられた書記)は,本人が収監されている場所を管轄するユニットに,会員記録を移します。会員資格が取り消された場合,ビショップまたはステーク会長は,そのユニットの指導者に連絡します(『総合手引き』32.14.832.15参照)。

会員が収監される前に評議会が開かれなかったということは珍しくありません。場合によっては,刑務所にいる会員に対して責任のある指導者が会員資格評議会を開く必要が出てくることがあります。

性犯罪で有罪判決を受けた人への支援

指導者は,性犯罪で有罪判決を受けた人と会って,その人が教会その他の活動に出席することを制限する法的条件が存在するかどうかを知るべきです。指導者はまた,このような状況に関する指導を受けるために教会のヘルプラインに連絡するべきです。ヘルプラインは,ビショップとステーク会長が利用できます。

指導者は,教会の法務顧問と相談しながら,ワードのすべての会員の安全を確保しつつ,その人が救い主のもとに戻る道を歩めるようにするために最善の調整をします。

教会会員資格評議会は,重大な犯罪行為に関与した人が悔い改めて聖約の道に戻れるようにするための重要なステップとなり得ます。

一部の国では,未成年者に対する性犯罪で有罪判決を受けた人のデータベースを国が保持しています。仮出所中や保護観察中の性犯罪者は,教会の集会などの社会的な行事への参加について政府が課している制限を受けている場合があります。教会はこれらの制限を尊重します。出所した人に対する法的な制限は様々であり,制限が解除されるまで長い時間がかかかる場合があります。状況にもよりますが,教会は個人の正式な法的制限を超えて,追加の保護措置を講じることがあります。

神殿のガーメント

教会は,服役中の成人が神殿ガーメントを着用することを禁止していません。しかし,ステーク会長はよく祈りながら状況を評価し,最終的な決定を下すべきです。ステーク会長の決定がどのようなものかにかかわらず,服役中の成人は,刑務所の管理者や教誨師と相談して,神殿ガーメントをきちんと着用できるかどうかを判断する必要があります。

出所に向けた準備の助け

4:16

指導者は,施設を出所するまでの数か月,その人の出所後の生活に祝福をもたらすことになる支援を提供することができます。以下を検討するとよいでしょう:

  • 本人が出所後最初の90日間の行動計画を立てられるよう助ける。この計画には,住む場所を見つける,仕事を探す,継続的な支援を受けられるように家族や地元の教会指導者と再びつながることなどを含めるとよいでしょう。

  • 新しい所属ワードの指導者と連絡を取り,彼らが継続的な支援を提供する準備ができるよう助ける。ミニスタリングを担当する一組の夫婦を割り当てるよう,また出所した人と定期的に面接を行うよう勧めてください。

  • 施設の指針に従って,支援機関や公共のリソース,そのほかの有益な問い合わせ先に関する必要不可欠な連絡先情報を本人に提供する。

  • 車に乗せてくれる人やバスの定期乗車券という形で移動手段の手配を助ける。(「安全」の指針を参照)

  • 出所について本人が抱いているかもしれない恐れや心配について話す。不安が解消するよう助け,助言を与え,神権の祝福を授けます。

  • 利用可能な場合は,事前にChurch Transitional Services Office〔教会移行サービス事務局〕(1-801-240-7340)に連絡する。

出所後の助け

出所後の最初の数日間,数週間,さらには数か月間は,非常に困難なものとなる場合があります。多くの場合,その人には安全な住まいが見つかる見通しも,良い仕事に就ける見通しもありません。出所後の生活への適応には情緒的な疲労が伴い,依存症などの以前の行動パターンが魅力的に思えてくるかもしれません。この時期には家族や友人や教会員の支援が不可欠です。

支援を提供する際には,以下の質問について確認すると役立つかもしれません:

  • その人はどこに住んでいるか。治安に問題がなく,就職の見通しがあり,家族や地元の教会員とつながりを持つための道を歩んでいるか。

  • 安全で実りある生活を再び築くために本人が取り組むべき次のステップは何か。

  • 必要な診察の予約や,そのほかに健康面で必要なことはあるか。

  • その人が自分が愛されていて進歩していると感じられるようになるために,家族や友人や教会には何ができるか。

  • 近隣には,支援を受けることのできるどのような機関やリソースがあるか。

  • 治療やカウンセリングの必要があるか。その人はどのような進歩を遂げているか。費用をどこから支払っているのか。治療やカウンセリングについて変更の必要はないか。

  • 会員記録に加えられた変更や注意書きについて本人が理解できるよう助ける必要があるか。

以上に加えて,指導者は,出所した成人のために会員資格評議会を召集する際に,その人が収監された理由,収監の期間,およびその人が身につけた霊的な習慣について考慮するようにしてください。しばしば,服役中の成人は何年にもわたって悔い改め,教会の礼拝行事に出席し,学び,最善を尽くして人々に奉仕しています。そのような場合には,会員資格評議会は『総合手引き』32章の指針に従って,検討の過程を速め,その人が聖約の道に速やかに戻って完全な会員資格を回復できるようにするのが適切かもしれません。

ファミリーサービス,依存症立ち直りグループ,自立クラスなどの教会のプログラムもまた同様に役立つかもしれません。指導者と会員は,さらに助けが必要な場合にはChurch Transitional Services Office〔教会移行サービス事務局〕(1-801-240-7340)に連絡することができます。