総大会
常に伴侶となる御方
2023年10月総大会


18:5

常に伴侶となる御方

わたしたちには,聖霊を常に伴侶とする機会が与えられています。

愛する兄弟姉妹の皆さん,わたしたちはこの大会において,あふれんばかりの啓示という祝福にあずかってきました。主イエス・キリストの僕たちは,これまでも,そしてこれからも,真理と励まし,導きとなる言葉を語ります。

主は聖霊を通して,わたしたち一人一人に語りかけてくださるというこれまで分かち合われた証に,わたしは心を動かされました。祈り,御霊の促しに耳を傾けるとき,わたしたちはこの先増すであろう困難の中を導いてくださる,さらなる洞察と祝福を得ることができます。

わたしたちは再度,ラッセル・M・ネルソン大管長の次の警告を聞きました。「導き,指示し,慰める,変わることのない聖霊の影響力がなければ,これから先,霊的に生き残ることはできなくなるでしょう。」1

この預言者の警告を受け,わたしは自分の子供や孫,そしてひ孫たちに,これからの困難な日々の中で重要な導きを受けるにはどうしたらよいかについて,何を教えるべきか考えるようになりました。

ですので,今日のメッセージはわたしの子孫に宛てた,これからの心躍る日々において,わたしが彼らと一緒にいないときに,彼らの助けになるかもしれない簡単な手紙です。彼らの助けになるとわたしが知っている事柄を,彼らにも知ってもらいたいのです。

わたしたちが生きているこの時代にあって,絶えず聖霊の影響力を受けるには彼らに何が必要なのか,わたしはよりよく分かるようになってきました。わたしは今日,常に伴侶となっていただけるようにできるかぎり近くに聖霊を招くということについて,個人的な経験を話すようにという印象を受けました。彼らを励ますことができればと祈っています。

ヒラマンの息子であるニーファイとリーハイと,ともに働いていた主の僕たちについて考え,祈ることから始めてほしいと思います。彼らは激しい反対に直面しました。邪悪な地で奉仕していた彼らは,ひどい欺きに対処しなければなりませんでした。わたしはヒラマンの記録にあるこの一節から,勇気をもらいます。きっと皆さんもそうでしょう。

「ところが第七十九年に,多くの争いが始まった。しかし,ニーファイとリーハイと,彼らの同僚たちの多くは,教義の真の要点について理解し,日々多くの啓示を受けていたので,人々に教えを説き,その年のうちに争いを鎮めた。」2

この話はわたしを勇気づけてくれますし,皆さんをも勇気づけてくれるでしょう。ヒラマンの息子たちは,聖霊と交わる一連の経験によって教えと導きを受けていました。このことから,わたしたちは御霊から少しずつ教えを授かり,学び,必要なものを受け,準備が整ったときにはさらに多くのものを受けることができると確信することができます。

わたしは同じように,ラバンの版を手に入れるためにエルサレムへ戻るよう求められた,ニーファイの記述にも励まされてきました。ニーファイがした選択を皆さんも覚えていることでしょう。彼はこう言いました。「わたしは行って,主が命じられたことを行います。」3

ニーファイがその用向きにおいて経験した聖霊との交わりは,主からの割り当てであるとは理解しながらも,自分の過去の経験や持てる能力をはるかに超えていると思われる務めに取りかかろうとするときに,何度もわたしに勇気をくれました。

ニーファイが自らの経験について語った言葉を,皆さんも覚えていることでしょう。「時はもう夜であった。わたしは兄たちを城壁の外に忍ばせた。彼らが身を隠してから,わたしニーファイは都に忍び込み,ラバンの家に向かって進んで行った。」

ニーファイはこう続けています。「わたしは,前もって自分のなすべきことを知らないまま,御霊に導かれて行った。」4

ニーファイが主の用向きを果たすために,夜通し,毎分,御霊に導かれていたことを知り,わたしは勇気づけられてきました。

わたしたちは,そして皆さんも,聖霊を常に伴侶とすることが必要です。そう望んだとしても,そうすることが容易でないことは,だれもが経験から知っています。わたしたちは日々の生活の中で,自らの思いや言葉,行いによって御霊を遠ざけてしまうのです。

そのようなことがあると,そして実際にあるでしょうが,主のとがめを感じるかもしれません。そして自分は孤独だと感じてしまうかもしれません。ですから毎週,悔い改めて聖餐にあずかる際にわたしたちが受ける,「いつも御子の御霊を受けられるように」という確かな約束を思い起こすことが重要なのです。5

もし今日,聖霊の影響力を感じたのであれば,自分の生活に贖いの力がおよんでいる,すてきな証拠だと考えてよいでしょう。

ジェフリー・R・ホランド長老はこのように述べています。「このような窮地に陥るとき,わたしたちは,神に見捨てられたのではないか,神は祈りを聞いてくださらないのではないかという恐れに屈してはなりません。神は確かに聞いておられます。神は確かに見ておられます。神は確かに愛してくださっているのです。」6

そのような確信が,わたしの助けとなってきました。主から遠ざかっていると感じるとき,祈りに対する答えが遅れているように感じるとき,わたしはネルソン大管長の勧告に従い,悔い改める機会を求めて自らの人生を振り返るようになりました。大管長は,このように思い起こさせてくれています。「日々の悔い改めは清さへの道であり,清さは力をもたらします。」7

聖霊を感じることが難しい状態にあると気づいたなら,悔い改めて赦しを受けるべき事柄がないかどうか,深く考えることでしょう。8清めを受け,それによって聖霊を常に伴侶とするふさわしさを増すためになすべきことを知ろうと,信仰をもって祈ることができます。

聖霊を伴侶とすることを望むのであれば,義にかなった理由をもってそれを願うようにしましょう。皆さんの目的が,主の目的と一致している必要があります。あまりにも利己的な動機を抱いているのであれば,御霊の促しを受けること,また促しを感じることは難しいでしょう。

わたしたちにとって鍵となるのは,救い主が望まれることを望むことです。わたしたちの動機は,キリストの純粋な愛によって突き動かされる必要があり,わたしたちの祈りは,「わたしが望むのは,あなたさまが望むことだけです。御心が行われますように。」とならなければなりません。

わたしは救い主の犠牲と,自分に向けられている主の愛を心に留めるようにしています。そうして,感謝をささげようと天の御父に祈るとき,わたしは愛を感じ,自分の祈りが聞き届けられ,自分にとって,そして愛する人々にとって最良のものを受けられるのだという確信を抱くことができます。それは,わたしの証を強めてくれます。

聖霊が証してくださるあらゆる事柄の中で,わたしたちにとって最も尊いものは,イエスがキリストであり,神の生ける御子であられるということです。救い主はこのように約束しておられます。「わたしが父のみもとからあなたがたにつかわそうとしている助け主,すなわち,父のみもとから来る真理の御霊が下る時,それはわたしについてあかしをするであろう。」9

何年も前に,取り乱したある母親からの電話を受けたことがあります。娘さんが,家から遠く離れた場所に引っ越してしまったと話してくれました。娘さんとの短いやり取りの中で,何かひどく悪いことが起きていると感じた彼女は,助けてほしいとわたしに懇願しました。

わたしは娘さんのホームティーチャーを捜し出しました。ホームティーチャーと聞けば,ずいぶん昔のことだということがわかるでしょう。そして,その兄弟に電話をかけました。若い兄弟でしたが,彼も彼の同僚も,夜中に目が覚めたと言います。その娘さんのことが気にかかっただけでなく,彼女が悲しみと不幸をもたらすような選択をしようとしているという霊感を受けたのです。御霊からのその霊感だけを頼りに,二人は彼女に会いに行きました。

初め,彼女は自分の状況について話そうとしませんでした。霊感を受けて,二人は彼女に対し,悔い改め,主が彼女のために用意されている道を選ぶようにと懇願しました。わたしは御霊によるものだと信じていますが,彼女はそのとき,二人が自分の状況を知り得たのは,唯一,神の力によるものであったことを悟りました。母親は,愛から生まれた心配事に関して,天の御父と救い主に頼りました。聖霊がホームティーチャーたちのもとに遣わされたのは,彼らが喜んで主に仕えようとしていたためです。二人は,教義と聖約にある次の勧告と約束に従っていました。

「またあなたの心が,すべての人に対して,また信仰の家族に対して,慈愛で満たされるようにしなさい。絶えず徳であなたの思いを飾るようにしなさい。そうするときに,神の前においてあなたの自信は増し,神権の教義は天からの露のようにあなたの心に滴るであろう。

聖霊は常にあなたの伴侶となり,あなたの笏は義と真理の不変の笏となるであろう。そして,あなたの主権は永遠の主権となり,それは強いられることなく,とこしえにいつまでも,あなたに流れ込むことであろう。」10

わたしは,主が御自分の約束を果たされたことを証します。聖霊は,イエス・キリスト教会の,聖約を交わした忠実な会員たちのもとに遣わされています。皆さんは唯一無二の経験をします。御霊は皆さんの信仰に応じて,また,皆さん自身だけでなく,皆さんが愛し仕える人々のために啓示を受ける能力に応じて,最も適した方法で導いてくださることでしょう。皆さんの自信が増し加えられるようにと心から祈っています。

わたしは,父なる神が生きておられることを証します。神は皆さんを愛し,すべての祈りに耳を傾けておられます。イエス・キリストは確かに,わたしたちを導き,慰め,真理を証するために聖霊を遣わしてくださるよう,御父に祈られました。御父とその愛する御子は,森の中でジョセフ・スミスに御姿を現されました。預言者ジョセフ・スミスは,神の賜物と力によってモルモン書を翻訳しました。

天の使いは,神権の鍵を回復しました。ラッセル・M・ネルソン大管長は,全世界のための神の預言者です。

わたしはイエス・キリストの証人として,主が生きておられ,御自分の教会を導いておられることを知っています。救い主を心に留め,救い主を愛し,また悔い改め,主の愛が心の中に留まるようにと求めるなら,皆さんにもわたしにも,聖霊を常に伴侶とし,これらの真理を確認する機会があります。今日,そして生涯にわたって毎日,この祝福をいただけるように,そして聖霊が伴侶であられるようにと祈ります。皆さんを愛しています。イエス・キリストの聖なる御名により,アーメン。