キノコの教訓
このお話を書いた人は,ドイツのバイエルンに住んでいます。
アニーとほかの子供たちは言うことをちゃんと聞くと約束しました。
「せいれいの力によって,あなたがたはすべてのことの真理を知るであろう。」(モロナイ10:5)
アニーはとてもワクワクしていました。アニーのお母さんは,友達のマリアさんと一緒に野生のキノコをとりに行くことになっていました。そしてお母さんは,アニーも行っていいと言ったのです!十分な年になっている,アニーの3人のきょうだいも行けることになりました。
「さて」と,お母さんが出発の前に言いました。「あなたたちに来てもいいと言うのは,言うことをちゃんと聞ける子だからよ。キノコをさがすときには,それがすごく大事なことなの。野生のキノコには,おいしいものもある。でも,どくのあるキノコもある。そういうキノコは,あなたたちの体調を悪くするのよ。だから,みんなマリアさんの言うとおりにするって約束できる?」
「うん!」アニーときょうだいは大きな声で返事をしました。アニーとオータム,ギデオン,アデレードはカゴを持って森まで歩き,マリアさんに会いました。
マリアさんはキノコにくわしい人でした。食べても安全なキノコをドイツのバイエルンの森で見つける方法を教わっていました。
「やあ,みんな!」とマリアさんは言いました。「キノコを見つけるじゅんびができている人は?」
アニーときょうだいは元気よく言いました。「わたし!わたし!」
「いいね!」とマリアさんは言いました。「でも覚えておいて。さわったり,とったりしてもいいのは,わたしが安全だと言うキノコだけよ。」
アニーとほかの子供たちはもう一度,言うことをちゃんと聞くと約束しました。それからアニーたちはマリアさんに続いて森に入りました。
明るい太陽の下,アニーたちはこけでおおわれた地面を歩きました。キノコは辺り一面に生えていました!オレンジ,白,赤,茶色のキノコがありました。大きいものもありました。小さいものもありました。
アニーが気に入ったのは,白い水玉模様がある赤いキノコです。それを見て,アニーはおとぎ話を思い出しました。けれども,さわってはいけないとマリアさんに言われて,それにしたがいました。そのキノコはきれいでしたが,とても強いどくがあったのです!
マリアさんはよく気を配りながら,アニーたちを案内してくれました。アニーときょうだいは約束どおり,ちゃんと言うことを聞きました。
アニーたちは,ほかの方法でも手伝うことができました。オータムはキノコの写真をとりました。食べても安全なキノコをマリアさんが見つけたら,ギデオンは気をつけながらそのじくを切りました。それから,アニーとアデレードがそのキノコをカゴに入れて運びました。
やがて家に帰る時間になりました。マリアさんは,家に帰ったらすぐに石鹸と水で手をあらうようにと念をおしました。
「森を案内して,キノコをとるのを手伝ってくれてありがとうございました」とアニーは言いました。
マリアさんはほほえみました。「こちらこそ,言うことをちゃんと聞いてくれてありがとう!」
その夜の夕飯に,お父さんはじゃがいも,ソーセージ,たまごを料理してくれましたが,そこにはある特別な材料も加わっていました。キノコです!
「おいしい」とアニーは料理をほおばりながら言いました。「すごくいい味!」
「どれが食べても安全なキノコなのか,マリアさんが知っていてよかったわね」とお母さんが言いました。
「わたしたちがマリアさんの言うことを聞けたのもよかったよ!」とオータムが言いました。
アニーは少しの間,考えました。「これって,わたしたちがせいれいに耳をかたむける必要があるのとにていることなのかな?」アニーはバプテスマとかくにんを受けるじゅんびをしているところでした。せいれいの賜物を受けることの意味について学んでいました。
お母さんはうなずきました。「そうね!せいれいは,何が正しくて良いことなのか分かるように助けてくださるのよ。どのキノコを食べてもよいか分かるようにマリアさんが助けてくれたのとにているわね。」
「だから,せいれいに注意深く耳をかたむけることが大切なんだよ」とお父さんが言いました。
「そのとおり!」とお母さんが言いました。
「わたしたちが安全でいられるように,せいれいが助けてくださるのはうれしいな」とアニーは言いました。そしてアニーはほほえみながら,おいしいキノコを思い切りほおばりました。