セッション8
責任ある行動を教える
「子供のためにあまりに多くのことをしすぎる親は,やがてどうにも手に負えない子供にしてしまったことに気づくでしょう。」
ニール・A・マックスウェル長老
セッションの目的
このセッションでは,親が以下を達成できるように助けます。
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子供が責任ある行動を執れるように教える方法を理解する。
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子供に期待していることを伝える方法を知る。
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段階を踏んで子供を教える,という概念を理解する。
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子供が責任ある行動を執れるよう選択肢を与える方法を知る。
適切な方法で教えることの重要性
親には,子供たちが神の戒めおよび家庭と社会の規則に従うことを教える神聖な義務があります。1 主は親に対して,子供によく祈り,従順,勤勉であること,またキリストを信じる信仰を持ち,罪を悔い改め,バプテスマを受けて聖霊の
適切な方法で子供を教えられていない親もいます。親は自分が育てられたのと同じ方法で子供を育てようとする傾向があります。放任しすぎる親もいれば,規制しすぎる親もいます。ほかのことに気を取られて,子供に教える責任を顧みない親も多くいます。偏った見方を持っているために,子供は生まれつき善であるととらえて,しつけは必要ないと考える親もいれば,生まれつき悪であるととらえて懲罰が必要だと考える親もいます。子供を望んでいなかったため,子供が生まれても教えようとしない親もいます。そのような親は,子供に精神的な虐待を与えたり,育児放棄をしたりする場合が多く見られます。
主は両親が教える責任を真剣に受け止めるように望んでおられます。大管長会と十二使徒定員会はこのように宣言しています。「夫と妻,すなわち父親と母親は,これらの責務の遂行について,将来神の
子供たちを教える
子供がまだ幼いときから教え始めるべきです。子供は生まれながらにして学びたいという気持ちを持っています。誕生後,親子が交わりを繰り返し,「互いの独特のやり方」に合わせることを学ぶことにより,親子のきずなが「何週間,何か月もの歳月をかけて強められていきます。」3 親子の関係は理想的な学習環境を作り出します。子供は話せるようになる以前から,親の言動を吸収し始めます。話せるようになると,周囲の情報を得るために様々な質問をします。親は子供が自然に持つ好奇心を利用して,子供がよい人生を送るために必要な事柄を言葉と模範によって教えます。
人生の中で最も大切な時期は恐らく,将来についてまったく心配することなく過ごせる幼年期と思春期でしょう。これらの形成期に子供は生涯を通じて自分の行動の指針となる価値観,態度,習慣を身に付けます。親はこのすばらしい時期に,反抗心ではなく協調性をはぐくむような方法で,正しい価値と責任ある行動を教えます。
子供を教えるに当たって以下の原則が役立ちます。
模範によって教える
親にとって大きなチャレンジとなり,よい機会となる教え方の一つは,子供が親の勧めに従いたくなるような方法で教えることです。デビッド・O・マッケイ大管長は模範が「教えるための最も優れた,最も効果的な方法」であると説明しています。4
十二使徒定員会のデルバート・L・ステイプレー長老は模範によって教えることを高く評価して次のように述べました。「ある賢者は,新しい教師の指針として,偉大な教師と言われる人々に見いだされる大切な点を3つ挙げるように求められたとき,次のように答えています。『第1に,模範によって教えること。第2に,模範によって教えること。第3に,模範によって教えること。』」5 トーマス・S・モンソン管長は,イエスは「人を赦ゆるすことによって赦しについて教え,人々を思いやることによって思いやりについて教え,御自身を与えることによって献身について教えられました。イエスの教えは,すべて模範によるのです」と説明しました。6
管理ビショップであるH・デビッド・バートンビショップは,両親は義にかなった模範を示すときに,子供を導くことができると語りました。「わたしたちはそれぞれ秩序をもって生活しなければなりません。偽善が益をもたらしたことは過去になく,これからもありません。わたしたちは義をもって家族を導き,わたしたちの模範に従うよう励ますことが求められています。家庭の夕べを開き,聖文を学び,神権の祝福を与え,個人や家族の祈りを行ってください。」7
十二使徒定員会のロバート・D・ヘイルズ長老は「数々の模範は懐かしい思い出となって,現在の生活の指針になっています」と述べています。8 子供たちはあなたのどんな言動よりも模範を忘れないでしょう。
子供に責任を持たせる
多くの親は子供を甘やかしすぎており,かつて自分が責任を果たすことで能力を身に付けてきたという経験を忘れ,子供をかばい,必要な責任から逃れさせているのです。子供にほとんど何も求めることなく,親が物を与えたり,何かをしてやったりするとき,子供は自立し責任感を持とうという動機づけを失います。そのような子供は怠惰で,利己的で,わがままになる傾向があります。十二使徒定員会のニール・A・マックスウェル長老はこのように教えました。「子供のためにあまりに多くのことをしすぎる親は,やがてどうにも手に負えない子供にしてしまったことに気づくでしょう。」9
七十人のジョー・J・クリステンセン長老は,甘やかしすぎる親は子供を弱め,価値ある教訓を子供から奪うと説明しています。
「現代の多くの子供はわたしたち親が甘やかしすぎているために,ゆがめられた価値観の下で成長しています。財政的に恵まれていようと,あるいはほとんどの人がそうであるようにそれほど豊かでなかろうと,わたしたち親は子供が望むものをすべて与えようとして,楽しみにして待つ祝福,自分が持っていない何かを切望することから得る祝福を奪っていることが往々にしてあります。わたしたちが子供に教えることのできる最も大切なことの一つは,拒否することです。一般的に,即席の満足を与えていると子供は弱い人間に育ってしまいます。一生懸命努力したことがないまま,まことの偉大さを身に付けた人が一体何人いるでしょうか。……
……子供の人格を形成するうえでは彼らの生涯のどこかの時点で,『地球は今もなお太陽の周りを回っている』のであって,彼らを中心にしているわけではないと学ぶことが重要です。そのためには,『どうしたら,自分たちがいることによって,世界をより良い所にできるだろう』と自問するように子供を訓練する必要があります。」10
クリステンセン長老は,子供は働くことを学ばなければならず,そうでないと,準備のできていないまま家庭を離れて外の世界に出て行くことになると警告しています。「家族の活動においてさえも,働くことと遊ぶことの融合を考える必要があります。わたしが成長期にあったころの忘れられない経験の幾つかは,屋根板の交換や塀の作り方,庭仕事を学ぶといった家庭での活動に関連したものです。多くの子供たちにとってそれは労働というよりはむしろ少しの作業を含んだ遊びと言えるでしょう。」11
幼いころから子供を親の傍らで働かせ,手伝いたいという気持ちが自然に芽生えるようにしてください。子供の能力に応じて家の仕事を手伝わせます。
ブリガム・ヤング大学のキャスリーン・スロー・バーは,一緒に働くことによって家族は強められ,固いきずなで結ばれると述べています。
「正しい心構えをもって一緒に働く家族には,日常の経験を通して互いをいたわる気持ちと責任感がはぐくまれていきます。食事を作る,洗濯をするなど何の変哲もない仕事が,わたしたちの仕える人々,一緒に奉仕する人々との結びつきを強めるのです。……
……家の手伝いを果たすことで,家族の輪に加わることを全員に意識させます。ごく普通の雑事が家族に対する愛と,自分が家族の一員であることを表す毎日の儀式となるのです。」12
親は子供に,人に仕えることも教えるべきです。七十人のデレク・A・カスバート長老はこう教えています。「賢明な親は,子供が小さいときから家庭で奉仕する機会を与えます。」13 できれば,親子が一緒に働き,奉仕することで,その仕事を楽しいものにしてください。
子供が多くの責任を果たすようになったら,十分な成果をあげられなかったときにも,その努力に対していたわりの言葉をかけます。そのような場合にも,再度挑戦するよう励まし続ける必要があります。トーマス・S・モンソン管長は次のように教えています。「わたしたちの責任は平凡な人間から秀でた人間になることであり,失敗を土台にして成功に到達し,最上の自分になることです。神の最大の賜物の一つは,もう一度やってみることの喜びです。失敗をしたらそれでもう終わりということではないのです。」14
期待を明確にする
子供は親の期待をきちんと理解していると思い込んでいる親がいます。はっきりと伝えていないにもかかわらず,期待どおりにならないとがっかりするのです。
子供に用事を頼んだり,行いを改めるように伝えたくても,断られたり,拒否されたり,子供の気分を害したりするのではないかと恐れて,それができずにいる親がいます。期待していることをはっきり言わないと,不満と怒りが蓄積されて,親子の間に壁ができてしまいます。期待していることをはっきり伝えることで,ためらいや落胆を取り除き,親子の関係を強めることができます。
親の期待を子供に伝える際に注意すべき以下の原則について話し合います。
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子供に何を期待するかを心の中で明確にする。必ず,期待する事柄が妥当なものであるようにします。前もって
伴 侶 と二人だけで話し合いを持ち,子供に期待する事柄,それを子供に理解してもらう方法,子供が期待に沿わない行動を執るときの結果の課し方について意見を一致させておきます。子供が期待に沿わないときや,悩んでいる場合は,できるだけ夫婦そろって子供と話すようにします。 -
良いタイミングを見計らって期待を伝える。子供がストレスを感じていたり,怒っていたり,ほかのことに忙しいときではなく,情緒的,身体的に安定し,期待を受け入れる用意ができているときを見計らって,親の期待を伝えます。多くの場合,家族会議や家庭の夕べは理想的な場となります。
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前向きな態度で,具体的に話す。否定的な言葉や,具体的でない言い方(「部屋が散らかってるわね。片付けてちょうだい。」など)は避け,前向きに,具体的に話します。「優輝,お皿を片付けたら,食器洗い機に入れる前に,1枚1枚水ですすいでね。そうすればお皿はもっときれいになるし,食器洗い機も長持ちするから。」
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実際にやってみせる。子供の仕事を親がすべて取ってしまわないように注意しながら,親が期待していることをやってみせます。上記の例の場合,子供が皿を水ですすぎ,食器洗い機に入れ,カウンターをふけるように助けてあげるとよいでしょう。
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たくさん褒める。子供が責任を果たしたら,「よくできたね。ちゃんと言ったとおりにできたね。」などと言葉をかけます。子供のしたことが親やほかの人々にとってどのように役立ったかを伝えてください。「お皿がきれいに洗ってあると気持ちがいいわ。家がきちんと整理されていると心が安らぐわね。」
段階を踏んで責任ある行動を教える
主はわたしたちの霊的成長を導かれる際,まず乳である基本的な教義をお与えになり,それによって備えをした後で,肉であるさらに大いなる光と知識をお授けになりました(教義と聖約19:22参照)。同じように,子供たちに対しても,まず簡単な事柄が行えるように教え,それを踏み石として,大人としてふさわしい振る舞いができるように備えさせていく必要があります。他人を尊重する,礼儀正しくする,部屋を掃除する,庭仕事をするといった事柄を学ばせるには,段階を踏んで徐々に進めていく必要があるでしょう。
子供の年齢と能力に応じて,やってほしい事柄を簡単で達成しやすい課題や作業に分けて与えることができます。例えば,部屋全体を掃除する方法を教える前におもちゃを片付けることを教えます。親は忍耐と創意工夫によって,協力すること,手伝うこと,責任を果たすことを教えながら,成長段階で起こり得る多くの問題を防ぐことができます。
留美
4歳の活発な女の子留美は母と一緒に買い物に出かけました。留美はいつものように,棚から商品を取り出して触り,母親からたしなめられるとかんしゃくを起こしました。留美に責任ある行動を学んでほしいと思っている母親は,しかったり,脅したりしましたが,留美はやめようとしませんでした。
母親は経験豊富な友達に相談した後,幾つかの段階に分けて教えるという新しい方法を試してみました。最初の段階は愛と思いやりを込めて,問題について話し合うことでした。「留美,買い物に連れて行きたいけど,あなたが棚から品物を取るとお母さんは悲しくなるの。お母さんが棚に戻すと,今度はあなたが大きな声で叫び始めるでしょう。」次に,母親は期待していることを明確に話しました。「でも,手伝ってくれるなら,買い物について来てもいいわ。物を取ったり,騒いだりしたら,お家に帰らなければならないの。そして次からは一緒に行けなくなるのよ。お母さんが取ってと言ったものしか,取ってはいけないのよ。じゃあ,あなたがちゃんと分かったかどうか確かめたいから,お母さんが今話したことを言ってみてちょうだい。」留美が正しく答えると,母親は言いました。「品物を取ったり,大騒ぎをしたら,どうなるんだったかな。」期待されていることを理解し,従わないときの結果を理解していることが分かったので,母親は留美を買い物に連れて行くことにしました。
次の段階で,母親は留美を短時間の買い物に連れて行きました。留美が手伝いたいと思っているのに気づいた母親は,その気持ちを良い方向へ導きたいと思い,留美に品物を選ばせ,持って来てもらうことにしました。上手にできたときには,よく褒めてやりました。そのような短時間の買い物に何回か連れて行き,行儀良くできたので,もっと長い時間の買い物にも連れて行くようにしました。2種類のシリアルのうちの一つを選ばせたり,いちばんおいしそうなリンゴを選ばせたり,母親が品物をカートに入れる間,財布を持たせたりするなど,役に立つ仕事を見つけ,任せることにしました。よく手伝いができたときは留美を積極的に褒めました。
あるとき,留美がかんしゃくを起こしたので,母親はすぐに留美を家に連れて帰りました。母親は怒ることも,いらいらすることもなく,ただこう言いました。「今日はお店でしてはいけないことをしてしまって残念だわ。今度お買い物に行くとき,あなたは家でベビーシッターとお留守番ね。お買い物へ行くときに約束を必ず守れるなら,もう一度チャンスをあげるわ。」留美はそれから数週間,人前で行儀良くすることができました。
選択肢を与える
大人と同じように,子供も命令されるのを嫌がります。「今すぐ部屋を片付けなさい」と命令すると,子供は反抗し,「後でやる」などという返事が返ってくるだけです。「午後,遊びに行く前に脱いだ服をしまっておいてね。今,バスが来る前に片付ける? それとも学校から帰ってすぐにやる?」というように,二つの選択肢を与え,そのどちらかを選べるのであれば,もっと簡単に言うことを聞きます。選択肢は限られていますが,子供は自分で選ぶことができるので,責任を持つようになります。
子供に選ばせるときは,どちらも親にとって受け入れられる選択肢を与えるべきです。例えば,10代の子供に,「今,芝生を刈らなければ,明日の晩,車を使わせないよ」と言ったら,子供は明日車を使わないことにして,今友達と出かける方を選ぶかもしれません。子供は自分のしたいことをして,芝はそのままになってしまいます。つまり,親にとって受け入れられない結果となります。それよりも,このように言うとよいでしょう。「
「今,芝生を刈らなければ,1か月間外出禁止だよ」というように,選択に罰を入れるべきではありません。「わたしの言うとおりにしなさい。さもなければ罰を与えるよ」という言い方では,選択の余地はなく,不満を抱かせることになります。
以下は,様々な状況において考えられる選択肢の例です。
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11歳の子供が夜更かしをするようになり,朝,起きられず,バスの時間に間に合いません。そのため母親に学校まで車で送ってほしいと言っています。この場合,次のような選択肢が考えられます。「バスの時間に間に合うように起きなさい。できなければ歩いて行きなさい。」(ただし,この選択肢は,学校まで歩いて行ける距離にあり,安全な場合だけ使えます。)
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8歳の子供はなかなか皿洗いに取りかかることができません。この場合,次のような選択肢が考えられます。「今すぐにしてもいいし,今晩みんながテレビを見ている間にしてもいいわよ。」
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十代の子供が大音量で音楽を聴いています。この場合,次のような選択肢が考えられます。「CDを聴きたければ自分の部屋でドアを閉めて聴くか,ヘッドフォンを使いなさい。音がうるさすぎて話ができないから。」
責任ある行動をするように新たに求められても,子供は必ずしも積極的に取り入れようとするわけではありません。最初は次のような言葉が返ってくるでしょう。「そんなの不公平だよ」「どうしてぼくがそれをしなければならないの」「ほかの子はそんなことやらされていないよ」「わたしの気持ちなんて考えてないでしょう。だから,こんなことさせるんだわ。」親はこのような言葉に操られてはなりません。選択する事柄については一貫性がなければなりません。以下の例を見てみましょう。
雅人
雅人は毎晩コンピューターの前に座ります。最近,自分に割り当てられた家の手伝いよりもコンピューターを優先するようになっています。数か月前の家族会議で,最初に手伝いを済ませなければならないことに全員が合意したばかりでした。ところが,雅人はまたもや規則を無視するようになりました。そこで,父親は彼に選択肢を与えました。
父-: |
雅人,手伝いが終わっていたら,今晩,コンピューターを使うことを許そう。あるいは,手伝いを明日したいなら,コンピューターも明日,手伝いが終わってから使えるよ。 |
雅人-: |
コンピューターが終わったらするよ。今,時間がないんだ。 |
父-: |
そうかもしれないが,コンピューターを使っていいのは,手伝いが終わった後だよ。 |
雅人-: |
今すぐオンラインにつながないといけないんだ。友達がぼくからの連絡を待っているんだから。 |
父-: |
それはそうだろうが,だからこそ,学校から帰ってすぐに手伝いをするのを忘れないようにしないと。お前がいらいらしたり,怒ったりするのを見るのはお父さんもいやだからな。でも,自分の仕事はきちんと果たさなければいけないよ。憶えているだろう。この規則は家族会議で話し合って,お前も従うと言ったはずだね。手伝いを終えたら,コンピューターを使っても一向に構わないよ。 |
雅人-: |
そんなのずるいよ。手伝いは後でやるって言ったでしょう。今は,ほかにやらなきゃいけないことがあるんだよ。 |
父-: |
そうだろうね。でも,コンピューターを使えるのは,仕事が終わってからだよ。 |
選択肢について何度も繰り返し話す必要があるかもしれませんが,そのときに怒ってはなりません。親が本気だと分かれば,子供は同じことを言われるのにすぐに飽きて,親の言うことに聞き従うでしょう。
選択肢を与える場合,親は自分の立場を守るためにやり返したり,口論したりしてはなりません。子供が反論し始めたら,「そうかもしれないね」などの短い言葉で子供の意見を認めたうえで,もう一度選択肢を告げます。あらかじめルールについて話し合い,合意を取り付けていれば,すべてをスムーズに進めることができます。
選択肢を与えても子供が従わない場合は,あらかじめ決めておいた結果を課します(セッション9参照)。この方法を適切に行うならば,子供も納得し,責任ある行動を学ぶことができます。子供の誤った行いと不釣り合いの結果や,関連性のない結果を課したりすると,不公平で,独断的で行き過ぎだと感じ,子供に怒りや反抗心を抱かせてしまいます。
親子で活動する
子供に責任ある行動を教えるには,親子で活動するのが効果的です。親の傍らで働き,遊ぶ子供は,親の教えと模範を自分の生活に取り入れるものです。親は,家族全員にとって意義深く楽しい活動を計画します。親子が良い関係が築いていくなら,働くことさえも楽しく,満足が得られる機会となるでしょう。
責任ある行動を教えることの価値
大管長会のジェームズ・E・ファウスト管長は,子供に責任ある行動を教えることの大切さを強調してこう語っています。「親が子供をしつけず,従順を教えなければ,親にとっても子にとっても満足できないような形に社会が子供を変えていってしまうでしょう。……家庭に規律と従順がなければ,家族の一致は崩れ去ってしまうでしょう。」15 神の戒めと家庭や社会の規則を守るよう親が愛を込めて子供に教えるならば,家族はより平安と幸福に包まれることでしょう。