デジタル版のみ:ヤングアダルト
霊的ではない場所で御霊とつながる
韓国で兵役中,わたしは教会から絶たれていましたが,幾つかのことがわたしの信仰を強く保ってくれました。
韓国で育ったわたしは,友人やクラスメートの中で,末日聖徒イエス・キリスト教会の唯一の会員であることが多かったのです。友人と同じことをしない理由を説明するのが難しいときもありましたが,自分の信念を貫くことは,信仰を強めるように思えました。
しかし,ヤングアダルトになったとき,かつてないほど多くの誘惑に直面し,霊的ではない環境に置かれました。
霊的ではない場所
韓国では,ヤングアダルトの男性は数年間兵役に就くことが義務付けられています。伝道後,兵役の真っ最中だったわたしは,多くの理由で,かつてないほど信仰において孤独を感じました。
一つは,ほかの教会員や家族から離れるのはつらいことでしたが,もう一つ難しかったのは,わたしたちの標準に反する事柄に取り囲まれていたことでした。例えば,アルコールは韓国の至る所にあり,特に軍ではそうでした。訓練の後に,みんなが一緒にお酒を飲むのは普通のことでした。わたしがアルコールを飲んでいないことが分かったとき,彼らはわたしに無理やり飲ませようと様々なことをしてきました。彼らの目には,わたしが自分の価値観を貫いているのではなく,文化に逆らっていると映ったのでした。
残念ながら,仲間の兵士たちが女性についてこの世的で性的な話をするのもよくあることで,わたしはそれを不快に感じていました。毎日悪い言葉を聞くのは大変なことでした。それに加えて,この時期,わたしは教会に出席することも,聖餐にあずかることも,神殿に参入することも,福音に関連することも,ほとんどできませんでした。
しばらくの間,わたしはとても孤独を感じ,御霊を感じて信仰を強く保つためにはどうしたらいいのだろうと考えました。選択の余地がなかったとき,どうすれば聖なる場所に立つことができるでしょうか。
小さなこと
しばらく苦しんだ後,わたしはこの世的な環境の中でも御霊を感じることに責任を持たなければならないと決意しました。一つ助けになったのは,伝道中に使った聖文を兵役に持って来たことです。聖文を読み,祈り,救い主に仕え,より救い主のようになる機会を探すという,日々行う小さな習慣が御霊とのつながりを保ちます。
ある日,わたしは1コリント10:13を思い浮かべました。「神は真実である。あなたがたを耐えられないような試練に会わせることはないばかりか,試練と同時に,それに耐えられるように,のがれる道も備えて下さるのである。」
その聖句を読んでいると,孤独を感じていたにもかかわらず,天の御父がともにいてくださっているのに気づきました。神と救い主に手を差し伸べ続ければ,信仰を持って兵役に耐え,以前よりも強い証を持って帰還する方法を見いだせるように助けてくださることでしょう。
自分が何者であるかを思い出す
わたしが教会やほかの会員とのつながりを絶たれていたこの時期に,聖文はわたしにとって命綱となりました。毎日天の御父と話し,聖文を読むことで,わたしは御父とつながり続け,霊的に生き残るためのもう一つの鍵である自分の神聖な属性を思い起こすことができました。
自分が天の両親から愛されている子供であることを思い出すことで,特に誘惑に直面したとき,信仰の土台を強く保つことができました。
七十人のアラン・T・フィリップス長老は最近,次のように教えています:「イエス・キリストは,皆さんが天の御父を知り,御父との関係を築くよう望んでおられます。……
皆さんはその御父の子供なのです。途方に暮れている人,疑問のある人や知恵に不足している人,現況に苦しんでいる人や霊的に調和できていないことに葛藤している人は,主に頼ってください。慰めや愛,答え,導きを求めて主に祈ってください。どんな必要を抱え,どんな状況にあったとしても,天の御父に心を注ぎ出してください。」1
何らかの理由で神殿や教会に出席できなかったり,聖餐を受けることができなかったとしても,自分の神聖な属性を覚えておくことは,常に御霊と再びつながり,天の御父とイエス・キリストとの関係を深める手段となります。
わたしたちは常に聖なるものにつながることができる
兵役を終えると,わたしはかつてないほど霊的な習慣を優先しました。神殿に参入し,聖餐を受け,福音に十分に心を向けることができたのは,この2年間経験してきた環境とはまったく対照的でした。わたしは今,イエス・キリストの福音が与えてくださる祝福と慰め,喜びを十分に感じています。これができるようになるまで,忠実であり続けてよかったと思います。
神聖とは言えない場所に立たなければならない状況に陥ったとしても,信仰を持ち続けてください。信仰の種を堅固な地に植え,根づかせることで,この世の誘惑や試練に耐えられるということについて多くのことを学びました。
あなたの環境や困難な状況がどれほど暗く思えても,祈り,聖文,聖霊の賜物を通して常に天とつながれることを忘れないでください。
七十人のホアキン・E・コスタ長老が最近教えたように,「辛い出来事に耐える力を,彼らはどこから得たのでしょうか。すべてを失ったように思える中で前進するためのあと少しの力を,どこから得たのでしょうか。
その力の源は,日々主のもとに来ようと意識して努めるときに,イエス・キリストを信じる信仰にあることを,わたしは知りました。」2
どこに立っていても,イエス・キリストに従い,信仰を持ち続けようと努力しているならば,どこでも主の光を受けて分かち合うことができる聖なる場所にすることができます。